新名神高速道路(しんめいしんこうそくどうろ、SHIN-MEISHIN EXPRESSWAY)は、三重県四日市市から滋賀県、京都府、大阪府を経由し兵庫県神戸市北区へ至る高速道路(高速自動車国道)である。略称は新名神高速(しんめいしんこうそく、SHIN-MEISHIN EXPWY)、新名神(しんめいしん)など。法定路線名は近畿自動車道名古屋神戸線。道路名称決定までの仮称は「第二名神高速道路」であったが、2007年4月23日に「快適性や走行性に優れた21世紀の新時代にふさわしい道路となる」ということから新名神高速道路と道路名称が発表された 。但し、新名神は東海道ルートに沿って建設されており、愛知県から滋賀県までの大部分は名神高速道路からかなり離れた場所にあるため、東名・新東名ほどの補完的関係はない。実際に、法定路線名も新名神が上述の近畿自動車道名古屋神戸線であるのに対し、名神は中央自動車道西宮線と全く異なっている。なお、近畿自動車道名古屋神戸線の起点は愛知県名古屋市であるが、飛島IC - 四日市JCT間は伊勢湾岸自動車道として供用中である。また東海IC・JCT - 飛島IC間は高速自動車国道に並行する一般国道自動車専用道路の伊勢湾岸道路であり、近畿自動車道名古屋神戸線としては事業化されていない。愛称は畿央まほろばハイウェイであり、第二名神自動車道建設促進協議会によって募集・決定されたが定着していない。また、路線独自では珍しい「しんめちゃん」というマスコットキャラクターが存在する。部分開通を迎えた際、テレビ・ラジオCMやリーフレットなど宣伝広告に用いられたキャッチコピーは、「日本のまん中に、元気な流れ」。名古屋付近から京都付近までのルートについては、先に造られた名神高速道路や、鉄道路線のJR東海道本線及び東海道新幹線が中山道に沿ったルートで関ヶ原・米原を経由しているのに対して、当路線は東海道に沿ったルートの国道1号と同じく、亀山・鈴鹿峠を経由する。計画では、東名阪道・名神・中国道(神戸JCT以東)と並行する高規格6車線道路で、新名神連絡路(4車線道路)を介して相互に補完し合うようになっている。この開通によって、以下の効果を得ることが出来る。全線開通した場合には、豊田JCT-神戸JCT間を通行する際に東名・名神・中国道経由の場合、約240kmの約160分かかっているが、伊勢湾岸道・新名神経由の場合は約210kmの約130分と、距離は約30km、時間は30分が短縮される。また中国道の宝塚東・西トンネルの慢性的な渋滞緩和が期待されている。信楽IC付近には紫香楽宮に関連する遺跡が多数所在しており、本線工事中や信楽IC工事中に発掘した遺跡もある。工事により遺跡が喪失する恐れがあったため、地元教育委員会が遺跡の保存を当時の日本道路公団(JH)に要請、JHが工事計画を変更した経緯を持つ。2005年3月19日の草津JCT-草津田上IC間の開通に続き、2008年2月23日に亀山JCT-草津田上IC間の49.7kmが開通し(総事業費4652億円)名神と新名神のダブルネットワークが完成した。部分開通後は、後述(交通状況・整備効果)のとおり、東名阪道で渋滞が頻発している。そのほか名神草津JCT以西の上り線に設置されてある距離案内標識が、新名神経由のものに変更され、名神草津JCT以東近傍の下り線に、名古屋方面の距離案内標識が新設された。亀山JCT-草津田上IC間の開通に遅れること約1年1ヶ月後の2009年3月20日には、当路線4箇所目のICとなる甲南ICが開通した。滋賀県と西日本高速道路(NEXCO西日本)が建設した関西地方で初めての地域活性化ICとなった。新名神や新東名高速道路などの中央分離帯に専用軌道を敷き、東京-大阪間に物流専用の高速貨物鉄道を整備する東海道物流新幹線構想がある。2009年12月12日に高槻第一JCT-神戸JCTの40.5kmが着工され、2017年度開通を目指し建設中であるが、この区間のうちの一部において、工事価格の情報が、入札前に清水建設に漏洩した疑いが出ており、この疑惑を受け西日本高速道路は工事の入札を中止しており、兵庫県警が清水建設及び社員宅を捜索するなどして捜査を行っている。