水上オートバイ(すいじょうオートバイ)は、船舶の一種。推進力としてウォータージェット推進システムを用い、ハンドルバーの操作と操縦者の身体バランスにより操縦するもの。1人乗り(スタンドアップタイプ)と2人・3人・4人乗り(ランナバウトタイプ)の二種類に分類される。日本では船舶職員及び小型船舶操縦者法における特殊小型船舶を指す。別名水上バイクとも呼ばれる。英語圏では一般的にパーソナルウォータークラフト(PWC)と呼ばれ、プレジャーボートに包括されている。メーカー別では、ジェットスキー(カワサキ)、マリンジェット(ヤマハ)、シードゥー(ボンバルディア)が登録商標となっている。しかし、特に「ジェットスキー」の名称は水上オートバイ全体を指す名称として使用されることがある。なお、シードゥーには、エンジンや推進システムに水上バイクと同様のものを用いるが、乗員毎に独立した(直列に跨るものでない)シートを備え、環状のステアリングにより操舵する、スポーツボート(4-10人乗り)と呼ぶものがある。このようなタイプのボートは通常「ジェットボート」と呼ばれ、水上バイクと区別される。船舶職員及び小型船舶操縦者法施行規則 第百二十七条から抜粋以下のようにさまざまな楽しみ方があるが、いかなる場合でも、法令および各水域のローカルルールを遵守し、周囲の迷惑にならないよう留意する必要がある。水上警察や消防などの沿岸警備隊、海軍や海兵隊などの軍隊の他、民間のレスキュー会社や団体でもレスキュー用として配備している。機動力と入手の容易さから、警備隊や正規軍だけでなく海賊やテログループなどが、船舶に対する奇襲として利用することもある。最近はボートやサーフィンなどのイベントでも、レスキュー艇として使用される機会が増えており、2005年8-9月にかけて岐阜県海津市の長良川で開催された世界ボート選手権においても地元ショップの協力により、水上バイクがレスキューのために用意された。市川市消防局でもレスキューに水上バイクを使用している。2007年6月3日付けで宮崎市消防局に全国で初めて水上バイクの愛好者で作る「水上バイク隊」が発足した。2010年には水上バイク愛好者やライフセーバーなどからなる日本青バイ隊が発足した。水上オートバイは、その構造および力学的特性により、ほかの乗り物にはない危険性を内包している。そこから生まれる緊張感も水上オートバイの魅力の一つではあるが、マナーやルールを無視する愛好家が極めて多く見受けられ、また、シーズン中の事故がマスコミで大きく取り上げられるため、「水上オートバイは反社会的である」というイメージが広がりつつある。この節では、その「水上オートバイの危険性」について、簡単に説明する。まず、水上オートバイには陸のオートバイと違い、ブレーキはない(一般的に船舶にはブレーキがあるものの方がまれであり、停止する際には水の抵抗で停まる)。特性として低速走行時には特に不安定であり、転倒しやすい。ある程度以上のスピードになると安定するが、そのバランスは波の衝撃などによって崩れ、操縦者がバランスを制御しきれない場合は、操縦者の落水・転倒や、船体の転覆を招く。特に雨天時には視界が悪くなるので、天候の変化に留意するとともに、やむを得ず雨天時に操船する場合は安全に低速で走行する必要がある。また、水上オートバイは、陸上を走る二輪車と同様に、乗員を保護する箱構造を持たず、むき出しのまま乗船するものであるため、救命胴衣の着用は義務であるが事故の際は乗員は身ひとつで放り出され、衝撃を受け止めることとなるとともに水に触れるので体温が奪われやすくなる点に注意が必要となる。しかも、いったん海に放り出された場合、意識がなければ溺死の危険性があり、仮に意識があっても、水上オートバイと離れたり、機関が作動しなければ、人間の力では岸まで自力で帰還することは極めて困難であることも危険性を増大させる要素である。水上オートバイの持つ高い機動性も、危険を拡大する方向に向いうる。