一目均衡表(いちもくきんこうひょう)は、チャート分析法の一つ。細田悟一によって、1936年(昭和11年)に考案された。細田のペンネームである一目山人(いちもくさんじん)に因んで名づけられ、現在は細田の遺族が経営する株式会社経済変動総研の登録商標である。一目均衡表は、時間論、値幅論、型譜、スパンなどで構成される。均衡表はスパンが有名ではあるが、均衡表における第一は時間関係である。時間論は、9・17・26…などの基本数値、あるいは、過去の幾波動の日数をとる対等数値、銘柄ごとに現れる習性数値に分類される日数を経過した日を変化日とするものである。値幅論は、目標値としては、E・V・N・NT計算値、4~8Eの倍数値がある。また、相場の勢いや方向性を見定めるため、それ以外の値幅・陰陽数をも検討する。各数値によって算出された変化日に計算値を実現した場合、相場が反転する可能性が高い。スパンは、日々のローソク足と、次の5種類の数値を算出しそれぞれをつないだ線とで構成される。転換線=(過去9日間における最高値+同最安値)÷2基準線=(過去26日間における最高値+同最安値)÷2先行スパン1={(転換値+基準値)÷2}を(当日を含めた26日先すなわち)25日先にプロットしたもの先行スパン2={(過去52日間における最高値+同最安値)÷2}を(当日を含めた26日先すなわち)25日先にプロットしたもの遅行スパン=(本日の終値)を(当日を含めた26日前すなわち)25日前にプロットしたもの2本の先行スパンに囲まれた部分は雲と呼ばれる。相場は買い方と売り方の均衡が崩れた方向に動くとの考えに基づいている。また変化の起こる時期を推測する意味で時間を重視する点も特色である。株価チャートの複雑さに対し、を補助線として示し、現在の売買価格と補助線を比較することで、価格と時間を軸として、まさに一目で均衡状態を把握できるようにした点が画期的である。一目山人みずから手がけた解説本は全七巻にも及び、身につけば非常に有用とされる一方、時間論・波動論・値幅観測論などを総合的に判断する必要があるため、習得までの難度は極めて高い。また、一部の巻が絶版になっているため、すべてを正しく把握できている者は極少数である。現在、前述の株式会社経済変動総研では勉強会等を開催している。日本国外でも"の通称で広く知られている。一方、メタトレーダー4()などの一般的なチャート分析ソフトのデフォルトの設定では数値の算出に一日のズレが生ずるなど、細部は未だあまり深くは理解されていないとされる。一目均衡表は株価の騰落よりも時間を重視したテクニカル指標であり、時間論により導かれる変化日での変化の仕方が相場の行方を占うものとして重要視されている。ここで言う”変化”日を“転換”日と言わないのは、その日に相場が転換するだけではなく、加速や延長をする場合もあるためである。時間論には以下の二種類がある。時間論の基本となるもので、以下のような数値がある。9,17,26,33,42,51,65,76…これらの数値を相場の天井や底、或いは上昇・下降相場の途中の高値・安値を起点として数える。また、一定の値段を相場水準と仮定して、その値段を初めてつけた日からの基本数値での現れ方を見る時にも使う。その場合、起点の日から数えて基本数値の日において同じ値段あるいは高値、安値をつけやすい。基本数値を導き出す明確な法則はなく数も多いため、同じチャートにおいても複数の解釈ができ、時間論の難しさ、複雑さの要因となっている。基本数値とは異なり、その相場自体が上げた・下げた日数を元に数える方法である。 以上、二種類共に波動論との関連で数えるものであり、以下の波動論も参照のこと。なお、2本の先行スパンの交差する日を変化日として扱う事については、原著において均衡表各線の交差する日は特に重要と書かれているため、間違いとは言えないものの、上で述べたような基本数値や対等数値で変化日を導き出す方法が本来のやり方であることに注意するべきである。