鵜殿のヨシ原が新名神の高架橋工事で消滅する懸念が出ており、2013年11月18日、当時の太田昭宏国土交通大臣に計画の見直しを求めて約7万9,000人分の署名簿が提出される。名神に比べ、車線は1車線あたり15cm広く、道路全体では4m広い。曲線半径は名神が一般的にR=1,000m-2,000mに対し、新名神は大部分がR=3,000m以上である。勾配の割合も名神が5%に対し、新名神は半分以下の2%に抑えている。新名神高速道路は新東名・伊勢湾岸道と共に、東京・名古屋・大阪の日本三大都市を結ぶ日本の新しい大動脈として期待されている。しかし、道路関係四公団民営化推進委員会委員であった猪瀬直樹が京滋バイパスや第二京阪道路と重複し、交通需要が低く採算性が見込めない区間とされる滋賀県大津市-京都府城陽市間約25kmと京都府八幡市-大阪府高槻市間約10kmの整備をしない意向を示した旨の意見書を、当委員会の最終意見として2002年12月6日に当時の小泉純一郎総理大臣に提出した。これにより、2003年12月22日に政府・与党申し合わせで当区間が抜本的見直し区間に設定。同年12月25日の第1回国土開発幹線自動車道建設会議(国幹会議)では、新東名などと共に本線部分の暫定4車線での施工など、大幅な整備計画変更(コスト削減)が決定された。さらに2006年2月7日の第2回国幹会議にて「主要な周辺ネットワークの供用における交通状況等を見て、改めて事業の着工について判断する当面着工しない区間」とされ、第二京阪道路が全線開通した2010年3月20日以降に着工判断が持ち越され、法的に建設が予定されている国土開発幹線自動車道の整備を占う象徴的区間として政争の中心となっていた。沿線の滋賀県・京都府・大阪府の3知事などは凍結解除・早期着工を求めており、2009年4月27日の第4回国幹会議では、議論に至ったものの凍結解除は見送られた。馬淵澄夫国土交通副大臣は2010年4月13日に毎日新聞の取材を受け、国幹会議で整備計画区間でありながら建設が凍結されている当路線を含む4路線5区間について「整備計画からの格下げもありうる」と発言し、建設中止を示唆していた。第174回国会に提出中だった道路整備事業財政特別措置法改正案の適用で整備計画区間からの除外も可能であったことや、現職副大臣の発言であったため建設中止の可能性が高まっていた。事業を担当するNEXCO西日本の西村英俊会長兼社長は「危機管理の点からも絶対に必要な道路。当然、着工しないといけない。」と明言していた。2009年3月31日に国土交通省が費用便益比(B/C)の再評価を以下のように発表している。上記の通り、費用便益比が1.1の高槻第一JCT-神戸JCT間が先に事業化されており、1.1より高い大津JCT-城陽IC間が当面着工しない区間に指定されていた。その後、2012年4月1日に前田武志国土交通大臣が当面着工しない区間の建設凍結解除を表明し、同月20日には事業許可が下りた。この結果、未開通区間は全て事業中となり、2023年度までに全線開通予定。土山SA・甲南PAともに売店がある。また土山SAは上下線集約型の特殊構造型SAで、レストラン・ガソリンスタンドがあり、フードコート・売店・コンビニ(セブン-イレブン)・ガソリンスタンドが24時間営業となっている。土山SA・甲南PAは第三セクターが管理・運営する。本線亀山連絡路大津連絡路亀山JCT-草津田上IC間(草津JCT-草津田上IC間の1.2kmを除く)の49.7kmのうち、土工部が26.7km(54%)、橋梁部が11.5km(23%)、トンネル部が11.5km(23%)であり、地形比率は山地部約80%、平地部約20%である。城陽JCT/IC-八幡JCT/IC間の3.5kmのうち、土工部0.6km(17%)・橋梁部2.9km(83%)である。また、高槻第一JCT-神戸JCT間の40.5kmのうち、土工部13.4km(35%)・橋梁部10.6km(25%)・トンネル部17.3km(40%)であり、大半が山地であるため橋梁33本、トンネル11本が設けられる。2016年4月22日午後4時30分頃、兵庫県神戸市北区の工事区間で橋桁落下事故が発生。120mの長さの橋桁の片方が国道176号上に落下し、10名が死傷した。