地球ゴマ(ちきゅうゴマ)とは、ジャイロ効果の原理を応用した科学玩具で、株式会社タイガー商会(2015年廃業)の主力製品だった。独楽(こま)の原理であるこの二つの特性はジャイロ効果と呼ばれる。通常の独楽は、全体が回転しているため、回転を止めずに本体に触ることが難しい。だが地球ゴマは回転する円盤部分と軸が分かれているため、軸を傾けたり、綱渡りをさせたりなどが容易にできるようになっている。なお、地球ゴマの重力下で支えられている時の運動(画像参照)は、地球の歳差運動によく似ている(地球ゴマは重力により軸を倒す向きに力を受けている。一方、地球の歳差運動は、地球が回転楕円体であるために軸を黄道面に垂直にしようとする向きに力を受けているために起こる)。ジャイロスコープやそれを応用した船舶や航空機のオートパイロット、船舶や航空機の横揺れを防ぐジャイロスタビライザーの仕組みなど分かりやすく説明できるため、全国の大学、高等専門学校、科学クラブなどで実験教材としても活用されてきた。地球ゴマは一般の独楽とは異なり、回転軸と円盤の周囲を保護枠で覆っている。すべて金属製で、大きさ別に特大サイズNo. A(外枠径63mm、対象年齢12才以上、販売価格2000円)、大サイズNo. B(同54mm、同9才以上、同1600円)、中サイズNo. C(同47mm、同9才以上、同1200円)、小サイズNo. D(同40mm、同6才以上、同1100円)、特小サイズNo. E(同36mm、同6才以上、同900円)と5サイズ販売されていた。地球ゴマが誕生したのは1921年。1927年にはアメリカへ輸出、ついで東南アジアやヨーロッパへも輸出され、戦後GHQ統治下ではPX(駐屯地購買部)での販売や輸出が許可されるなど、世界的にその名が知られるところとなった。日本国内では1960年代から1970年代にかけてが最盛期で、露天商による縁日・夜店での実演、テレビCM(YouTubeで映像公開)や雑誌広告などの媒体を通じて全国へ反響が広がっていき、一躍ブレイクした。その人気にあやかろうと宇宙ゴマ、太陽ゴマ、衛星ゴマ、サーカスゴマといった模造品や後発品が当時数多く出回ったものの消えていき、地球ゴマだけは残ってきた。しかし経営者や職人の高齢化および後継者の不在などから、2015年4月やむなく地球ゴマの生産を終了し廃業することが、2015年2月6日付の中日新聞、同2月17日付の日本経済新聞、同2月22日付の読売新聞、同3月2日付の東京新聞、同3月3日付の中央日報、同3月17日付の朝日新聞、同5月25日付の産経新聞、同6月12日付の毎日新聞など各メディアで報じられた。ただし、2016年3月22日付の読売新聞の記事によれば、地球ゴマを超える新製品の発売に向けて開発に動き出しているという。芯棒上部の軸穴に紐(ひも)の一端を少し出る程度に通し、芯棒下部を指で回しながらその軸の中心に向けて紐をしっかりとかたく巻きつけていく。かたく巻きつけることが高速で回転する要となる。そして保護枠を片手で支えて持ち、もう片方の手で紐をすばやく引っ張ると円盤が高速で回転しはじめる。円盤の回転は速ければ速いほど長い間バランスよく安定し、この状態になると「ジャイロ効果」によって回転軸の向きを一定に保とうとする力が働くため、以下のような動きが可能になる。ただし玩具とはいえ精密さが命なので、取り扱いには慎重を要する。不用意に落として衝撃を与えたり、紐を斜めに傾けて力づくで引っ張ったり、芯棒の軸先に紐をからませたり、保護枠を握り曲げ変形させたりすると、精度やバランスに影響を与え性能をうまく発揮しない。紐がほぐれてきたら、そのほぐれたうちの一本を軸穴に通すか、透明接着剤で束を固めてやることで対処できる。もし紐が切れてしまった場合には軸穴に入る太さのタコ糸で代用すればよい。綱渡りは付属の紐でなしにワイヤーが望ましく、万一の落下防止のため衝撃を緩和するクッションを下に置くなどして万全を期したい。ときどき両ネジの軸受け内にスピンドルオイル(ミシン油)を注してやれば、回転がスムーズに潤滑して錆びつきや異音の解消になる。それでも異音が出続けるなど不調なときは、まず枠を振って軸先が中心にくるよう移動させ、その状態で軸先に隙間(遊び)があるようなら両端のネジどちらかをほんのわずか締め上げて微調整することで解決することもある。地球ゴマの動きや回し方については、以下の動画(YouTube)を参照すると分かりやすい。
出典:wikipedia
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