東西線(とうざいせん)は、東京都中野区の中野駅と千葉県船橋市の西船橋駅を結ぶ、東京地下鉄(東京メトロ)が運営する鉄道路線。鉄道要覧における名称は5号線東西線である。路線名の由来は東京を東西に横断する意味から。車体および路線図や乗り換え案内で使用されるラインカラーは「スカイブルー」(水色)、路線記号はT。名称の通り、東京の東西に延びる路線である。路線はその西端の中野駅から東京都心部を横断し、さらに東方向へ進み、葛西 - 浦安間の旧江戸川以東は千葉県内となる。帝都高速度交通営団(現:東京地下鉄株式会社)では初めての東京23区以外への路線となった。後に有楽町線・副都心線も埼玉県内に路線が伸びたが、有楽町線・副都心線唯一の23区外の駅である和光市駅は東武鉄道の管理駅であるため、23区外に東京地下鉄管理駅を持つのは2013年現在においても東西線のみである。西側で東日本旅客鉄道(JR東日本)の中央線(各駅停車)三鷹まで、東側ではJR東日本の総武線(各駅停車)津田沼まで、および東葉高速鉄道の東葉高速線とも直通運転を行う。車両は各社とも20m級車両10両編成で統一されている。東西線は副都心線以外のすべての東京の地下鉄路線との接続駅を持つ。また、山手線や中央線とも接続しており、都心部での接続性に優れている。南砂町 - 西船橋間の地上区間は、東西線の大きな特色をなしている。地上区間を持つ日本国内の地下鉄路線はほかにも多数存在するが、全線の半分弱を占める約14kmという長距離の地上区間を持つ地下鉄路線は東西線のみで、直通区間を合わせると地上区間の走行距離が地下区間よりも長くなる逆転状態となっている。この区間は地盤が弱いこと、また住宅が少なかった建設当時は用地買収が容易で、高架は地下より10分の1程度まで建設費が抑えられたため、住宅のない田園や湿地帯、空き地に高架線を建設した。千葉県内に深く進入しているのにも関わらず営団線にできたのも、この理由が大きい。東西線は元々JR総武線のバイパスとしての役割を担って建設された。東西線開業によって総武線沿線から都心への所要時間は大幅に短縮され、東西線沿線のみならず起点の西船橋以遠のJR線からの中・長距離通勤客の流入で大変混雑するようになっている。さらに近年の線内利用者の増加に対応するため、以下の変化がもたらされた(各々の詳細については次章以降で詳述している)。そのほか、平均乗車距離の長さ、朝と昼の混雑率の差、定期券利用客率の高さのいずれもが、東京メトロの路線ではトップクラスにある。都心部を走る地下鉄でありながら、郊外へ延びる通勤路線の一つとしての側面もある。線形が良い地上区間は軌道改良も行われており、現在では60kgのレールが採用されている。これはJR線では新幹線や主要幹線クラスに採用されるレールであり(一般的には50kgが主流)、大量高密度輸送と高速運転を支える要となっている。A線(西船橋方面行き)を基準とすると、南砂町を出た列車は35‰の勾配を上って地上に出て、左にカーブしながら一気に高架へ駆け上がる。直後に荒川中川橋梁という長いトラス橋を渡る。橋の右隣(下流側)には清砂大橋という歩道を備えた橋がかかる。また橋を渡る最中、西船橋方面行きの列車の右手には葛西臨海公園の大観覧車を、中野方面行きの列車は東京スカイツリー、晴天時には富士山を見ることができる。首都高速中央環状線をアンダークロスしたあと橋を渡り終え、直線で進み西葛西となる。南砂町から西葛西までは東京地下鉄で最も駅間距離が長い区間(2.7km)である。西葛西を出ると、途中左カーブを挟みつつマンション群の中を直線で進み、変電所の脇を通ると地下鉄博物館最寄の葛西となる。葛西駅は中央に通過線を持ち、快速の通過待ちが行われている。葛西を出ると、徐々に一軒家が目立ち始める中を直線で進み、左カーブのあと旧江戸川を鉄橋で越え、東京都から千葉県に入る。右手(下流側)には東京ディズニーリゾートを、左手(上流側)には浦安橋と妙見島を見ることができる。そのあと再び左にカーブし浦安に入る。