神戸市消防局は、2人が死亡したと発表した。落下した部分は全長約500mの有馬川橋で橋脚間に鋼鉄製の橋桁の取りつけ作業中であった。NEXCO西日本は事故原因究明などのために「新名神高速道路 有馬川橋橋桁落下事故に関する技術検討委員会」を設置した。過去に国内で起きた大規模な橋桁の落下事故としては、1991年3月14日に広島県広島市安佐南区の新交通システム・広島高速交通広島新交通1号線(アストラムライン)の建設現場で15人が死亡した広島新交通システム橋桁落下事故がある。甲南トンネル上り・甲南トンネル下りと金勝山トンネル上り・金勝山トンネル下りは無線局を持たないトンネル内ラジオ再放送設備を介したトンネル内放送である。また、上下線別放送になっており、上り線は上り方面のみの情報、下り線は下り方面のみの情報提供である。NEXCO中日本名古屋支社とNEXCO西日本関西支社の管理境界となる甲賀土山ICを境に、東側は名古屋支社の一宮管制による4点チャイムの後に「○○時○○分現在の高速道路情報をお知らせします」で始まる形態、西側は関西支社の吹田管制の4点チャイムで始まる形態に分けられている甲南トンネル-大津JCT付近にかけては、山の斜面に建設されたために、上下線で路面の高さが異なっている。またトンネル部はスピード感覚が希薄になるため走行速度には注意を要する。雨天時の水捌けが向上し、車両走行による水飛沫の発生・騒音の低減効果を有する高機能舗装で舗装されており、車線逸脱時の注意喚起として凹型注意喚起舗装、白線も従来の20cmから30cmの幅広タイプの採用など、全線において様々な面で安全対策がとられている。コスト削減により、下り線の亀山西JCT-甲賀土山IC間を除く本線は暫定4車線での開通になったが完成6車線分の用地買収はされており、トンネルや一部橋梁では完成6車線規格での施工が済んでいる箇所があるが、未舗装の状態でラバーポールにより分離されている。完成6車線での施工か否かは、施工時期によって異なっており、暫定4車線区間の完成6車線での運用の際には、土工部では中央分離帯の暫定緑化を縮小する、橋梁部では橋桁や橋脚の拡幅(一部橋脚は片側3車線分の幅で施工済み箇所あり)をするなど新たな追越車線となる3車線目を施工する必要がある。突発的な事故や渋滞の発生、気象状況等によって、三重県警・滋賀県警高速道路交通警察隊が規制速度を定めている。特に当路線では濃霧や横風により最高速度が50km/hまでに制限される。線形が良く速度超過しがちであるため、パトカーや覆面パトカーが速度超過車を多く取り締まっている。ほぼ全線にわたり、山間部を通過している上に道路照明灯がJCT・IC・SA・PA付近にしか設置されていないので夜間は見通しが悪い。また、信楽地区などで濃霧が発生しやすいため、一部区間の左側路肩に緑色の、右側路肩にオレンジ色の自発光LED霧対策用視線誘導灯が10m間隔で近畿地方では初めて設置されている。濃霧発生時だけでなく見通しの悪い夜間にも稼働している場合がある。24時間交通量(台) 道路交通センサスここで示す交通量は台/日。また交通量は概数であり、四捨五入の関係で合計が合わない場合がある。2008年12月時点で東名豊田JCT-名神草津JCT間を通過する車両が、名神経由26%・新名神経由74%になり、交通量も上記に示すとおり、当初予測の2倍を超えるものである。そのため、接続先の東名阪道の亀山JCT-四日市JCT間ではGWや土日・祝日の夕方などに渋滞が多発している。渋滞が10-20km以上に及ぶこともあり、名神草津JCT以西から東名豊田JCT以東を通過する場合に通常時は新名神経由が20分ほど早く通過出来るが、渋滞時は名神経由と同等、もしくは名神経由の方が早い場合がある。渋滞緩和のため、東名阪道の一部区間で付加車線が設置されたが渋滞解消には至らず、抜本的な対策として早期の新四日市JCT-亀山西JCT間の開通が待たれている。本線高槻連絡路※日本高速道路保有・債務返済機構との協定上の完成予定年度であり、実際の開通予定とは異なる可能性がある。
出典:wikipedia
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