『レイズ・ザ・タイタニック』(原題: "Raise the Titanic!")は、クライブ・カッスラー著『タイタニックを引き揚げろ』を原作とした冒険アクション映画。1980年アメリカ、イギリス製作。主人公ダーク・ピットが、海底に沈む財宝を引き揚げる人気シリーズの映画化作品。米ソ冷戦下、音波によるミサイル防衛システム『シシリー計画』が米大統領の秘密資金で進められている。それに不可欠な希少鉱物ビザニウム(正確な英語発音はバイザニウム。架空の物質)は、ロシア(北極圏スワトロフ島(架空の島))で採掘されたのち1912年に沈没したタイタニック号に積まれていたという。ソヴィエト政府による引き揚げ妨害工作が暗躍する中、ダーク・ピット(リチャード・ジョーダン)の調査用深海艇はついにタイタニック号の手掛かりを発見し、3,650メートルの海底から4万数千トンもの鉄の塊を引き揚げることが果たして可能なのか、という問題に挑んだ。ピットらが操る潜水艇はタイタニックに近づき、タイタニックの浮上に成功する。しかし、タイタニックに積まれていたのはただの石ころだった。バイザニウムのありかを探して再調査したピットとサンデッカーは、バイザニウムを掘り出したコロラド鉱山の鉱夫の墓地を訪れる。その墓にバイザニウムの反応を確認するが、世界の平和に及ぼす影響を考え、バイザニウムをそっと元の土中に戻した。1980年12月日本公開。配給は東宝東和。大阪市北区梅田のナビオ阪急(現:HEP NAVIO)内にオープンした北野劇場(現:TOHOシネマズ梅田スクリーン1)では1980年10月24日のこけら落とし作品として本作が全国より早く先行上映されていた。ロードショー公開時には「ラスト30分はご入場できません」と広告に打ち観客の好奇心を刺激する宣伝策がとられた。これは同じ東宝東和による『ナイル殺人事件』が「結末は人に話さないでください」のキャッチフレーズでヒットさせた経験を踏まえたものだったが、実際には映画本編の終盤30分よりも前にタイタニック号の引き揚げシーンは登場してしまう。上映途中に入場した観客が、ラストシーンのあまりに腰砕けな謎解きを先に観てしまうと、あらためて冒頭から鑑賞することへの興味が失せる可能性が高く、それに対する配慮でもあった。なお実際には、観客動員数が正月映画として期待されたほどでなかったことも手伝って、実際に入場制限措置をとった上映館は少なかった。第1回ゴールデンラズベリー賞の最低作品賞にノミネートされたということが評価を物語る。この事実を紹介した映画批評の「底抜け超大作」では「原作そのものがバカ」とまでコメントされていた。作者のクライブ・カッスラー自身も、「お粗末な映画に成り果てた」と著書に書いている。実際、原作に描かれている米ソのスパイ戦、夫婦の愛憎、ソ連軍特殊部隊やハリケーンの襲来などの要素は全てカットされるか、原型をとどめないほど簡略化されていて、単に船と鉱石を探すだけの内容になっており、おまけに、鉱石をタイタニック号に積んだように偽装しなければならなかったミステリーが省略されたので、結末は腰砕けにしか見えない。また、原作とはかけ離れた容貌(ひげ面)のダーク・ピット、シリーズ中の準主役というべきアル・ジョルディーノが登場しないことも不評を買った。カッスラーによれば、プロデューサーが約束した額よりもだいぶ低い製作費しか使わなかったとのことで、その怒りから自作の映画化には慎重になり、「サハラ 死の砂漠を脱出せよ」まで映画化を拒み続けた。しかし、日本においては、1981年度の外国映画の興行成績で第4位となっている。
出典:wikipedia
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