(雲と株価 参照)一目均衡表の波動論には以下のような波動がある。(全て上昇相場について。下降相場であれば逆。)以上の6種類があるが、一目均衡表での基本は3波動のN波動である。エリオット波動理論などでは5波動が基本とされているが、5波動は3波動Nが2つ連なったものであり、7波動であれば3つ、9波動であれば4つ、とどんなに相場が続いてもN波動を基本とする。また、P波動やY波動もいずれどちらかに離れるため、大きな目で見ればN波動としてみることができる。一目均衡表の計算方法には基本のE・V・N・NT計算値と、他にもいくつかの計算方法がある。理解されにくい一目均衡表の中でも唯一具体的な数値が得られる計算値だが、価格差のみに着目し、需給には考慮していないため、計算値のみに拘りすぎるのは禁物である。(以下5つの計算値の計算方法については、安値Aから高値Bまで上げ、高値Bから安値Cまで下げている上昇相場を元に考える。よって安値Cは安値Aよりも上位にある)注意事項:以下の売買シグナルは一般的にネット上で言われている売買シグナルである。原著においても均衡表各線の説明や、三役好転・逆転については述べられているが、これはあくまでも時間論・値幅観測論・波動論を全て考慮した上での判断であって、それらを考慮せずに単純に以下の売買法則を当てはめて取引をする事は非常に危険と言える。サイトによっては、以下のシグナルのみで売買をしたとしても、モミアイ相場の間は損をするが、一旦上か下かに離れれば最終的には大きな利益を得る事ができると解説するものもあるが、たとえ入り口(仕掛け)が成功したとしても出口(手仕舞い)をどこでするか等、結局のところ時間論・値幅観測論・波動論等を考慮しなければならない。転換線が基準線を上に抜けると買い。下に抜けると売りとされる。解説:これは、過去26日間の売買価格帯に対しての、過去9日間の売買価格帯の高低を示しており、転換線の上抜けは直近、買い傾向が強くなっており、下抜けは直近、売り傾向が強くなっていることを表している。出来高を考慮していないため、買い圧力売り圧力、需給の強弱までは判断できない。このトレンドの意味を理解した上で、売買シグナルとして判断する必要がある。基準線が上向けば買い。下向けば売りとされる。解説:これは、過去26日間平均の売買価の上昇、下降トレンドを表している株価が雲より上にあれば下値支持帯、抵抗帯より下にあれば上値支持帯。雲の厚みが抵抗力の強弱を示すとされる。解説:雲と呼ばれる、先行スパン1と先行スパン2に挟まれたゾーンが、支持帯、抵抗帯とされるのは、株保持者の購入価格帯を表しているためである。雲の厚みは、たとえ厚くても出来高が少なかったり、薄くても出来高が多いこともあるため、実際は、価格帯の広い狭いのみを表していることを理解した上での判断が必要となる。例えば、2本の先行スパンの交差する日、つまり、雲がねじれをおこした日は、抵抗帯の極小を表すものではなく、価格帯が狭まっている傾向と捉えるのが実情に近い。遅行スパンと日々線とを比べ、遅行線が日々線を上回っていれば買い期間、下回っていれば売り期間とされる。解説: 単純に買い期間、売り期間とみなすのはいわゆるダマシにあうことが多い。遅行スパンと日々線を比較することは、26日前の売買者(遅行線)の日々線時点での損益を確認することとなる。26日間保持した層が、「保持を続行しようとしているのか」「利益確定または、損切りをしようとしているのか」を判断する材料として利用できる。価格差だけでの判断となるため、例えば、26日前の出来高が薄い場合にいわゆるダマシとなることが多くなる。転換線>基準線, 株価>雲, 遅行スパン>日々線 の条件が揃うことを三役好転といい、強い買いシグナルとされる。すべて逆の条件となることを三役逆転といい、強い売りシグナルとされる。
出典:wikipedia
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