『007 サンダーボール作戦』(ゼロゼロセブン サンダーボールさくせん、"Thunderball")は、イアン・フレミング、ケヴィン・マクローリー、ジャック・ウィッティンガムの長編小説『007』シリーズ第8作。また1965年公開、テレンス・ヤング監督のアクション映画。『007』シリーズ第4作。『007』シリーズ長編第8作(単行本としては『007号の冒険』に次ぐ9冊め)。フレミング自身の手による最初で最後のノベライゼーション。1961年、ジョナサン・ケープより出版された。日本では1962年に早川書房から井上一夫訳によりハヤカワ・ポケット・ミステリで発売された。この小説はマクローリー、ウィッティンガム(及び、フレミングの友人、イヴァー・ブライスとアーネスト・クネオ)と共同で創案し、ウィティンガムが執筆した映画用脚本をフレミングが無断で小説化したために共同執筆者の2人が告訴。以後、2人の名前も著者に加えられている。「ロシアから愛をこめて」執筆当時、映画化の引き合いの良さや、TV化の話(この時、考えたストーリーが「007号の冒険」などの短編集の元ネタとなる)に気を良くしたフレミングがボンド映画の自主制作を目指し、イヴァー・ブライスとアーネスト・クネオに話を持ち掛け、新進の映画作家だったマクローリーと合流し、共同でボンドシリーズの映画製作会社、ザナドゥ・プロダクションを設立した。マクローリーは既刊のシリーズは映画化に適さないと進言し、水中撮影の経験があったマクローリーの腕を生かした、海洋冒険ものにすることにした。また、従来のスメルシュよりスケールの大きい架空の犯罪組織を敵にする方がいいと指摘した上でスペクターを創造する(マクローリーがスペクターとブロフェルドのオプションを主張したのはこれに起因する)。脚本はマクローリーの友人、ジャック・ウィティンガムが担当した。その後、マクローリーの手腕に疑問を抱いたフレミングが一方的にプロジェクトを解消。『西経78』或いは『秘密情報員ジェームズ・ボンド』と題されたプロットを小説版『サンダーボール作戦』に関係者に無断で転用する。出版前の情報でその内容を知ったマクローリーは出版の差し止めを請求するが、聞き入れるどころか、出版社は本書を増刷、フレミングは本作を含む、手持ちのシリーズの映画化権とそのオプションをイオン・プロに売却していた。マクローリーは訴訟に打ってでる。元来、「ロシアから愛をこめて」に続く作品として想定されていたため、ボンドの生死が不明に終わった前作を引き継ぐ形で冒頭、リハビリ施設に入所中ということになっているのはその名残である。従来の作品は映画向きでないというマクローリーの指摘は「ドクター・ノオ」以降の作品に大きな影響を与えている。MOS型核弾頭2基を搭載したイギリス空軍機が、NATOの訓練飛行中に消息を絶ち、謎の組織スペクターが1億ポンド相当の金塊を要求してきた。イギリス秘密情報部員ジェームズ・ボンドは、上司Mが空軍機の消えた先と睨んだバハマに派遣される。そこでは、スペクターの幹部エミリオ・ラルゴが、宝探しのふりをして海底に沈めた空軍機から原爆を回収しようとしていた。ボンドはCIAやアメリカ海軍原子力潜水艦メンタ号の支援を受け、ラルゴに立ち向かう。シリーズで初めて水中アクションを取り入れた作品。前作『ゴールドフィンガー』から一転、再びシリアス路線に戻った。アカデミー視覚効果賞を受賞し、世界興行収入は1965年の映画で『サウンド・オブ・ミュージック』に次ぐ第2位を記録し、インフレ率で修正した場合、シリーズで最高の興行収入となる(第2位はゴールドフィンガー)。日本では、当時としては珍しい全世界一斉公開と喧伝されて1965年12月11日から、東京はまず日比谷映画劇場でスタートし、13日後の12月24日から丸の内東宝・新宿劇場・渋谷文化・池袋劇場の都内5館の東宝洋画系でロードショー公開され、配給収入が10億1857万円となった。これで1966年最高のヒット作となり、日本映画も含めた興行収入で圧倒的な1位を記録した。原案と製作にクレジットされているケヴィン・マクローリー、および原案にクレジットされているジャック・ウィッティンガムは『サンダーボール作戦』の共同執筆者である。フレミングの映画化権売却は不当であったとして訴訟を起こし、映画化権と手にし、ワーナー・ブラザースで製作することを目論むが、ボンド映画のブランドを損ねることを危惧したイオン・プロとの交渉で合作として製作にクレジットすることを条件に映画化に合意した(イオン・プロは「007 カジノ・ロワイヤル」のプロデューサーとも合作交渉を行ったが、合意にいたらなかった)。映画シリーズが制作される時、この作品が第1作になるはずだったが、制作費の問題や小説の著作権訴訟問題の関係で『ドクター・ノオ』が第1作になった。しかし『サンダーボール作戦』に登場する組織スペクターとその首領ブロフェルドがその後の無関係な映画に登場したため、マクローリーは小説『サンダーボール作戦』の著作権同様、その作中に登場するスペクターとブロフェルドの権利も自分にあるとして映画製作者を訴えた。この訴訟が原因で、『007 ダイヤモンドは永遠に』を最後にスペクターもブロフェルドも登場しなくなった。2016年現在、イオン・プロのシリーズでプロデューサーとしてブロッコリ一族がクレジットされていない唯一の作品。『ネバーセイ・ネバーアゲイン』は、『サンダーボール作戦』の映画化権を持つマクローリーがサルツマンおよびブロッコリらとは別に製作したリメイクである。2006年、マクローリーの死去に伴い、彼の遺族とイオン・プロは和解交渉を行い、現在、マクローリーの遺産はイオン・プロの管理下に入っている。これにより、約半世紀に及んだフレミング、イオン・プロ対マクローリーの訴訟合戦は完全終結し、以後のシリーズにスペクター及び、ブロフェルドの再登場の可能性がもたらされた。2005年に発表された『ロシアより愛をこめて』のTVゲームではスペクターと思しき組織がオクトパスと称していたのに対して、2012年発表の『007 レジェンド』ではテリー・サバラスをモデルにしたブロフェルドがそのまま登場していることが挙げられる。両作ともイオン・プロのライセンスに基づいて制作されている。原子爆弾2発を搭載したNATO空軍のヴァルカン爆撃機が訓練中に消息を絶ち、その後犯罪組織「スペクター」が奪った原爆と引き換えにNATOに対して一億ポンド相当のダイヤモンドを要求してきた。英国情報部は00要員全員に調査指令「サンダーボール作戦」を発令。ボンドはバハマのナッソーへ飛び、そこで爆撃機に搭乗していたNATO空軍少佐の妹ドミノに接近する。ドミノの後見人ラルゴは、実はスペクターの幹部として爆撃機奪取を指揮した男だった。ボンドは命がけで核爆弾を捜索する。小学館『ボーイズライフ』1965年9月号から1966年3月号に連載。作画:さいとう・たかを
出典:wikipedia
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