『博士の愛した数式』(はかせのあいしたすうしき)は、小川洋子による日本の小説。初出は「新潮」2003年7月号。同年8月29日、新潮社より刊行された。装画は戸田ノブコ。2004年2月1日、第55回読売文学賞を受賞。同年4月15日、第1回本屋大賞を受賞。大賞受賞時の得点は202点。2005年12月1日、新潮文庫として文庫化される(ISBN 4-10-121523-5)。なお本書の新潮文庫版は発売2ヶ月で100万部を突破。新潮文庫では史上最速を記録した。2006年1月の映画化という販売促進策が決定的に奏功した。2009年2月3日、スティーヴン・スナイダーによる英訳版『』が刊行された。2010年8月1日、電子書籍版が新潮社より配信開始された。交通事故による脳の損傷で記憶が80分しか持続しなくなってしまった元数学者「博士」と、彼の新しい家政婦である「私」とその息子「ルート」の心のふれあいを、美しい数式と共に描いた作品。数学者エルデシュを描いた『放浪の天才数学者エルデシュ』(原題は「数字だけを愛した男」、ISBN 4-7942-0950-9)が参考文献として挙げられており、エルデシュは「博士」のモデルと言われることもある。家政婦紹介組合から『私』が派遣された先は、80分しか記憶が持たない元数学者「博士」の家だった。こよなく数学を愛し、他に全く興味を示さない博士に、「私」は少なからず困惑する。ある日、「私」に10歳の息子がいることを知った博士は、幼い子供が独りぼっちで母親の帰りを待っていることに居たたまれなくなり、次の日からは息子を連れてくるようにと言う。次の日連れてきた「私」の息子の頭を撫でながら、博士は彼を「ルート」と名付け、その日から3人の日々は温かさに満ちたものに変わってゆく。2006年1月21日公開。第18回東京国際映画祭特別招待作品、芸術文化振興基金助成事業作品。「私」の視点で描かれた原作に対し、映画では中学校の数学教師になった29歳のルート(原作に準ずれば教員生活7年目)が、あるクラスの最初の授業で博士との思い出を語るというものになっている。また、原作では深く描かれなかった博士と未亡人の関係についても触れている(2人が不義の関係にあったことをうかがわせる)などの違いはあるが、原作をほぼ忠実に映画化している。映画公開に合わせて、講談社発行の漫画雑誌『BE・LOVE』に2005年12月から全4回で連載された。作画はくりた陸。2006年2月には、講談社コミックスDXとしてまとめられ、出版されている (ISBN 978-4-06-372130-0)。毎日放送の開局55周年記念企画として、MBSラジオで2006年3月19日の19:30 - 21:00にラジオドラマとして放送された。脚色は倉持裕、出演は柄本明、中嶋朋子、武井証ほか。ラジオドラマ版では、ドラマの鍵となる阪神タイガースのエピソードも織り交ぜる。1992年9月11日の阪神対ヤクルト戦で、直後に二塁打と判定された「代打の神様」こと八木裕選手の「幻の本塁打」のシーン(MBS制作の音源を使用)も登場する。なお、このドラマはTBSラジオでも同年3月25日の19:00 - 20:30に放送された。また、同年6月30日、ラジオドラマCDとして新潮社から発売されている(ISBN 978-4-10-830183-2)。2015年12月に劇団た組公演として、同名タイトルで舞台化作品がウエストエンドスタジオで上演予定。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。