浦安を出ると再び左カーブがあり、そのあと妙典手前まで長い直線となる。この直線区間には途中南行徳と行徳がある。列車は一軒家とマンションが混在する中を直線で進み妙典に至る。妙典は2面4線のホームと深川検車区行徳分室への連絡線を持ち、葛西と同じく快速の通過待ちが行われている。妙典を出ると深川検車区行徳分室への連絡線をオーバークロスし、B線との間隔が元に戻ると同時に江戸川を橋で渡り、東京外環道路も越える。そのあと勾配を下った後左にカーブして原木中山となる。原木中山は葛西と同じ配線を持つ。原木中山を出ると京葉道路をオーバークロスして右カーブとなり、林立するマンションや住宅地の中を抜け、迫ってくる総武本線の線路を左手に見ながら徐々に地平に降りて西船橋となる。現在の東西線の原型となる計画は、1917年(大正6年)に内務省に設置された「東京市内外交通調査委員会」の答申で示されたうちの一つで、「池袋 - 高田馬場 - 飯田橋 - 大手町 - 洲崎」としていた。1920年(大正9年)には東京鉄道に特許が下付されたが、1923年(大正12年)の関東大震災の後に他の路線とともに工事未着手を理由に特許が抹消され、1925年(大正14年)に東京市が特許を取得したもののこちらも建設には至らぬまま、1941年(昭和16年)に発足した帝都高速度交通営団へと引き継がれた。一方、東陽町 - 西船橋に相当する区間には、戦前に東京成芝電気鉄道による免許申請がなされ、1927年(昭和2年)に交付されていた(起点の東陽町は「東平井」として記載、船橋市内は中山を経由)が、1940年(昭和15年)に失効となった。1946年(昭和21年)1月より戦災復興院での復興計画案の一つとして地下鉄建設を計画。12月に「東京復興都市計画鉄道」として5路線を告示した。このうちの5号線が「中野 - 高田馬場 - 水道橋 - 大手町 - 東陽町」とされた。その後、1957年(昭和32年)の「都市交通審議会」において現在の路線と同じ「中野 - 高田馬場 - 飯田橋 - 大手町 - 茅場町 - 東陽町」となった。1962年(昭和37年)の都市交通審議会答申第6号において、東京5号線は「中野方面より高田馬場、飯田橋、大手町、茅場町及び東陽町の各方面を経て船橋方面へ向かう路線」として示された。1964年(昭和39年)には、経由地を浦安・行徳とし、西船橋で総武線と接続するよう答申が改訂された。その後1968年(昭和43年)の答申第10号では、西船橋以東について東武鉄道野田線方面に至る路線とされたが、1972年(昭和47年)の答申第15号にて、終点が勝田台に改められた。このうち、中野 - 西船橋間は東西線として順次開業した。西船橋 - 東葉勝田台間は東葉高速鉄道として開業している。以下の路線と相互直通運転を行っている。列車番号の末尾アルファベットは東京地下鉄保有車両が「S」、JR東日本保有車両が「K」、東葉高速鉄道保有車両は「T」となっている。ただし、搭載している保安装置の関係上、JR東日本保有車両は東葉高速線、東葉高速鉄道保有車両はJR線への乗り入れを行うことができない。また、2016年(平成28年)3月26日改正ダイヤでは、東京地下鉄保有車両の7本が東葉高速線内で、東葉高速鉄道保有車両の3本が東京地下鉄線内でそれぞれ運用終了・夜間留置となる「外泊運用」が組まれている。ラッシュ時は総武線 - 東西線 - 中央線(津田沼駅 - 東西線経由 - 三鷹駅間)という運行も行われる。東西線経由の方が距離が短く、中央・総武緩行線経由よりも所要時間が短い。なお、両端の駅から同一会社の、それも同一の運転系統との直通という例はきわめてまれである。この経路による通過連絡運輸の設定もある。総武線 - 東西線 - 総武線の順で再び総武線に戻る運用もある(東京メトロ車両の65S運用は東陽町出庫で朝ラッシュ時の総武線津田沼駅折り返しの後、中野駅(三鷹駅) - 西船橋駅間往復を繰り返し夕方ラッシュ時に再び津田沼駅に乗り入れる)。