作業用ザクII(さぎょうようザクツー、"WORKING TYPE ZAKU II")は、アニメ『ガンダムシリーズ』に登場する架空の兵器または作業用機器。本項ではジオン公国軍のモビルスーツ(MS)・ザクIIのバリエーションのうち、作業用の機体について解説する。一般作業用ザクは、プラモデル企画『モビルスーツバリエーション』(MSV)で登場するMS。一年戦争時、ジオン公国軍によってザクIIの登場で旧式化したザクIや、損傷し戦闘に使用できなくなったザクI・ザクIIを利用して急造されたリサイクル兵器。各部の装甲が撤去され、コクピットを建設作業車の操縦席に近い形に改修し、腕部に作業用ウインチや大型スコップを装備する。ただし現地での急造品のため、決まった仕様は存在せず、型式番号も便宜上のものである。戦闘用の装備は撤去されているため(使用可能な兵器は全て他の機体に回された)、戦闘力はないに等しい。主に一年戦争中期からアジア西部やアフリカ戦線で運用され、作業用重機として前線での塹壕掘りやバリケード作成、トーチカの建設、補給物資の運搬、故障・損傷したMSなどの回収に用いられた。初出は雑誌「コミックボンボン」の模型改造企画記事。「MSV」シリーズで設定に組み込まれ、映像作品には未登場。1983年10月発売の『MSバリエーション ハンドブック3」においては「型式番号を持たない」とされていた。当時ガンプラでの発売予定があったが実現せず、2006年に初期のガンプラをダウンサイジングした「ガンプラコレクション」第1弾で商品化された(この時、当時のガンプラをイメージしたボックスアートも新規にデザインされ、また、その時のガンプラのほとんどがラインナップに入っていた「ベストメカコレクション」の一環として、当時は№58で終わっていたシリーズに、新しく追加扱いで№59とパッケージに表示されている)。漫画『機動戦士ガンダム オレら連邦愚連隊』では、コロニーの破片を片腕で投げつけてミニ・トレーの主砲を破壊する、ジム・ストライカーと格闘戦で互角に戦うなどの荒業を披露しており、公式設定とは異なり通常機に匹敵する戦闘力を有した機体として描かれている。オンラインゲーム『機動戦士ガンダム オンライン』では、リペアトーチ、リペアポッド(弾薬の補給や機体の損傷を応急修理する装備)、マシンガン、ショットガン、ジャミングクラッカー、カメラガン、レーダーポッド、携行型対空砲を運用可能な支援機体として登場している。目次へ移動するザクタンクは、プラモデル企画『モビルスーツバリエーション』(MSV)、およびアニメ『機動戦士Ζガンダム』『機動戦士ガンダムΖΖ』『機動戦士ガンダム 第08MS小隊』『機動戦士ガンダムUC』に登場するMS。一年戦争時、ジオン公国軍によって前線で損傷した機体を組み合わせて改造されたリサイクル兵器。MS・ザクIIの上半身とマゼラアタックの車体部マゼラベースを可動ユニットを介して組み合わせ、両腕を簡易型マニピュレータに交換したもの。おもに運搬・建築・回収作業用として使用されるが、拠点防衛などの実戦にも投入されている。なお、マゼラベースのサイズを考えるとザクIIの上半身とサイズが合わないため、下半身の車体部はマゼラベースを参照してザクIIの大きさに合わせ新規に作成されたもの、という説も存在する。アフリカ戦線の工作作業中隊によって製作されたものが最初であり、その後各地に広まった。現地改造のため決まった仕様はなく、様々なバリエーションが存在したとされるが、一般的に知られるザクタンクはアフリカ戦線で確認された「サンドシープ」の愛称を持つ機体である。基本的に武装は貧弱で車体の3連装機銃だけであるが、実戦投入された機体の中には武装強化されたものもあった。また、背部にはカセットタンクのほか、クレーンユニットやカーゴデッキなどの様々なオプションを装備することができる。初出は雑誌「コミックボンボン」の模型改造企画記事。後に「MSV」シリーズとしてプラモデル化され、『機動戦士Ζガンダム』などのアニメ本編に登場することで、公式の存在となった。目次へ移動するザクマインレイヤーは、プラモデル企画『モビルスーツバリエーション』(MSV)に登場するMS。量産型ザクII(F型)のバリエーションの一種である(型式番号:MS-06F)。一年戦争時にザクIIの背部バックパックを機雷(ハイドボンブ)射出機とスラスターを装備した大型バックパックに換装したタイプである。機雷散布を目的とした機体であり、プロペラントの増積により通常のMS-06Fの5倍の行動時間を有する一方、大型の散布用バックパックの重量により運動性能は鈍重となっている。頭部ユニットとバックパックがケーブルで直結していて、通信機能は指揮官機なみに強化されている。型式番号はMS-06Fのままとなっている。大戦初期には連邦軍艦艇に大きな被害を与えていたが、大戦後半にジムが登場すると鈍重な当機の被害は次第に大きくなっていき、活動範囲が狭められていった。また、ゲーム『機動戦士ガンダム 一年戦争』では、宇宙攻撃軍の拠点ソロモン配備機も登場。