2006年のF1世界選手権は、FIAフォーミュラ1世界選手権の第57回大会となる。2006年3月12日にバーレーンで開幕し、10月22日にブラジルで開催された最終戦まで、全18戦で争われた。2006年シーズンを迎えるにあたり、以来となるエンジンルールの大幅改定(3LV10→2.4LV8)、タイヤ交換の復活、予選ノックアウト方式の導入などの規定変更があった。前年初タイトルを獲得したフェルナンド・アロンソとルノーは、今季も開幕から好スタートを切った。前年のライバルだったマクラーレンは以来の0勝と期待を裏切り、代わって前年不振にあえいだフェラーリが復調した。ルノーが前半戦7勝・後半戦1勝だったのに対して、フェラーリは前半戦2勝・後半戦7勝と猛烈な追い上げを見せた。両チームの接戦は、ミシュラン対ブリヂストンのタイヤ戦争最終ラウンドという見方もあった。フェラーリのミハエル・シューマッハはアロンソとの最大25ポイント差をリカバーし、第16戦中国GP終了時点で同点に並んだが、最終的にアロンソ・ルノー陣営がドライバーズ/コンストラクターズ両部門の連覇を達成した。シューマッハは第15戦イタリアGPで今季限りでの引退を表明し、フェラーリでの黄金時代にピリオドを打った(その後2010年に現役復帰し、2012年に再び引退した)。チームのオーナーシップ交代が相次ぎ、B・A・R、ザウバー、ミナルディ、ジョーダンという4チームの名称が変更された。そして、新たに日本からスーパーアグリが参戦を開始した。から参戦しているトヨタ、チームとして復帰したホンダ、新規参戦のスーパーアグリがエントリーしたことで、日本国籍のチーム数が過去最多の3チームなった。日本国籍のチームが複数エントリーしたレースとしては、1976年F1世界選手権イン・ジャパン(マキとコジマ)という先例があるが、このレースではマキが予選不通過となり決勝に進めなかった。3チームが決勝に出走した開幕戦バーレーンGPは、史上初めてF1の決勝で日本国籍のチームが複数走ったレースとなった。近年の急激なエンジン出力レベル向上への対策として、2006年のエンジンレギュレーションには抜本的な変更が加えられた。これらは安全性向上と開発コストを削減するための措置である。資金力の乏しいチームはエンジン調達が難しいため、2006年と2007年は従来の3リッター・V10エンジンにレブリミッターを装着して使用することも許可された。この救済措置はミナルディからの嘆願を容れてのものだったが、制限付きでもV8エンジンよりもトルクがあると見込まれる上に、ミナルディがレッドブルに買収されて資金難が解消されたため、下位2チーム(ミッドランドとスーパーアグリ)はFIAに対してトロ・ロッソのV10エンジン使用を認めないよう異議申し立てを行った。排気量が20%減少したことにより最高出力は200馬力程度ダウンし、V10最終期の950馬力前後から750馬力前後にまで低下した。最高回転数は上昇し、コスワース・エンジンは予選時に20,000回転オーバーのスペックを投入した。構造面では振動が発生する回転帯がV10よりも高いため、補記類への影響が課題となった。当初はラップタイムが3秒ほど遅くなると予想されていたが、プレシーズンテストの段階で前年のペースに迫り、本戦では前年を上回るタイムが記録された。FIAは追加策として、第17戦日本GP時点のエンジン仕様で承認(ホモロゲーション)を行い、2010年間までエンジン開発を凍結することを決定(その後まで延長)。さらに、2007年シーズンより最高回転数を19,000回転に制限した(2009年より18,000回転)。前年度は禁止となっていた、レース中のタイヤ交換が再び許可された。1グランプリにつき、各ドライバーは最大でドライタイヤ7セット、ウェットタイヤ4セット、エクストリームウェザータイヤ3セットの計14セットまで、タイヤの使用が認められる。予選方式は前年度までのワンアタック方式が不評であったため、2006年は大きな変更が加えられ、ノックアウト方式が導入された。予選は土曜日午後の1セッションのみである。予選終了後、22台の各車両は事前に申告した量まで給油された上で、翌日までパルクフェルメ(車両保管庫)に封印される。開幕前の時点では、この手順について、最終セッションで、事前に燃料搭載量を重めに申告しておいて、セッション中になんらかの方法を用いて燃料を抜くチームが現れるのではないかと懸念されていた。仮に密かに燃料を減じることに成功した場合、その車は予選を重量が軽い状態で走ることにより極めて有利になるばかりでなく、セッション後に給油できるため、決勝においてもなんらデメリットを負うことがなく、この点はルールの抜け穴になり得ると考えられていた。新予選方式の発表直後から指摘されていたこの抜け穴について、FIAは燃料消費量は計算によって把握できるので、それとセッション後の給油量を比較すれば問題ないと述べているが、2006年シーズンからは従来の3.0リッターV10とは燃費が異なる2.4リッターV8エンジンに変更されることもあり、元々やっかいな燃費計算を正確にできるのか、などと疑義が呈され、シーズン中に修正を余儀なくされるのではないかとする声があがったものの、この点についてはほぼ滞りなく機能した。実際にこの予選方式が開始されると、20分かけて行われる最終セッションの前半は各車が燃料消費のために費やすことになる為、退屈なものとなった。第11戦フランスGPからは、こうした批判に応えた修正が加えられ、最終セッションの時間は20分から15分に短縮された。同時に、各セッションについてQ1・Q2・Q3と呼ぶことになり、Q1・Q2において、それまではセッション終了までに記録したタイムが有効とされていたものが、セッション終了後最初にコントロールライン通過したラップまでが有効なタイムとされるようになった。土曜日のセッションについて、従来は45分のセッションを2回としていたが、1回のみ行われる1時間のセッションに変更された。このセッションは、原則として11時から12時までの間に行われる。 リタイアしたがレース距離の90%以上を走行していたため完走扱い
出典:wikipedia
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