平日の朝夕の直通のみ津田沼発三鷹行きと三鷹発津田沼行きには中央・総武線御茶ノ水経由と東西線経由の列車がある。西船橋駅には2007年3月18日からJRとの中間改札が設置されたが、中野駅とJR線相互乗り入れ区間の船橋駅 - 津田沼駅間および高円寺駅 - 三鷹駅間の各駅間で、Suica・PASMOを使用した場合に中央・総武緩行線経由か地下鉄東西線経由か区別できないという事態が生じている。この場合、全線JR線を経由したものとして運賃の引き落としが行われることとなっており、距離の関係上割高な運賃を請求されることになるため、大きな問題となっている。この問題は一部新聞などでも報じられた。この問題に対処するためには、従来通り自動券売機でJR⇔東京地下鉄⇔JRの連絡乗車券を購入する必要がある。JR東日本は駅の掲示物や配布物などでこのことに対する呼び掛けを行っている。また、同じくJRと東京地下鉄が相互直通運転を行っている常磐線亀有駅以遠(金町方面)と中央線高円寺駅以遠(阿佐ヶ谷方面)の相互発着の場合、東西線・千代田線(大手町駅)経由か東中野駅・三河島駅(JR線)経由か区別できないという現象が生じる。この場合、入場駅・出場駅がいずれも共用駅(改札内を共有する綾瀬駅・北千住駅・中野駅)でないJR線の駅の場合は後者、いずれか一方でも共用駅の場合は前者とみなされるが、それ以外では全線JR線利用と見なされると運賃が高くなるケースが多いため、問題となっている。また、この乗り継ぎでは1枚の定期券を発行できない上に、磁気券の2枚投入にも対応していない。前述のように、朝ラッシュ時の混雑のほか、地上区間では強風が吹くと速度規制(60km/h規制)が行われるためダイヤが乱れやすい。この場合、快速運転と中央・総武緩行線への直通運転を中止したり、東陽町駅 - 西船橋駅間で区間運休することが多い。また乗り入れ先のJR中央・総武緩行線でダイヤが乱れた場合にも、東西線は同線への直通運転を中止し線内折り返し運転を行う(場合によっては、中央快速線でダイヤが乱れた場合でも直通運転を中止することがある。ただしこれは中央快速線でのダイヤ乱れで緩行線に乗客が集中し、緩行線にまで遅延が拡散した場合)。また、最近ではJR新宿駅の工事でも中央線との直通運転を中止し、線内折り返し運転が行われている。また、ダイヤの乱れによっては快速運転・女性専用車両が中止される場合もある。かつて、高田馬場駅から西武新宿線への相互直通運転が東西線建設前に検討されたこともあったが、実現しなかった。その後西武新宿線内から東西線高田馬場駅に連絡線を新設、相互乗り入れすることについて、西武鉄道と東京地下鉄が協議を始めることで2005年に合意した。2007年以降に都市鉄道等利便増進法対象プロジェクト化、工期7年での建設を目指している。ただし、この計画はまだ正式決定ではないため、公式発表も今のところ出されていない。なお、2010年3月時点では、西武鉄道、東京メトロ両事業者とも乗り入れ計画はないとしている。東西線では以下の種別の列車が運転されている。停車駅は「#駅一覧」を参照。日本では架線集電の地下鉄として初の速達列車である。東西線はJR東日本(当時は旧国鉄)中央・総武線(各駅停車)の混雑緩和を目的に建設され、乗客の移行を促すために地上区間である東陽町駅 - 西船橋駅間の途中駅(通過駅のうち南砂町駅は地下駅)を通過する快速を登場させた。東陽町駅 - 西船橋駅間で速達運転を行い、中野駅 - 東陽町駅間は各駅に停車する。また、直通運転する路線内では各駅に停車する。全列車が運行区間に東西線全区間を含んでおり、東西線の途中駅で折り返す快速列車は設定されていない。なお、地上区間での認可最高速度は100km/hで、これは地下鉄としては日本初、かつ現在も日本最速である。ただし、直通先ではこれよりも高速度で運転する路線もある(都営浅草線の直通先である京急線と京成線は最高120km/h、東京メトロ半蔵門線の直通先である東急田園都市線および副都心線の直通先である東急東横線は最高110km/hなど)。