補充形 (ほじゅうけい、suppletive form) とは、異形態の一種で、他の異形態と音韻的な共通性のないものをいう。例えば、英語の名詞に付いて複数を表す形態素 {-s} は、foxes (/fɔksiz/),dogs (/dɔgz/),cats (/kæts/),oxen (/ɔksən/) においてそれぞれ異形態 /-iz/,/-z/,/-s/,/-ən/ として現れるが、/-ən/ は /-iz/,/-z/,/-s/ らと音声的な共通性がない。また、日本語の動詞に付いて命令法を表す形態素 {-e} は、「書け (kak-e)」においては異形態 /-e/ として、「見ろ (mi-ro)」においては異形態 /-ro/ として現れ、互いに音声的な共通性がない。これらの場合、英語 {-s}: /-iz/~/-z/~/-s/~/-ən/ の /-ən/ は /-iz/,/-z/,/-s/ らに対する補充形であり、日本語の {-e}: /-e/~/-ro/ の /-e/ と /-ro/ とは互いに補充形である。つまり補充形とは、語の活用において、活用形にまったく異なる語形が充てられることをいう。そこでは語の意味を表す語幹の形態素と文法的意味を表す語尾の形態素に区分することができない。例えば、英語で過去時制を表すには{-ed}という形態素が使われ、asked、lived、visited…というように語幹の形態素と過去時制を表す形態素を分けることが可能である。しかし、goの過去形はwentであり、そこに過去時制を表す形態素を見いだすことはできない。ここでwentはgo+edに対する補充形ということになる。また日本語の「する」を見ると、といった補充形が用いられている。単数形と複数形とで全く異なる語根を持つ語がいくつか存在する。以下に主格形で例示する。また、次の語は主格単数形と対格単数形を除き全て後者の語根で格変化する。次に挙げる形容詞は原級と比較級・最上級とで異なる語根が用いられる。以下に男性単数主格形で例示する。形容詞に準ずる。英語のbe動詞に該当する動詞byćの直説法現在時制は全て不定形と異なる語根を持つ。また、iść 〈(歩いて)行く〉の直説法過去時制も不定形とは異なる語根を活用形に持つ。原級、比較級、最上級の全ての語根が異なる事例が存在する。以下に男性単数主格形で例示する。
出典:wikipedia
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