警察庁長官(けいさつちょうちょうかん、英:Commissioner General of the National Police Agency)は、警察庁の長たる警察官である。その地位については警察法(昭和29年6月8日法律第162号)第16条第2項に規定があり、国家公安委員会の管理に服し、警察庁の庁務を統括し、所部の職員を任免し、及びその服務についてこれを統督し、並びに警察庁の所掌事務について、都道府県警察を指揮監督する。警察庁の庁務を統括する国家公務員であり(警察法第16条第1項)、警察官である(同法第34条第3項)。警察法において階級制度を適用されていない唯一の警察官(同法第62条)であるが、その地位は警察官の最高位である。警察庁長官は警視総監からの昇任ではなく、警視監から就任する。警察庁長官の職務は、警察庁次長によって補佐される(警察法第18条)。警察庁長官は、警察庁の所掌事務について都道府県警察に対して指揮監督を行うにとどまるが(同法第16条第2項)、内閣総理大臣によって緊急事態が布告された際は、布告区域を管轄する都道府県警察本部の警視総監または警察本部長に対し必要な指揮・命令を行い、また布告区域以外を管轄する都道府県警察の警視総監または警察本部長に対し布告区域その他必要な区域に警察官を派遣することを命ずることができる(同法第73条)。任免は、同法第16条第1項において、国家公安委員会が内閣総理大臣の承認を経て行うという特殊な形態である(この承認は日本における警察行政を執行する警察庁の最高責任者としてふさわしいかという面に着目した承認であり、警視総監の場合は、首都警察である警視庁を管理する最高責任者としてふさわしいかに関する承認である)。また警察庁長官は、事務次官等会議の構成員となるなど、他省庁における事務次官と同等の地位にあるものとして扱われ、また同法第76条第2項で検事総長と常に緊密な連絡を保つものとされる(この規定は、警察庁長官は検察官が司法警察職員に対して有する刑事訴訟法上の指揮権に服さないことを意味する)。なお、現行警察法の政府案では、警察庁は総理府の外局として設置される予定であった。また警察庁長官は国務大臣をもって充てるものとされていたが(大臣庁)、これらは国会での審議の過程で修正された。消防庁長官との違いは、警察庁長官は警察官であるが、消防庁長官は消防吏員ではないこと。警察法第15条により、警察庁は国家公安委員会が管理する特別の機関である。これは、中央行政機関でありながらも、国家の治安維持に関わる責務を負う警察の中立性を保つためとされ、通常、国家公安委員会以外の機関から監督を受けることはない。司法警察活動に際し、個別の警察官は刑事訴訟法の規定に基づき一定の指揮を検察官から受けることがあるが、警察官は正当な理由がある場合には、この検察官の指揮に従う必要はない(ただし、検察官はこの場合にも、検察庁法第6条の規定に基づき、自ら捜査をなし、または検察事務官をもって捜査をさせることが可能であることは言うまでもない)。この時、検事総長、検事長又は検事正は、国家公安委員会が懲戒権限を持つ者、つまり国家公務員たる警察庁警察官と地方警務官に対する懲戒の訴追を国家公安委員会に行うことが認められている(刑事訴訟法第194条)が、検事総長、検事長又は検事正自身には懲戒権限はないため、この正当性の判断や必要性等は国家公安委員会が独自に判断することとなっている。これも警察庁を他の機関からの不必要な干渉を避けるためのものである。国家公安委員会と警察庁長官は、検事総長と常に緊密な連携をとるものとされ、協力関係にあり、前記の司法警察活動における指揮関係は存在しない。平時において、警察庁は、国家公安委員会以外の管理監督は受けないが、警察法第71条の規定により内閣総理大臣が国家公安委員会の勧告に基づき、全国または一部の区域について緊急事態の布告を発した場合、同法第72条により内閣総理大臣はその統制権により一時的に警察を統制し、その緊急事態を収拾するため必要な限度において、長官を直接に指揮監督する。 これは、実力行使手段を持つ治安維持機関である警察をその民主主義的コントロール下におきながら、速やかな事案収拾を図るためのものである。緊急事態の布告が発せられたときは、警察庁長官は布告に記載された区域を管轄する都道府県警察の警視総監又は警察本部長に対し、管区警察局長は布告区域を管轄する府県警察の警察本部長に対し、必要な命令をし、又は指揮をするものとされ、布告区域を管轄する都道府県警察以外の都道府県警察に対して布告区域その他必要な区域に警察官を派遣することを命ずることができる旨が、同法第73条に規定されている。※ 内務省警保局長、内事局第一局長、国家地方警察本部長官(警察庁長官の前身)は含めない。警察庁長官表彰は、警察庁及び都道府県警察を含める警察全体の表彰制度において最高位の表彰であり、警察庁の定める警察表彰規則に規定されている。警察庁長官の表彰は警察官を対象とした表彰と、犯罪の予防や捜査への協力等で功績のあった国民に対する表彰がある。
出典:wikipedia
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