白人至上主義(はくじんしじょうしゅぎ、、)は、人種差別的思想のひとつ。スローガンとして「ホワイト・パワー」・「ホワイトプライド」という言葉が頻繁に用いられる。白人がそれ以外の人種(インドなどの肌の色が濃いコーカソイドを含む「有色人種」)より優れている、もしくはコーカソイドが他の人種より優れているという主張に集約される。日本人(非白人)の「白人コンプレックス」とは異なり、白人自身が持つ思想である。人種差別は古来から人類社会に存在する差別意識であるが、その中でも白人至上主義は代表例として想起されやすい。当時はチャールズ・ダーウィンらの研究によって生物学(ひいては人種研究)が飛躍的な進化を遂げた時期ではあったが、その研究は現在に比べれば欠陥が多く、導き出された答えにも偏りが存在していた。研究を担う学者達がヨーロッパ人で占められていたのも、人種研究に関する公平さを欠く遠因となった。実際、先述した近代生物学の権威たるダーウィンの従兄弟は、白人至上主義の影響を多分に受け、今日では疑似科学・人種差別思想と考えられている優生学を創始したフランシス・ゴルトンであるが、ダーウィンはゴルトンの優生学に対して一定の評価を与えている。これはゴルトンの優生学のような人種思想が当時の欧州人にとってとっぴな意見ではなく、学術的な世界ですら一般的な意見としてまかり通っていたことを示している。古典的な段階における植民地主義や帝国主義の場合、この人種差別的なイデオロギーは露骨で素朴な形で広まっていた。現代に入って植民地諸国の独立が進み、さらなる進歩を遂げた生物学による人種研究が進められても、白人至上主義はヨーロッパ(あるいはその流れを汲む国々)の人々の意識と無関係になったとは言いがたい。各国憲法、国連憲章などにおける人種差別の廃止、人種差別撤廃条約や公民権運動などによる働きかけにもかかわらず、合衆国の法学が白人性の概念を取り上げて問題化しているように、そのイデオロギーは存続している。先に述べた通り、「白人」が他の人種に優越すると主張する立場ではあるが、肝心の「白人」の定義は論者ごとに異なる曖昧さを持つ。元より三大人種という概念自体が差別思想や宗教的価値観・政治的主張などから作為的に作られた経緯を持つため、必ずしも科学的な純生物学的検証による線引きが行われているわけではない。白人至上主義が唱えられた国の状況によって「人種の線引き」や「優等さの順位」は容易に変動するので、明確な定義を客観的に行うのは難しい。たとえばヨーロッパのユダヤ人は外見上白人であるが、白人至上主義の「白人」にユダヤ人が入るかどうかはその国の反ユダヤ主義感情の度合いによって変わってくる。白豪主義と呼ばれる強烈な白人至上主義で知られ、過去には先住民アボリジニに対する虐殺や、第二次世界大戦時における日本軍兵士捕虜に対する虐待やアメリカの黒人部隊の上陸の拒否などで知られる。先住民を虐殺、放逐した結果誕生した白人国家であることから、近年にいたっても白人至上主義的な言動が多い。具体例として2005年にシドニー郊外のクロナラ・ビーチに5000人を超える白人が集まり、暴徒化した白人集団による中東系移民への無差別襲撃が発生した(クロナラ暴動)他、アジア人移民を拒否し白豪主義に戻ろうとする極右政党「」の台頭や、日本による捕鯨活動に対する感情的な批判などが挙げられる。2008年に、オーストラリアの大学がオーストラリア人1万2500人を対象に人種差別について10年かけて調査した結果を発表した。それによると、回答者の46%は「特定の民族はオーストラリアにふさわしくない」と回答。特にイスラム教徒や黒人、アボリジニに対する差別意識が根強いとされる。また、およそ10%が「異民族間結婚は認められず」、同じく10%が「自分たちよりも劣る民族がいる」と回答しており、未だに白人至上主義的な人種差別意識が残っていることが窺える。先天性疾患の一種であるダウン症はかつて蒙古症などと呼ばれていた。ダウン症の人々には「まぶたの肉が厚く目が小さい、鼻が低い、小柄、髪が直毛」などの外形的特徴があることから「高等な白人の中に劣った東洋人の子供が生まれてきた」という誤解が生まれ、「東洋人」を指す蒙古症という名称が発生したのである。国際的なファッションショーに出演するスーパーモデルと呼ばれるファッションモデルの人種比率は、白人が圧倒的多数を占め黒人やモンゴロイドの比率は低い。
出典:wikipedia
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