第2族元素(だいにぞくげんそ)は、周期表の第2族に属する典型元素でsブロック元素でもある。ベリリウム・マグネシウム・カルシウム・ストロンチウム・バリウム・ラジウムが分類される。このうち、カルシウム・ストロンチウム・バリウム・ラジウムをアルカリ土類金属(アルカリどるいきんぞく、Alkaline earth metal)と呼ぶ。かつては第2族元素全体をアルカリ土類金属と呼ぶ場合もあった。厳密には、共有結合性を強く反映する(すなわち非金属性・半金属性の寄与がある)ベリリウムとマグネシウムはアルカリ土類金属に含めないが、広義には第2族元素とアルカリ土類金属とは言いかえて使用される。ドミトリ・メンデレーエフが周期表を提唱する以前よりカルシウム、ストロンチウム、バリウムの元素群は化学反応性の類似性によりヨハン・デーベライナーの提唱による「三つ組元素」の一つとして知られていた。周期表自体は電子構造に基づく分類であるが、その分類は化学的性質の共通性もあるため、アルカリ金属、カルコゲン、ハロゲンなど化学的性質による元素区分が周期表の族名の別名のようにも使用されてきた。例えば、ベリリウム、マグネシウムの酸化物はアルカリ土類金属の酸化物のような強いアルカリ性を示さない(下記の性質で詳しく述べる)。「アルカリ土類金属」と呼ぶ場合の多くはその元素・イオンの化学的性質に着目して使用されるので第2族元素の区分とアルカリ土類金属としての区分が合致しないことがある。また、総論や教養としての基礎化学の分野では第2族元素とアルカリ土類金属との厳密な区分は必要ではないことと歴史的に周期表の族名の別名として利用されてきたので、第2族元素とアルカリ土類金属との違いは曖昧なまま言い換えられる場合も多い。第2族元素は周期表において、左から2列目に位置する元素群で、価電子は最外殻のs軌道にある電子である。いずれの元素も2価の陽イオンになりやすい。逆に1価の陽イオンはいずれも不安定であり、生成しても不均化により速やかに2価の陽イオンとなる。また、2族元素の元素は閉殻構造の遮蔽を受けない核電荷が同一周期の1族元素より大きい為、アルカリ金属よりも原子間の結合が強く、単体の融点はアルカリ金属のそれよりも高い。また、同じ理由で陽イオンは相当する1族元素よりもイオン半径が小さい。それ故、2族元素塩の結晶格子は相対的に小さく、結合は強く結びついている。塩の水溶性に格子の解離エネルギーが与える影響は大きく、1族元素塩に比べ2族元素塩の溶解性が小さい理由の一つになっている。2族元素の切断面はすべて銀白色の金属光沢をもつが、周期が大きくなるほど原子半径が大きくなりs軌道電子の束縛は緩やかとなり金属性がより強くなる。第2族元素の一部は炎色反応を示すものが存在する。2族元素の中でもベリリウムは化合物中において共有結合性が強く表れ、カルシウム以下の2族元素(アルカリ土類金属)とはいささか化学的性質が異なる。マグネシウムはベリリウムとアルカリ土類金属の中間的な性質を持ち、ひいてはグリニャール試薬など有機金属試薬として有用な性質を有している。マグネシウムと特にカルシウムなどアルカリ土類金属は鉱石などの主要成分の一つとして地殻中に普遍的に見出される。2族元素の酸化還元電位は相当低い為、還元力は強い。しかし、ベリリウムやマグネシウムの単体金属は強固な酸化皮膜で覆われ不動態を形成する為、強い還元作用が表面には現れにくい。一方、それ以外のカルシウム、ストロンチウム、バリウムは水などのプロトン性溶媒と反応して、1族元素と比べて穏やかな反応で水素を発生する。2族元素は一般式、MHの水素化物を生成する。そしてアルカリ土類金属(カルシウム、ストロンチウム)は常圧の水素ガスと常温〜熱時反応して直接水素化物を生成するが、マグネシウムと水素ガスとは高圧加熱下でしか反応しない。ベリリウムの水素化物は単体と水素の直接の反応では赤熱しても生成しない。水素化カルシウムはヒドリド供与体として、還元剤や無水溶媒の脱水剤として利用される。2族元素は一般式、MOの酸化物を生成する。ベリリウム以外の2族元素酸化物は水と反応すると水酸化物M(OH)となり、カルシウムより原子番号の大きいものは強塩基となる。一方、酸化ベリリウムBeOは水と反応しない。水酸化物の塩基性の強度は周期の下へ行くほど強くなる。イオン半径の大きいバリウムでは過酸化物も安定となり、酸化バリウムを空気中、500度で加熱すると過酸化バリウムを生成する。フッ化ベリリウムBeFを除いていずれの第2族元素フッ化物も水 に難溶性の塩を形成する。しかし、右に挙げたもの以外の第2族元素ハロゲン化物はいずれも水に対する溶解性は大である。潮解性を示すものが多く、特に塩化カルシウムCaClは乾燥剤として利用される。
出典:wikipedia
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