チャンピオンベルト()は、格闘技のプロフェッショナルスポーツ、主としてプロボクシングにおいて選手権(タイトルマッチ)を制した選手に贈られる豪華な飾りがついたベルトのことである。ジョン・L・サリバンに史上初のチャンピオンベルトが贈られたことをきっかけとして、プロの格闘スポーツでチャンピオンになるとベルトが贈られる習慣が始まった。昔は後援会やスポンサーが独自のデザインのものを贈っていたが、現在では認定団体から規格に沿ったものが贈られるのが一般的である。現在の一般的なチャンピオンベルトは、革製のベルトの上に金属の板を貼り付け、その上に宝石や加盟国国旗、歴代保持者の写真バッジなどの装飾が施されている。主となる飾りが前になるのでバックルは背中で留める。チャンピオンベルトは、タイトルを認定・管理する各団体ごとに多種多様なデザインが存在する。ベルトの色やデザインには統一感を持たせることで象徴的なものとしている(世界ボクシング評議会(WBC)の「緑のベルト」など)。一度獲得したベルトは王座から陥落したり返上する場合にも取り切り制により個人で所有出来る場合が多いが、日本のプロボクシングやプロレスでは持ち回り制で認定団体に返さなくてはならず、そのベルトは次のチャンピオンに贈呈されるシステムが採られている。前者の場合は新王者がベルトを巻いて記念撮影等をした後に前王者に返還され、新王者には後日、保存用のベルトが別に贈られる。後者の場合は後援会やスポンサーが記念に複製のベルトを造ることになるが、大量の複製の発生を防ぐため、本数などに規定を設けている団体もある。また、特製(持ち回りの場合は保持していた当時)のチャンピオンベルトが承認団体から往年の名王者に記念品として贈呈されるケースもある。取り切り制でも持ち回り制でも防衛戦の際には保持するベルトを試合に持参し、試合役員に渡さなければならない。コミッショナーはベルトが渡されたのを確認の上でタイトルマッチを認定する。K-1や黎明期のUFCのようにタイトルマッチ制度ではなくトーナメント方式でチャンピオンを決める場合は、そのトーナメント優勝者にその都度ベルトが与えられている(回ごとにデザインが変わることが多い)。UFCではトーナメント制からタイトルマッチ制に変更された後も、王座防衛の度に新ベルトが贈られ、王座獲得分と防衛回数分(3度防衛なら4本)のベルトを保持することになっていたが、現在はプロボクシング同様、1人1回王座獲得に付き1本となっている。K-1については2007年以降、タイトルマッチ制(こちらは持ち回り制)と並立でそれぞれチャンピオンベルトを贈呈している。DREAMなどにおいてトーナメント決勝が王座決定戦を兼ねる場合、勝者にトーナメント用とタイトルマッチ用で2本のベルトが贈呈されることもある。プロボクシングの場合、王座を認定する団体・コミッション毎にデザインを統一することが多いが、国際ボクシング連盟(IBF)や一時期の東洋太平洋ボクシング連盟(OPBF)のように女子王座のベルトを別の色あるいはデザインとする団体もある。王座に挑戦する際にプロモーターは承認料を団体に払うが、これは既にベルト代が含まれているからである。勿論、負ければベルトは貰えず、ベルト代も還ってこない。日本ボクシングコミッション(JBC)が制定する日本チャンピオンの現ベルトは2007年6月に更新された6代目が使用されている。革の色は黒で強化プラスチック製のプレートの中央にライオン、右側に日本地図、左側に日本初の世界王者白井義男(5代目使用中に死去)の写真がデザインされており、1本あたりの費用は50万円。ただし、2013年に復活した日本ヘビー級王座のベルトはプレートが金属製に変えられ、革も30cm長い。なお、5代目は1991年1月から16年半使用されていた。近代ボクシングの発祥地であるイギリスの国内王座のベルトは特別にロンズデールベルト()と呼ばれ、バックルには英国ボクシング協会創立者・第5代ロンズデール伯爵ヒュー・セシル・ラウザーの肖像画がはめ込まれている。