西鉄6000形電車(にしてつ6000けいでんしゃ)は、1993年(平成5年)に登場した西日本鉄道の通勤形電車。本項では、1995年(平成7年)に登場した西鉄6050形電車(にしてつ6050けいでんしゃ)についても記述する。6000形は1993年5月に天神大牟田線に投入された西鉄初の片側4扉車両である。それまでの西鉄の通勤形電車は片側3扉を基準としていたが、1993年8月26日のダイヤ改正において、当時進められていた西鉄福岡駅の改築工事(ターミナルプロジェクト工事)により同駅の発着番線が3線から2線に縮小され、また、西鉄福岡 - 西鉄平尾間では高架化工事に伴い、同区間では徐行運転が実施されることとなった。このため西鉄福岡駅での乗降時間と折返し時間を短縮する必要が生じたことから、4扉車である6000形がこの改正までに4両編成6本、2両編成3本の計30両投入された。1995年(平成7年)3月からは6000形と共通の車体・内装ながら西鉄で初めてVVVFインバータ制御を採用した6050形が投入された。1999年(平成11年)までの間に4両編成5本、3両編成2本の計26両が製造された。その後、列車両数の変更により2両固定編成の用途が少なくなったため、6000形の2両編成は1999年4月までに中間付随車サ6000形(6900番台)を新製して組み込み、3両編成とされた。5000形などの既存車両との併結運転は行わない方針で設計され、各種システムが一新された。6000形と6050形、また後に製造された7000・7050形との併結運転は可能である。車体前面は5000形に準じ、運転席側のみパノラミックウインドウとした貫通構造であるが、屋根部の曲線が緩やかになり、前面下部では排障器(スカート)が大型化されるとともに電気連結器の採用によりジャンパ連結器がなくなったことなどが5000形との主な相違点である。また福岡寄り先頭車の前面幌の受け金は省略された。側面については客用扉が4か所配置となるとともに、客室側窓は2段式ユニット窓から1段下降式の大型窓に改められ、客用扉間に2枚の窓を配している。車体塗装は5000形と同様にアイスグリーン地にボンレッド帯の塗装である。2011年5月現在では6002F・6003F・6004F・6005F・6701F・6702Fの連結部に転落防止幌が設置されている。座席はすべてロングシートで、モケットの色は優先座席がブルー、そのほかはローズピンクとなっている。福岡(天神)寄りの先頭車連結面側(運転台と反対側の車端部)の優先席の隣に車椅子スペースを設け、この部分には2人掛けの折りたたみ式座席も設置されている。定員は先頭車132人、中間車146人である。壁面と天井部は白色デコラ仕上げで、客用扉の室内側もデコラが貼付されている。天井は8000形に準じた平天井構造で、冷房装置の冷風吹き出し口も8000形と同じラインフロー方式とし、補助送風機としてラインデリアを設置している。2006年2月から一部の車両にLED式車内案内表示装置・ドアチャイム・音声合成式自動案内放送装置の設置が進められている。2010年3月現在では6002F・6003F・6004F・6005F・6701F・6702Fに設置されている。台車は5000形10次車より採用された円筒ゴム軸箱支持方式のKW-60A(電動車)/KW-61A(付随車)を引き続き採用している。制御方式は8000形をベースにした抵抗制御で、ブレーキシステムも8000形と同一の電気指令式(直通・発電)を採用した。空気圧縮機の駆動電動機は交流式に変更し保守の簡略化を図っている。連結器は従来採用されていたトムリンソン式密着連結器に代わり、分割併合作業の容易化のため電気連結器付き廻り子式密着連結器となった。非常時には5000形以前のトムリンソン式連結器付きの車両とも連結できるように、各車の床下に緊急用の中間アダプターを搭載している。運転台は、デスクタイプの操作パネルに8000形と同型のT字型ワンハンドルマスコンを採用し、各種スイッチ類を左手側面に設置している。冷房装置は能力10,000kcal/hの集約分散式を各車の屋根上に4基搭載する。6000形は抵抗制御であったが、6050形では定格出力4,500V、2,300AのGTOサイリスタによるVVVFインバータ制御方式を採用したため、機器類が一新された。