たとえば、水上オートバイは船舶と比べて小さいため、水面では目立ちにくい。漁をしている最中でも、隙間を縫って走る水上オートバイの進路を漁船がふさいだり、水面で停船している漁船が直進する水上オートバイの進路をふさいだりすることによる衝突事故の多くは、漁船操船者が水上オートバイを見落したことによって発生するものである。水上オートバイは巡航を楽しむと言うよりターンを楽しむものであるため、他の操縦者からすれば不必要かつ急な高速ターンをするために、予想しきれない行動ゆえの衝突事故を起こしやすい。そのほか、ウォータージェット推進装置から噴き出した水が肛門から体内に入って内臓を傷つける死傷事故も起きている。水上オートバイはその手軽さから、モラルの低いライダーによる暴走や無資格者による未熟な操船が後を絶たず、地元住民や観光客に深刻な騒音被害を与えることがある。また、漁場近くで水上オートバイを操縦して漁場を荒らし、漁獲量を減らしたり、海水浴場近くで操縦したりして海水浴客との衝突事故を起こし、ライダーや海水浴客が死亡や重傷を負うといった事例も報告されている。2013年8月には能登島のイルカウォッチングが行われている入り江で12台の水上オートバイが約3時間にわたりイルカを追い回し、その後イルカの姿が見られなくなる事件が起きた。海上保安庁や水上警察による取り締まりや、メーカーや愛好者団体によるマナー向上活動の取り組みはされているが、最終的には操縦者の人間としてのモラルの問題であるところが大きい。また、水上オートバイの出す水流および排気ガスが環境面に与える影響も指摘されており、対策が講じられている。木曽川・長良川では、水流が魚の産卵場所である川床を破壊しないよう、航行規制が行われるなどの取り組みがされている。また、排気ガスについては、従来水上オートバイのほとんどが2ストローク機関という極めて環境負荷の高いエンジンを搭載していたが、近年は主要市場である米国の厳しい環境・騒音規制もあり、4ストローク機関(ヤマハMJ-FXなど)や環境対応型の2ストローク機関への転換、低騒音タイプの吸排気システムの装備が進んでいる。2006年の時点で、日本国内でラインナップされている水上オートバイは20機種(ヤマハ7、カワサキ4、シードゥー9)あるが、販売の主流である3人乗りのランナバウトはすべて4ストローク機関を搭載しており、従来型2ストローク機関を搭載したものは4機種(すべて定員1名)と少数派になっている。環境対応型の2ストローク機関には、エンジン燃焼室内に燃料を直接噴射して排気ガスの低公害化を図るもの(ボンバルディエ SEADOO 3D-DIなど)と、電子制御式燃料噴射装置と排気管に備えた触媒装置の併用により排気ガスを浄化するもの(ヤマハ MJ-GP1300R)があげられる。日本国内でも、琵琶湖では「滋賀県琵琶湖のレジャー利用の適正化に関する条例」(琵琶湖ルール)により、従来型2ストロークエンジンの使用が禁止(経過措置あり)されるなどの取り組みがなされており、従来型2ストロークエンジンの使用は減少していくものと思われる。水上オートバイのメーカーも、安全な水上オートバイを目指しての開発を進めており、最近の主力モデルでは、低速時の操舵を補助する装置(前述「構造」欄参照)や初心者などに配慮した出力制御装置などの措置が装備されている。水上オートバイに乗船する際身につける装備をいう。衣類に属するものは「ライディングウェア」と呼ぶ。専用のライディングウェアが市販されている。それらは水上オートバイの乗船姿勢に合わせて裁断され、防護性も考えられており、ライディングに適した機能をもつ。日本では2002年の免許改正により、ライダーおよびその同乗者は救命胴衣を着用することが義務付けられた。違反した場合は6ヶ月以内の操縦停止の行政処分を受けることになる。
出典:wikipedia
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