『らせん』は、鈴木光司のサスペンス・ホラー小説、及びそれを原作としたテレビドラマ、映画、漫画。第17回吉川英治文学新人賞受賞作品。小説『リング』の後日談を描いた続編。前作で登場した「見ると1週間で死ぬ魔のビデオ」というオカルト的要素に対し、医学者である主人公らが分子生物学的知見からの解明を試みるサイエンス・フィクション。一見したところの前作との非連続性は、ホラー的要素を強調した映画版『リング』の印象によるところが大きい。完結編である後作『ループ』と共に小説としては「リングシリーズ三部作」と呼ばれる。東京都監察医の安藤満男は、不注意から我が子を死なせた自責に苛まれる日々を過ごしていた。ある日、彼は変死した友人・高山竜司の解剖を担当する。死因は、心臓近くの冠動脈に発生した肉腫によって、血流が停止したことによる心不全。解剖が終わり、安藤は胃の内容物に「不審な物」が混ざっていると報告を受ける。その紙片には、暗号らしき数列が書かれていた。その後暗号を不審に思った安藤は、監察医務院にやってきた高山の元助手・高野舞から、高山は死の直前、記者の浅川和行という男と共に「見ると死ぬ呪いのビデオ」の調査を行っていたことを知る。だが、その浅川も後日に妻子を失い、自らも廃人同様になっていた。やがて安藤は、浅川が遺していた「一連の事件に関する手記」を手に入れ、仲間の医師・宮下と共に調査に乗り出す。やがて、高山の死体から天然痘ウイルスによく似た未知の伝染性ウイルスが発見され、一連の「呪い」とはこのウイルスが心臓の冠動脈に肉腫を発生させ、1週間で心臓近くの動脈を閉塞させ死に至らしめるというメカニズムが判明するが、その感染ルートは、ビデオを見た者の網膜を通して、体内に入り込み感染するという驚くべきものだった。さらには高野舞が行方不明になり、その後ビル屋上の排気溝内で「出産直後のような状態」で変死しているのが発見されるが、肝心の出産した赤ん坊は付近になかった。その後、安藤の前に「舞の姉」を名乗る女性が現れるが、彼女こそ、舞の子宮を通じてこの世に再生を果たした山村貞子その人であった。舞は、高山の遺品を整理した際、彼が遺していた例の呪いのビデオを見てしまったが、たまたま見た日が彼女の排卵日であり、感染したウイルスと卵子が結び付き、貞子すら予想もつかなかった偶然の「受精」により復活を果たすことになったのだ。受精した卵子は僅かな期間で臨月に達し、生まれた貞子は短期間で死亡した時と同じ年齢に成長を遂げていた。しかもこの偶然により、ウイルスは当初とは違った、恐ろしい「突然変異」を遂げていた。貞子は、安藤に「ある条件」で取引きを提案する。そして安藤は、自分を利用し、貞子の裏で糸を引いていた、この一連の事件の「本当の黒幕」に気付く。原作の記述を中心に映画、連続テレビドラマも併せて記述する。遺伝子学の要素が「呪いのビデオ」の謎として効果的に使用されており、前作のオカルトホラー色は後退しSFサスペンスといった雰囲気が強い。さらには前作で得体の知れない恐怖の象徴であった山村貞子についても、「ある人物」と結託して人類抹殺の陰謀を巡らせる「知的な悪女」的な描かれ方をしており、クライムサスペンスの雰囲気も併せ持つ。1998年1月31日に公開された。デュアル・ホラームービーを銘打ち、前作に当たる『リング』と同時上映された。かつて1995年の単発ドラマ版『リング』の脚本を担当した飯田譲治が、監督と脚本を担当している。物語は映画独自にアレンジされた部分もあるものの、大筋では原作のストーリーをなぞるものとなっている。本作では二本立てのホラー映画であることを前面に据えた宣伝が行われたが、同時上映の『リング』が観客を怖がらせる作品作りに徹しているのに対し、本作『らせん』はあまり「脅かし映画」にはしない方針で制作された。監督と脚本を担当した飯田は、原作小説の「呪いを科学する」というコンセプトに惚れ込み、その骨子に忠実な作りを志向し、原作者の意図を汲むようにと心がけたという。ただしその内容に対しては、やや説明不足気味であったという評価もある。一方で『リング』に続く新たな続編の映画『リング2』は、本作で死亡した登場人物が異なる運命を辿るなど、本作『らせん』とは繋がりのないパラレルワールド的な内容として制作されている。フジテレビ系列で1999年7月1日から9月23日にかけて放送された。全13回、平均視聴率13.3%。人物氏名と一部の設定以外は原作から離れたオリジナルストーリーで、フジテレビが前年に製作した連続ドラマ『リング〜最終章〜』の直接の続編として製作されたオカルト風ドラマ。主人公安藤は医師ではなく、学校の教師で、原作最大の特徴だった医学的な見地からの展開という要素はなくなり、前半はノストラダムス現象などのオカルト要素を、後半はスタンフォード監獄実験の逸話をベースにおいた独自のストーリーを展開した。原作の完結編『ループ』の要素も一部導入されている。前作の矢田亜希子、木村多江などが同役で連投。結末は一連のシリーズの完結編的な独自の内容で描かれている。rough laugh「誰がために鐘は鳴る」作画は桜水樹、原作は鈴木光司。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。