日中は15分間隔で中野駅 - 東葉勝田台駅間で運転されている。このため、この時間帯の運用は東京メトロ車と東葉高速車に限られる。また、日中の時間帯の東葉高速線はすべて快速となっているため、東葉高速線内の各駅から東西線の快速通過駅を利用する場合は、西船橋または浦安で各駅停車に乗り換える必要がある。また、朝・夕方以降については東西線内のみ運転の快速や中央・総武線(各駅停車)直通の三鷹駅・津田沼駅発着の快速も運転されており、この場合はJR車も運用されている。三鷹駅 - 東葉勝田台駅間の列車は東京メトロ車で運転されている。三鷹駅 - 津田沼駅間の列車は平日のみの運転で津田沼行きは東京メトロ車・JR車それぞれ2本ずつ設定されている。三鷹行きはJR車で運転されている。中野駅 - 津田沼駅間の列車は平日のみの運転で、津田沼行きはJR車の2本以外は東京メトロ車で、中野行きは1本のみで東京メトロ車で運転されている。三鷹発西船橋行きは平日朝2本のみでJR車で運転されている。西船橋発中野行きは平日・土休日共に1本のみの設定でJR車で運転されている。基本的に多くの列車が葛西駅で先を走る各駅停車を追い抜くが、一部は原木中山駅・妙典駅でも追い抜きを行っている。列車種別は基本的に赤色で表記される。中野方面行き列車は通過駅がなくなる東陽町駅 - 中野駅・三鷹駅間で車両の快速表示を続ける列車もあるが、各駅停車として案内される。余談だが、(三鷹駅 - )中野駅 - 西船橋駅( - 津田沼駅)間の所要時間は、(三鷹駅 - )中野駅 - 御茶ノ水駅間を中央線快速電車、御茶ノ水駅 - 西船橋駅( - 津田沼駅)間を総武線各駅停車で乗車した場合と大差ない。東西線快速を通して乗車した方が早い場合も多い。1969年に東西線で快速列車が導入された際には、停車パターンによって以下の3種類の呼称で区別された。ただし、これは内部の呼称とされ、公式には用いられていなかった。現在はA快速が廃止されており、B快速が「快速」、C快速が「通勤快速」となっている。平日朝西行(中野方面)のみの運転で、西船橋駅 - 浦安駅間で速達運転を行い、浦安駅 - 中野駅間は各駅に停車する。また、直通運転する路線内では各駅に停車する。快速と同様に全列車が運行区間に東西線全区間を含んでおり、東西線の途中駅で折り返す列車は設定されていない。1986年(昭和61年)11月1日に快速の停車パターンの一つ(浦安駅から各駅に停車の快速)として登場したが、1996年(平成8年)3月16日より通勤快速という名称になる。C快速時代には専用の種別幕はなく、始発駅から南行徳駅を通過するまで快速、南行徳駅 - 浦安駅間を走行中に各駅停車(種別無表示)に変更していた。かつての京葉線→武蔵野線直通快速と同じパターンである。前述の通り、2007年以降はダイヤ改正の度に運転時間帯が拡大しており、2007年3月19日から平日朝の最混雑時間帯に運行されていた快速がすべて通勤快速に変更され、2009年3月16日からは西船橋発朝6時33分発 - 9時4分発までのすべての速達列車が通勤快速となった。2016年(平成28年)3月26日改正のダイヤにおいて津田沼発三鷹行きは1本設定されており、JR車で運転されている。津田沼発中野行きは5本設定されており、東京メトロ車で運転されている。東葉勝田台発中野行きは東葉高速車の3本以外は東京メトロ車で運転されている。東葉勝田台発三鷹行きは3本設定されており、東京メトロ車で運転されている。西船橋発中野行きは1本のみ設定されており、JR車で運転されている。西船橋発三鷹行きは1本のみ設定されており東京メトロ車で運転されている。東行(西船橋方面)には設定がない。中野方面行き快速と同様、通過駅がなくなる浦安駅 - 中野駅間では車両の通勤快速表示は続ける列車があったが、消滅した。車両や駅によっては「通快」と略して表示される。「通勤快速」を英語で表記する際、その表現方法は統一されておらず、"Commuter Rapid"、"Commutation Rapid"、"Rapid Commuter"、"Com.Rapid"、と車両や駅ごとに異なる。