デ・リーズル カービン(De Lisle carbine)は1943年にイギリスで開発された、拳銃弾を使用する消音ライフルである。機構的にはボルトアクションライフルに分類される。デ・リーズル コマンドカービン(De Lisle Commando carbine)とも呼称される。設計は南アメリカ出身のイギリス人であるウィリアム・G・デ・リーズル(William Godfrey De Lisle)により進められ、開発にはイギリスで生産されていたSMLE MkIIIライフルの生産ラインから不良品として分類された機関部やストックなどを流用し、弾倉にはコルトガバメントM1911A1の物を使用し製作された。1943年には試作品が完成し、名称も「デ・リーズル カービン」となった。全長はサプレッサー部も含め894mmで、最大の特徴でもあるサイレンサーはマキシム型と呼ばれる、内部を多数の区画で区切りそれぞれの区画にガス抜き用の穴が開けられたもので、射撃時の発射音に対しては高い消音効果を発揮し、射程距離250mまで正確な射撃が可能だった。デ・リーズル カービンは1944年の春からイギリス軍によって実射テストが行われ、この時並行して開発されたサプレッサー装着タイプのステンMkIISとの性能比較を行った結果、減音効果や命中精度、並びに耐久性やメンテナンス性すべてにおいてステンより優れていると評価され、同年の8月より製造が開始され、1942年から1945年にかけてスターリング・エンジニアリング社によって生産が行われた。しかし、試作を含めてもおよそ106挺ほどしか生産されず、空挺部隊用に銃床を折り畳み式金属ストック付きに改造したタイプが500挺発注されたものの同年11月で発注がキャンセルされ、スターリング・エンジニアリング社での全体の総生産数は130挺に留まった。わずかながら製造されたデ・リーズル カービンはその後第二次世界大戦の末期に特殊作戦用にヨーロッパ戦線に投入され、戦後も1950年におこったマレーシア内戦や1960年以降アフリカでの特殊作戦などで使用された。戦後デ・リーズル カービンは少数製造にもかかわらず、その消音性能には注目がおかれ、ベトナム戦争ではアメリカ軍がライフル銃にデ・リーズル型の試作サイレンサーを装着させ、発射テストを行っている。
出典:wikipedia
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