ネイキッド(NAKED)はダイハツ工業で生産されていた軽自動車である。Naked とは英語で「全裸」、「むき出しの状態の」、「ありのままの」を意味する言葉である。その名の通り、「むき出しの素材感」がデザインテーマとなっている。1997年(平成9年)に開催された第32回東京モーターショーに参考出品された。当初、販売予定はなかったが、同モーターショーでの反響が大きかったため、販売を決定した。その後、1999年(平成11年)に開催された第33回東京モーターショーで市販モデルが公開された後、同年内に販売開始。ベースは前年フルモデルチェンジされたミラ(L700系)である。スズキ・ワゴンRに始まる当時流行のトールワゴン型軽乗用車の大勢とは一風異なり、フランスやイタリアの古典的コンパクトカーにも通じる合理的アイデアを随所に取り入れたユニークなモデルであった。このため評論家筋からは評価する声もあったが、一般ユーザー受けが悪く、十分な販売実績を上げられなかった。そのため、このコンセプトでの量産は1代限りで終了した。市販化にあたり、衝突安全基準が見直された新軽自動車規格にあわせて手直しはされているが、コンセプトカーのスタイルをほぼ踏襲し、実用面の各種アイディアも生かされている。バンパーおよびフロントグリルは外側からボルト止めされており、簡単に取り外しができるようになっている。元の部品を取り外し、ダイハツディーラーオプションのカーボンファイバールックのパーツや、フォグランプを装着することも可能である。外装の樹脂部品が小さめに分割されており、擦り傷を作りやすいバンパー角だけを交換してDIY感覚で修繕できるなどの合理性もあった。さらに、平板で直線的な外板パネルに深い凹状のプレスを入れた鉄板然とした意匠の4枚のドアは、アウター(外付け)ヒンジとされ、レトロな雰囲気の演出のみならず、90度近い開角度を可能とした実用性も与えられている。このドア回りと、外部に露出したセンターピラーとを組み合わせた設計意図は、製造コストダウンと安全性強化を両立させようとしたネイキッドの真骨頂と言うべき部分で、実にユニークである。左右側それぞれの前後ドアは、溶接で接合するサッシ部分(この部分は前後で相違する)を除くパネルの大部分に同一のプレス型を使い、必要なプレス型を4種から2種に減らして、製造コストを抑える工夫がされている。リアドアは後輪ホイールアーチ分の後寄り下隅部分を直線で斜めに裁ち落とした形態だが、フロントドアも同一形状のため、結果としてフロントシート直下部では、センターピラーと一体となった三角形の外板基部が露出した形態となる。この部分は、フロアパネルのサイドシルとセンターピラーを強固に接合させ、万一側面衝突に遭った際にはピラー共々車体側面の変形を直接抑制する部材として機能する。しかもこの「三角形」の部分は、トールワゴン車の座席回りにおいて平常デッドスペースとなる位置で、前席の乗降・着座には支障しない。また、標準装備されるスチールホイールも他の一般的なそれとは異なり、ホイールキャップなどで「隠す」のではなく、ホイールそのものにデザインを加えている(いわゆるスタイルド・スチールホイール)。カタログには同車のコンセプト通り、「スチールの素材感にこだわった」という旨の記述がある。内装もセミトリムとして鉄板を露出させており、室内でも外板色が楽しめるほか、マグネットの携帯電話ホルダーや、コインホルダーを好きな位置に取り付けられる。天井には突っ張り棒を掛けられる穴(バーエンドキャッチャー)を設置し、Cピラーおよびバックドア裏側にはアイボルト(頭部が輪になったフックなどが掛けられるボルト)用ナット穴を設置している。後席は5:5分割の「着脱式」リクライニングシート(Gシリーズ)としている。一般的なキーレスエントリーシステムとは異なり、ドアを閉めて車から離れると自動的に施錠、車に近づくと自動的に解除される「キーフリーシステム」を採用している。これも突っ張り棒やアイボルトなどと同様、商用車からのフィードバックで、頻繁な乗降と施錠・解錠を繰り返す宅配便などの集配業務用途の車種で採用されていたものである。ただし初期型モデルの一部には搭載されていない。全高を1,550 mm に抑えて機械式立体駐車場に入れるようにし、なおかつムーヴよりも低いラゲッジルームの床高さを実現しており、これにはミラ・ウォークスルーバンのリア周りの設計が生かされている。軽乗用車ながら、最低地上高はクロスカントリー車に迫る180 mm(4WDはリアデフ下端の150 mm)を確保しているため、雪道や川原などでの走破性も高い。高い視点で乗員の見晴らしは良いが、腰高のスタイルゆえに高速走行時の安定感があまり良くないとの意見もある。また、スクウェアなデザイン、ヒンジ剥き出しなど、無骨なデザインを生かしてエクステリアをハマー風に改造する事例も一部で見られる。車両形式:L750S型(2WD車)/L760S型(4WD車)
出典:wikipedia
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