使用色も統一されていない。ただし、JRが先に直通していた関係上、JR直通が優先されており、その時間帯は東葉直通は激減している。一部の時間帯をのぞき、快速1本(朝のみ2本・通快含む)に対して2本であり、朝と夕方は3 - 5分間隔、日中は約5 - 8分間隔で運行されている。日中は1時間あたり8本のうち4本が中央線に乗り入れて三鷹駅 - 西船橋駅間で車両は東京メトロ車・JR車で運転、残りの4本が中野駅 - 西船橋駅間で車両は各社の車両での運転となる。ラッシュ時には東葉高速線や総武線津田沼駅発着の列車も運行されるほか、九段下駅・東陽町駅・妙典駅発着の列車もある。運行車両および本数は以下の通り。昼間は1本ごとに快速に抜かれない列車もあるので、長距離の利用者も多い。東西線だけでなく、東葉高速線でも速達運転を行う種別で、東陽町駅 - 東葉勝田台駅間で速達運転を行っていた。東西線内の停車駅は快速と同じ。廃止時点では平日の夕方に東葉勝田台行きのみ運行されていた。車両や駅によっては「東快」と略して表示されていた。使用色、英語表示も車両や駅ごとに異なっていた。2014年(平成26年)3月15日のダイヤ改正で廃止され快速に変更された。東西線の女性専用車は、2006年11月20日に乗り入れ先のJR総武線各駅停車および東葉高速鉄道線と同時に導入された。平日午前6時57分以降に西船橋駅を発車する列車ならびに途中の妙典駅始発のB線(中野方面行)において、進行方向最前部車両である10号車が女性専用車両となる。実施区間は、東葉高速鉄道線東葉勝田台駅・JR総武線各駅停車津田沼駅→西船橋→大手町駅までであり、大手町駅到着をもって女性専用の取り扱いを終了する。この女性専用車両には、いずれの場合も男女関係無く、小児と体の不自由な客及び介護者も乗車可能である。東西線内は、午前9時になった時点で女性専用車両の取り扱いを一斉に終了する。大手町駅から先は女性専用車両の運用を実施しておらず、中野駅以西の乗り入れ先であるJR中央線各駅停車内(中野駅 - 三鷹駅間)でも設定していない。また、非常時やダイヤが大幅に乱れた場合などには女性専用車両の実施を中止する。設定当初は、終着の中野駅まで女性専用車両が設定されていたが、大手町駅での流動が影響したこともあり、導入してわずか1週間強にあたる2006年11月29日に設定区間を大手町駅までに短縮した。女性専用車両が導入されている東京メトロの他路線においても、いわゆる菊名問題と同様のケースが生じているが、設定内容の変更などの対策は行われていない。開業当初東西線で使用していたATCは地上信号式(WS)で、原則として運転士が手動で制動を掛ける方式である。減速信号(YG)65km/h、注意信号(Y)40km/h、警戒信号(YY)25km/hの速度制限が掛かる(東西線建設史による)。通常の閉塞信号でも進行現示(G)することがない信号機が多数存在した。減速信号は地上区間を中心に採用されていた。列車通過後の信号現示変化で、YG現示などが連続して表示される信号機もあった。東京地下鉄では日比谷線もこの方式であったが、両線とも現在車内信号式(CS)に変更されている。ATC更新工事により、05系のうち車内信号非対応で登場した車両には改造工事が行われた。また5000系と東葉高速1000形は共に老朽化が進んでいることから新ATC対応化はせずに、東葉高速1000形は2006年12月4日に、5000系も翌2007年3月17日にそれぞれ全車両が引退した。さらに2006年11月より有楽町線から転属している07系4編成にも、東西線の保安装置への改造が行われている。2006年10月中旬から2007年2月中旬頃までの終電後の夜間に、信号システム更新のための試運転が行われた。これにより首都圏で現在車内信号式を採用していない地下鉄は、都営浅草線のみとなった。