これはドズル・ザビ専用MS-06Fを模した機体で、ドズル機の特徴である両肩のスパイクアーマー、濃い縁と金色のエングレービング風のカラーリング、大型ヒートホークの装備が施されている。通常機と指揮官機の2種類がある。漫画『ゼロの旧ザク』では、ソロモンを脱出したニルス・テオレルらを救助したチベ級重巡洋艦「チェーホフ」を旗艦とした部隊の運用機として複数登場。「チェーホフ」艦長のイリアスの機体にはブレードアンテナが装備されている。画稿の初出は1982年4月に講談社が発行した『SFプラモブック(1) 機動戦士ガンダム』。プラモデル化された際は、バックパックをともに製品に付属する一般型用に換装すればノーマルのザクIIとなるうえ、さらにプロポーションの改善や旧キットでは再現されなかった可動を実現したリメイク的商品となり、「完璧版ノーマルザク」と謳われた。後に当キットをベースに06Rの携帯武装を付属させた、シャア専用ザクのスペシャルキットがキャンペーン用の景品として用意され、ガンプラ購入者に店頭での抽選を行い、当選者に配られたことがあり、一般販売ではないが明確なリニューアルキットとしてHGガンダム以前に存在した初めてのガンプラでもある。マスターグレードでもザクVer.2.0のバリエーションキットとして発売されている。目次へ移動するザク・トレーナーは、プラモデル企画『モビルスーツバリエーション』(MSV)に登場するMS。教習訓練用とも呼称される(型式番号:MS-06T)。ジオン軍における新兵器MSに新兵を慣らさせるべく、最も量産されたザクII(のちにC型からの改造機と設定変更される)を改造し練習機としたもの。初出は書籍『ガンダムセンチュリー』。機体の改造に関しては、コクピットを複座式に改造して垂直に二連のモノアイレールを設置した説と、コクピットの複座化のみを改造点とする説とに別れ、デザイン画も描かれなかった。そのため、ガンプラブーム期には、モデラーなりの解釈を加えた改造モデルが多く製作された。その後、ゲーム『機動戦士ガンダム 戦場の絆』において、F型を改造した設定でザク・トレーナータイプという名称で登場。特色として胸部にモノアイと固定バルカン砲を装備したボディユニットを組み込んでいることが挙げられる。また、連邦軍MSとの戦闘を考慮して機体各部に発光バンパーが装着され、機体を遮蔽物に隠す訓練に使用された。シルエットはF型とさほどの相違はないが、肩スパイクは排されている。目次へ移動するザクMS工兵仕様は、ホビージャパン刊行の書籍『GUNDAM GAMES TACTICS別冊』に登場するMS。陸戦型ザクII(J型)のバリエーションの一種である(型式番号:MS-06J)。陸戦型ザクIIの工兵仕様機で、2発の対MS地雷とバックパックを燃料タンクとする火炎放射器で武装しているほか、両胸にスモークディスチャージャーを装備し、脚部にはツィメリットコーティングが施されている。オランダ南部で活動していた第十七装甲師団・第二十六装甲工兵大隊MS工兵小隊での運用が確認されている。目次へ移動するエネルギー・バックアップ用随伴機は、メカニックデザイン企画『F.M.S』(福地モビルスーツステーション)に登場するMS。ドズル専用ザク後期型の腹部2連メガ粒子砲へのエネルギー供給を目的とする「機動バックパック」としてザク系列機を元に開発された機体。基本的な機体形状はザクII改に類似しており、脚部はスラスターに換装されている。武装は持たず、両肩のショルダーアーマーにもスパイクは装備されていない。目次へ移動するマニピュレイションシステム装着型MS-06(ザクII)は、雑誌「B-CLUB」66号(1991年5月発行)に登場する作業用MS。正規の型式番号は不明だが便宜的にMS-06MPと呼称されている。一年戦争末期、宇宙空間での作業用に既存のザクIIと作業用ポッドを組み合わせて開発された。ランドセル部分から4本のマニピュレーターが(2本は肩の上、2本は脇の下を通って)前に突き出している。マニピュレーターはザクII本来の腕より長いが華奢で指の数も少なく(上のマニピュレーターは指2本、下のは3本)、精密作業専用とされている。2人乗りで、マニピュレーター操作員は胸部(イラストでは左胸だが、説明文には右胸と書かれている)から張り出して設けられた、ユンボの運転席のような窓の付いたボックスに入り、目視しながら操作する。生産数はわずか3〜4機しかなく、全機がソーラ・レイの改造作業に投入されている。この機体については、その後発行された書籍に掲載されていなかったが、2011年発行の『モビルスーツ全集3 ザクBOOK』(双葉社)に画稿が掲載されている。『機動戦士ガンダムMS大全集2013[+線画設定集]』において、本機は「F91 MSV」に分類されている。目次へ移動する
出典:wikipedia
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