制御装置は1基で4個のかご形三相誘導電動機を駆動する1C4M方式を1ユニットとし、2ユニットを一つの筐体に一括して搭載している。このうち1ユニットが故障しても運転台からの操作で故障ユニットを解放することが可能である。ブレーキシステムは回生ブレーキをVVVFインバータと協調させるため、デジタル電気演算型電気指令式空気ブレーキを採用している。台車は電動車がKW-60Bに変更されたが、付随車は6000形と同型となっている。6054F(F=編成)・6055F・6156Fには、車輪のフラット防止を図る目的で滑走防止装置が設置された。車内では、メンテナンスの軽減が図られた三相かご形誘導電動機が採用されたため、電動車床面の点検用蓋が省略されたほかは6000形と共通である。運転室・運転台機器も6000形と同一である。車体外観上も乗務員扉脇に「VVVF」のロゴマークが配されているほかは6000形との相違はない。なお、2007年から2008年初頭にかけて順次「VVVF」ロゴが撤去され、車体外観上は車両番号以外での見分けがつかなくなった。6050形は1997年(平成9年)までに4両編成5本、3両編成1本の計23両が製造されたが、1999年(平成11年)に編成中の主電動機が4両編成では1基、3両編成では2基減らされた。同年にはこの捻出された7基の主電動機を流用して3両固定編成の6157Fが製造された。この6157Fは後に2001年(平成13年)から製造されることになる7000形のプロトタイプの要素も含まれている。全体的に省コスト化、省メンテナンス化が図られ、西鉄初のボルスタレス台車KW-161(電動車)/KW-162(付随車)が採用されたほか、車輪のフラット発生防止のため増粘着噴射装置が設置されている。客室側窓は1枚の大型窓となったほか、客用扉室内側はステンレス無塗装仕上げとされた。また6000形と同様に一部の車両には、連結部に転落防止幌の設置、LED式車内案内表示装置とドアチャイムと音声合成式自動案内放送装置の設置が進められている。2016年1月現在ではすべての車両に設置されている。6157編成は2016年の出場の際、vvvfインバータが変更されてsivも6357号車に移設された。車両番号は以下の番台に分かれるが、形式は番台に関係なく電動車がすべてモ6000・6050、制御車はすべてク6000・6050、中間付随車はサ6000となっている。編成毎に車両番号の末尾2桁の数字は統一されており、6000形は01から、6050形は51から付番されている。なお6100番台は6050形のみに、6700・6800・6900番台は6000形のみに存在する。なお、6157編成は2016年の出場の際、vvvfインバータの変更、sivの移設が行われた。編成は以下のようになっている。2014年時点では、天神大牟田線および太宰府線で5000形とともに主力車両として運用されている。6000形と6050形の運用は共通である。朝夕のラッシュ時は4両編成と3両編成を併結した7両編成で、特急から普通まで多様に使用されているが、朝ラッシュ時の快速急行の運用のみ4両編成同士を連結した8両編成となっていた。この快速急行は6000・6050形の限定運用となっていた。また、平日の朝の1往復と夕方以降の2往復、休日は朝の1往復の特急に本系列が充当されている。7000形で運転していた早朝の上り急行1本(小郡6:01発・筑紫から急行となる。4両編成で運行)も2014年3月のダイヤ改正で当車両に変更された。西鉄では車両基地において編成の分割・併合作業が実施されるため、始発駅となる大牟田・柳川駅での連結および折り返しとなる福岡(天神)駅での解放は実施されていない。そのため、かつては車両基地に隣接する筑紫駅まで送り込み列車を兼ねて、二日市駅までは直行に、二日市駅 - 筑紫駅間は普通列車に充当されていた。日中は4両編成が普通列車に充当される。かつては日中に3両編成を2本併結した6両編成が急行で使用されていたが、2007年8月27日に3000形に置き換えられてからは、主に朝と夕方以降の急行に使用されている。
出典:wikipedia
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