ちなみに直通先の東葉高速線はCS-ATC化をすると費用が莫大にかかるので未だにWS-ATCを使用しており、そのため東葉2000系と東西線05系・07系・15000系にもWS-ATCが搭載されている。さらに東陽町 - 西船橋間の各停車駅では停車予告音が採用されており、ブレーキを掛けても停車するまで連続して鳴る。東京地下鉄で停車予告音を使用しているのはこの区間のみである。2014年度の1日平均輸送人員は1,365,000人であり、日本の地下鉄では最も輸送人員が多い。平日朝ラッシュ時中野方面の混雑は日本国内でワーストクラスとなっており、慢性的遅延が発生している。2014年度の朝ラッシュ時最混雑区間(B線、木場→門前仲町間)の混雑率は200%であり、首都圏の鉄道各線の中でもワーストクラスであるが、1981年度から朝ラッシュ時は片道毎時27本の高頻度運転がなされており、ホーム有効長など設備の関係上、現状の10両編成を超える長編成化はできないため、これ以上の輸送力増強は困難である。千葉 - 東京都心の区間では他に都営地下鉄新宿線やJR京葉線が並行しているが、都内での乗り換えの利便性などの差があることや(特に京葉線は東京駅での他路線との乗り換えに時間を要する)、東京都心へは特に西船橋方面から東西線経由の方がJR線経由よりも運賃が安くなる駅(新宿、渋谷、明治神宮前<原宿>、池袋など)が多いことなど、利便性や運賃面で有利なことも混雑に拍車を掛ける一因となっている。また、葛西駅、西葛西駅を擁する江戸川区内では近年大規模マンションが多く立ち並ぶなど人口の増加が続いており、この2駅を合算した1日平均乗降人員は20万人に達する。原木中山 - 木場間に接続路線および並行する路線も無いため、東西線に乗客が集中する要因になっている。加えて、東西線は幅の狭い相対式ホームで、階段がホームの両端にある構造の駅が多かったため、一部の車両に混雑が集中することがあった。東京メトロでは旧営団時代から、ホームの拡幅や階段の増設、車両の工夫(ワイドドア車の導入)などの対策を施してきたものの、混雑の根本的な解決には至っていないのが現状である。こうした状況を受けて、2007年3月18日のダイヤ改正より朝ラッシュのピーク時間帯(西船橋発6:56 - 8:15)の「快速」が全列車「通勤快速」に変更された。これにより該当時間の全列車が浦安以西各駅停車となり、この時間帯の浦安→東陽町間の所要時間は、快速が8分、通勤快速と快速待避のない各停が11分、快速待避のある各停が13分であったが、全列車11分に統一された。この結果、各停への乗客の集中が緩和され、混雑の平準化が図られた。なお、対象の時間帯は元々ほとんどが通勤快速で、快速は東葉快速1本のみであった。なお、同じくラッシュ時の混雑で遅延が常態化していた東急田園都市線でも「急行」(二子玉川 - 渋谷間の途中停車駅は三軒茶屋のみ)を「準急」(二子玉川以東各駅停車)に変更するダイヤ改正が2007年4月に行われたが、こちらは優等列車(急行)の混雑が激しかったものを平準化するためであり、東西線とは逆の理由である。東西線・田園都市線ともダイヤ改正が功を奏して各列車の混雑率が平準化されたため、両者とも翌2008年3月に再びダイヤ改正を行い、東西線の通勤快速および田園都市線の準急の運行時間帯が拡大された。さらに東西線では2009年3月のダイヤ改正で通勤快速の運転時間帯がさらに拡大し、朝の時間帯の中野方面行きの優等列車はすべて通勤快速に統一された。東西線では、混雑緩和・時差通勤を促進するため、以下のようなキャンペーンが実施されてきた。実施期間が冬期に限られているのは、乗客が厚着することにより、ドア挟みの発生や乗降に時間が掛かりやすく、夏期に比べ遅延することが多いからである(いわゆる「着ぶくれ」)。2007年12月10日から2008年2月29日までの平日には「東西線 早起き通勤キャンペーン」が実施された。