『射鵰英雄伝』(しゃちょうえいゆうでん)は、中華圏(中華人民共和国、台湾、シンガポール、華僑・華人コミュニティ等)で著名な小説家金庸の武俠小説の1つ。金庸が武俠小説の大家として揺るぎない地位を築いた代表作であり、「射鵰三部作」と呼ばれる長大な連作の開幕作品でもある。1957年から1959年にかけて、香港の『香港商報』に連載された。物語は13世紀初頭、靖康の変を経て南宋と金が対峙し、北方でモンゴルが台頭しつつある時代を背景に、モンゴルで育った漢人の若者郭靖が、江湖の荒波に揉まれながら人間的に成長していく姿を、全てにおいて彼と対極に位置する少年楊康の破滅と照らし合わせながらじっくりと描き込んでいる。この作品が多くの人々に支持されている理由としてよく挙げられるのが、多種多彩な脇役たちの存在である。「東邪」「西毒」「北丐」「南帝」「中神通」「老頑童」「鉄掌水上飄」と呼ばれる武林の巨峰たちや、「江南七怪」の異名を持つ武芸者の集団など、いずれ劣らぬ魅力的な脇役たちの活躍が、物語を大いに盛り上げている。また、純粋朴訥だが、愚鈍な面もある郭靖を支えて一緒に旅をする怜悧活発な恋人黄蓉の存在も欠かせない。なお題名は、郭靖が、モンゴルの草原で鵰(イヌワシ)を見事に射落とす場面に由来する。他多数12世紀前半、靖康の変によって、宋は、女真人の建てた金に淮水以北の領土を奪われ、江南の臨安(杭州)に都を移すことを余儀なくされた。以後、南宋と称されるようになる。時は下って南宋の中期。義俠心で結ばれた2人の男、郭嘯天と楊鉄心は、共に臨月の妻を持つ親友同士だったが、ある日、全真教の道士・丘処機と出会い、意気投合する。だがその後、彼らが暮らす村は官兵に襲われ、両家は離散してしまう。連れ去られた2人の妻の行方を追う丘処機は、途中で江南七怪の異名を持つ7人の俠客集団と諍いを起こし、風変わりな勝負を持ちかける。郭・楊両人の妻がいずれも身籠っていることから、彼女たちを見つけ出した後、産まれるであろう子たちをそれぞれが弟子にして武芸を授け、2人が成長した18年後に試合をさせて、勝敗を決しようというのだ。その頃、郭嘯天の妻李萍はモンゴルに逃れて息子郭靖を生んだ。一方、楊鉄心の妻包惜弱は、金の趙王完顔洪烈の庇護を受け、やがて王妃に迎え入れられる。生まれた息子楊康も、金の王子として育てられることになった。6年後、江南七怪はモンゴルの草原でチンギス・ハーンの庇護下に置かれていた郭靖を見つけ出し、弟子にした。一方の丘処機も金の王子として育てられている楊康を捜し出し、弟子とする。真面目だが、物覚えの悪い郭靖の武芸はなかなか上達せず、江南七怪を悩ませる。だが、努力を積み重ね、更に奇縁に恵まれたことで、着々と勢力を拡大するチンギス・ハーンの下、郭靖は草原の勇者へと成長した。やがて郭靖は、18歳となった春、約束の試合を果たすべく、中原へ向かい旅立ち、波乱万丈な物語を紡ぎ出すことになる。
出典:wikipedia
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