香港増補字符集(ホンコンぞうほじふしゅう、中: ,,HKSCS)は、香港特別行政区政府が定めた香港で必要とされる文字を集めたコンピュータ用の文字セット。2009年末現在、漢字、漢字の部品、仮名、キリル文字など、計5009字が収録されている。香港では繁体字が使われ、1980年代にMS-DOSが普及した時点から台湾のソフトウェア、ハードウェアを使っていた関係から、台湾で制定された文字コード(文字セット)であるBig5が普及し、デファクトスタンダードとなっていた。しかしBig5は台湾の標準中国語を表記するのに必要な漢字を集めただけで、香港の広東語や台湾の台湾語、客家語などに特有の方言字は意識的に収録されることがなく実用上不十分であった。香港にはBig5外の方言字・固有名詞用の文字・異体字などをコンピュータで取り扱う需要がある。広東語の話者が最も多く、かつ表記が可能な方言字が豊富なため、新聞記事などで広東語表記が広く行われている。警察における事情聴取・取り調べや法廷における裁判なども、可能な限り話された通りに記録される。1990年代に住民登録などのコンピュータ化が進むと、人名・地名などの固有名詞に使われる漢字の一部がコード化されていないことが障害となった。このほか、方言字以外でも、香港で常用される字・字体にはに対する「」、に対する「」、に対する「」、に対する「」などがある。フォントメーカー数社が香港向け外字集を販売したが、互換性のないものが複数出回り、出版印刷関連業界以外への浸透はあまり進まなかった。1990年代半ば、インターネットが一般に普及し始めてからしばらくの間、香港のマスコミのサイトでは、方言字について、画像の挿入や、方言字の書き換え(例えば→、電子掲示板などでは「」と表現することもある)で対応したほか、各サイトが採用する外字集によって対応する場合もあり、外字フォントのダウンロードを促されることもあった。本格的なネットワーク時代の到来により、コード位置を統一して使えるようにすることが求められた。1995年に香港政庁が作成した『政府通用字庫』(: GCCS)という名の外字集を基本として、1999年5月に当時の情報科学技術署傘下に発足した中国語インタフェース諮問委員会()は、1999年に新たな文字セットを編纂した。これが4702字を収録した最初の『香港増補字符集』である。市民らの意見も取り入れ、フォントの無償配布も行われたこともあり、香港の標準的な文字セットとなった。発表後も未収録の字を募集するなどの活動が続けられた結果、2001年12月には、『香港増補字符集-2001』が発表され、116字が追加された。2005年にはさらに123字が追加された『香港増補字符集-2004』が発表された。その後も2006年に28字、2008年2月に31字が追加され、2009年にさらに9字追加されている。国際規格ISO/IEC 10646:2003 Amd.6 で『香港増補字符集-2008』の全ての文字が収録された。Unicodeは、日本、中国、台湾、韓国の漢字を整理統合して収録した(CJK統合漢字)。これにより香港増補字符集に含まれる日本漢字、簡体字、地名用字など一部の文字は、香港のユーザーもUnicodeフォントにより使えるようになったが、広東語方言字の多くは未収録の状態が続き、引き続きUnicodeの私用領域に外字として登録して使う方法が使われた。2001年に発表されたUnicode 3.1で、日本のJIS X 0213の漢字、中国、台湾からの追加漢字、ベトナムの漢字チュハンなどとともに、『香港増補字符集-1999』に含まれる字も収録された。これによりUnicode 3.1以上のバージョンに対応したソフトとフォントを使えば、香港増補字符集に含まれる漢字の多くを扱えることになった。現在まで流通している主なものを挙げる。
出典:wikipedia
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