対象区間は東陽町 - 浦安間で、期間中の朝の指定時間帯内に同区間を含むPASMOまたはSuica通勤定期券(通学定期券は対象外)で対象区間内の駅に置かれた専用端末にタッチすると、1日1回の「早起き通勤回数」がカウントされ、20回以上の利用者に先着で三菱UFJニコスギフトカード1000円分、40回以上で2000円分が贈られるというものである。このキャンペーンは好評だったようで、通勤定期券だけでなく通学定期券も対象とした「東西線早起きキャンペーン」として2008年12月1日から2009年2月27日までの平日にも実施された。この年から対象が原木中山 - 門前仲町間のいずれかの駅からの乗車で南砂町 - 茅場町間のいずれかを含むPASMOまたはSuica定期券となり、時間帯によってカウントされる早起き通勤回数が変わる(前半30分は3カウント、後半30分は1カウント)ように、賞品が贈られるカウント数が50以上に変更され、賞品も通勤者向きにTokyo Metro To Me CARDのメトロポイント、通学者向きにオリジナルグッズが追加された。2009年12月1日から2010年2月26日までの平日にも同様のキャンペーンが実施された。このキャンペーンでは、通勤者向けの賞品がTokyo Metro To Me CARDのメトロポイントと三菱UFJニコスギフトカード、通学者向けの賞品が文具セットとなった。また、50カウント未満でも20カウント以上を記録した利用者すべてに粗品がプレゼントされるようになった。2010年12月1日から2011年2月28日までの平日にも同様のキャンペーンが実施されるが、実施区間が西船橋 - 門前仲町間に拡大され、JR総武線やJR武蔵野線から東西線へ乗り換える乗客も参加しやすくなった。東京メトロは2009年度の事業計画の中で、東西線の混雑緩和策としてオールワイドドア車10両編成の15000系を導入し、ラッシュ時間帯の列車に割り当てる方針を明らかにした。15000系は2010年から投入が開始され、同年5月7日から営業運転を開始した。そして、2011年度までに13編成130両が投入された。なお、同様に混雑が常態化していた東急田園都市線ではこれに先んじて対策を打ち、2009年4月から朝ラッシュ時の急行・準急に使用される5000系の6ドア車を10両編成中2両から3両に増加させている。東京メトロは2011年度事業計画の中で、上述のワイドドア車両再投入を含め、本格的に混雑緩和を行うため、ホームの拡幅や延伸、新たな線路やホームを増設することを明らかにした。具体的な計画は以下のものがあげられている。その後、2013年12月2日のダイヤ改正で終電の運転区間を延長し、最終の東陽町行が妙典行に変更となった。また、2015年度事業計画の中で、前記の計画に加え2019年度を目途に九段下駅の折り返し線を改良し、A線と平面交差せずにB線の列車が折り返しできるよう工事を行うことを明らかにした。東京メトロが2016年3月28日に発表した、2016年度から2018年度までの3年間の中期経営計画『東京メトロプラン2018〜「安心の提供」と「成長への挑戦」〜』の中では、2016年度にワイドドア車両が3編成増備されることが発表された(なお、既存の15000系の増備となるのか、また新形式での導入となるのか、詳しいことは現時点ではまだ不明である)。2015年5月から6月にかけて、従来のブザーに代わり向谷実作曲・編曲の発車メロディを導入(JR管轄の中野駅を除く)。九段下駅・日本橋駅を除く各駅では、A線(西船橋方面)で「A Day in the METRO」、B線(中野方面)で「Beyond the Metropolis」を採用(各駅で異なるメロディを進行方向に聴きつなぐと1曲になる)、九段下駅では爆風スランプの「大きな玉ねぎの下で 〜はるかなる想い」を、日本橋駅では民謡「お江戸日本橋」を採用した。また、これに伴い音楽館より『東京メトロ東西線 発車メロディCollection』が発売された。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。