初期の物は純金製で歴史的価値が高い。ベルトの価値は時代や保持していた選手によって異なるが、ランディ・ターピンが保持していたものは競売で23,000ポンド(当時約400万円)の値が付いた。ただし、現在では一人につき一本まで、また3度の防衛を果たさなければベルトは貰えない、と定められている。WBCでは近年、チャンピオンベルトがデザインされたTシャツも合わせて贈呈している。プロレスではデザインに趣好を凝らし、見た目が派手である物が多い。アントニオ猪木が作らせたIWGP選手権のベルトは時価1億円(1983年当時)ともいわれた。また、同じ団体のベルトでは、ヘビー級・ジュニアヘビー級・タッグなどのベルトでデザインに統一性を持たせる例がよくある。一方、団体によっては、それぞれベルトで革の色を変えて際立たせる例もある(女子プロレスに多い)。プロレスのチャンピオンベルトは時折、凶器としても使用される。また、矢野通らヒールのレスラーがタイトル挑戦をアピールするためベルトを強奪する手段を採ることもある。さらに外敵や管理組織のテリトリーから離脱が決まったチャンピオン、ベルトに権威がないと判断されるなどした場合、ベルトを投げつける、踏みつける、ゴミ箱に捨てるなど粗雑に扱うパフォーマンスを見せることもある。また、DDTのアイアンマンヘビーメタル級王座のように、ベルト自体がチャンピオンになることすらある。各プロレス団体毎に独自に王座を設定していることからその種類も多く、デザインも様々である。ベルトの寿命も様々で、アメリカなどでは王者の交代とともに(長期政権になると一人の王者でも)頻繁に更新される例が多いが、日本では比較的寿命が長く、全日本プロレスの三冠ヘビー級王座のチャンピオンベルトなどは最も新しいPWFヘビー級ベルトでさえ2013年にジャイアント馬場の遺族に返還されるまで40年以上も使用されていた。また、ジュニア8冠王座の様に、統一後に単体で王座戦を行って解体したベルトもある。さらに、アイスリボンのインターナショナル・リボンタッグ王座初代ベルトの様に、過去に封印されたベルトを再利用するケースもある。力道山時代の日本プロレスでは、タッグ王者はトロフィーを王座の象徴としていたが、力道山の死後になってアメリカに倣いタッグ王者もベルトを巻くようになった。トロフィーはタッグで1本、ベルトは選手1人に付き1本となっている。アマチュアレスリングでも世界選手権で優勝すればベルトを貰うことが出来る。キックボクシングの元になったムエタイでは、革製のベルト以外にも、伝統的な布製のベルトも使われている。IKUSAでは、チャンピオンベルトの代わりに日本刀が贈呈される。NASCARスプリントカップ・シリーズのうち、ラスベガス・モーター・スピードウェイで開催されるシェルビー427では、開催地が格闘技の聖地であることに因んで、トロフィーでなくチャンピオンベルトが贈呈される。ゴルフの全英オープンでは当初優勝者に持ち回りでチャンピオンベルトを贈呈しており、3年連続優勝者には「取り切り」の特典が付けられていた。トム・モリス・ジュニアが1868年から3連覇を達成したため取り切りとなり1871年は大会中止。1872年の第12回大会からは、「クラレット・ジャグ」と呼ばれるトロフィーに変更された。しかし、125周年となる1985年大会で115年ぶりにレプリカながら復活し、サンディ・ライルが獲得。150周年となる2010年にもレプリカが贈呈され、ルイス・ウーストハウゼンが獲得。なお、モリスが獲得したチャンピオンベルトは現在、R&Aのクラブハウスに展示されている。また、現在でもコンペではチャンピオンベルトを贈呈する機会が多い。爆笑オンエアバトルの年間チャンピオンやダイナマイト関西などの演芸コンテストの優勝者にはチャンピオンベルトが贈られる。
出典:wikipedia
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