ボブ・デービッドソン(Bob Davidson、本名:Robert Allan Davidson 、1952年8月3日 - )は、アメリカ合衆国・メジャーリーグに所属する野球の審判員である。ボークを非常によくとるため、「ボーキング・ボブ(Balkin' Bob)」の異名を持つ。大誤審(後述)でも有名。1983年、ナショナル・リーグの審判員となる。1999年、メジャーリーグ審判の労使紛争で仲間を庇い、リーグ側に強硬な態度をとったためにメジャーリーグを解雇されたが、2005年に復帰した。2006年に開催された第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の第2ラウンドで、アメリカ - 日本戦の球審、メキシコ - アメリカ戦の一塁塁審を務め、いずれの試合でもアメリカ側に有利となる疑わしき判定を行ったことから話題となった。WBC開催時にはメジャーリーグのアンパイアリングスタッフからは外れていたという。アメリカ代表の主将としてグラウンド上にいたデレク・ジーターは後にデービッドソンの誤審問題について尋ねられた際、「そのことは、覚えてないぞ」と苦笑いしていた。デービッドソンは通算61個のボークをコールしており、ボビー・バレンタイン(前ボストン・レッドソックス監督、元千葉ロッテマリーンズ監督)は「彼にはボーク・ボブ・デービッドソンというニックネームがあるくらい、自分を目立たせるためにボークをよくとる審判だ」と語っている。トレイ・ヒルマン(現ロサンゼルス・ドジャース コーチ 元北海道日本ハムファイターズ監督)もまた、マイナー時代に判定を巡って対立していた。以下、本稿での試合日時等はすべて現地時間で表記する。以下は、2006 ワールド・ベースボール・クラシック(WBC第1回大会)においてデービッドソンが引き起こした判定問題である。2006年3月12日に行われたアメリカ - 日本戦において、同点で迎えた8回表の日本の攻撃、一死満塁の場面で、岩村明憲が左翼方向に飛球を打ち上げたのを見た三塁走者の西岡剛はタッグアップを行い、送球が捕手に渡るよりも早く本塁に到達した。このプレーに対し、アメリカは「西岡の離塁が早すぎたのではないか」とアピールした。4人審判制で満塁の場合、左翼方向への飛球は三塁塁審が追い、三塁のカバーは二塁塁審が行うが、二塁塁審がカバーに入った位置では捕球と離塁を同時に見る事が難しいため、球審が三塁走者のタッグアップを確認することとされている。この事例でも三塁塁審は三塁を離れて左翼手ランディ・ウィンの捕球を確認、アメリカの三塁手のアピールに対しては、二塁塁審のブライアン・ナイトがセーフ(正規のタッグアップを行った)と判定した。しかし、アメリカのバック・マルティネス監督の抗議を受けた球審のデービッドソンは「この場合の判定権限は球審である自分の領域だ」とし、責任分担に基づき判定を訂正、三塁走者の西岡をアウト(離塁が早い)とした。公認野球規則では、規則9.02(c)でとしており、デービッドソンが判定を変更したことには問題がある。しかし西岡のタッグアップの判定は球審が行うべきであったため、デービッドソンの誤審であったとは言いがたい。日本は、主催者側に判定の訂正に対する質問書と、第2回大会は全参加国から審判を出すようにするようにという要望書を提出。主催者側は審判員の判定は正当であるとした。主催者側の回答に納得できなかった日本は再度質問書を提出した。同年3月16日に行われたメキシコ - アメリカ戦の2回表のアメリカの攻撃、無死一塁でバーノン・ウェルズが左翼方向に飛球を打ち上げた。左翼手が走り込みながらウォーニングトラック前で捕球し、中継の遊撃手へ、遊撃手から一塁手へ送球された。一塁走者のアレックス・ロドリゲスは左翼手の捕球時、二塁付近におり、そこから一塁にスライディングしながら帰塁した。遊撃手はアウトを確信しガッツポーズをしていたが、一塁塁審のデービッドソンはこれをセーフと判定した。このプレイについては、「リプレイのビデオによるとロドリゲスの帰塁よりも一塁手の触球が早かったように見える。判定はアウトではないのか」という意見もある。さらに3回裏、メキシコのマリオ・バレンズエラがロジャー・クレメンスから放った打球は右翼ポール際に飛び、直接ポールの中ほどに当たって大きく撥ね、フェアグラウンドに戻ってきた。打球が直接ポールに当たったのであれば本塁打であるが、一塁塁審のデービッドソンは「ホームラン」の宣告をせず、これをボールインプレイとした(球がフェンスの上方を越えた時点で、ボールインプレイという判断はありえない)。メキシコは激しく抗議したが、マウンド付近に審判団が集まって協議した結果、責任審判であるデービッドソンは二塁打を宣告した。メキシコはさらに、ボールに付着していたポールの黄色い塗料を審判団だけでなくテレビカメラにも見せ付けるなど強くアピールしたが、結局判定は覆らず、無死二塁としてプレーが再開された。このプレイはスタジアム内のスクリーンに何度もリプレイされ、その判定が「誤審」としか見られない状況が映し出されたことで場内は騒然となった。。メキシコは既に第2ラウンド敗退がほぼ確実な状況に置かれていて、試合前日には練習を休んでディズニー・ワールドで遊んでいたが、この判定に奮起。直後にホルヘ・カントゥの適時打で先制すると、5回裏にも追加点を奪い、8人の継投でリードを守り切って2 - 1でアメリカに勝利した。この結果、1勝2敗で日本、アメリカ、メキシコが並ぶことになったが、失点率(総失点を守備イニング数で除した値)が最も低かった日本が準決勝に進み、アメリカの第2ラウンド敗退が決定してしまった。試合後、メキシコのフランシスコ・エストラーダ監督は「球場全体が本塁打だと思ったはずだが、審判だけがそう思っていなかった」、打者のバレンズエラは「あの細長い物がフェンスに見えたんだろう」と皮肉を交えたコメントをした。前述の日本戦の判定に続いて、野球発祥国であり大会主催国でもあるアメリカを意図的に勝たせようとした判定とも取れる誤審が続いたためか、同じくメキシコ代表選手のゴンザレス(エイドリアン・ゴンザレスかエドガー・ゴンザレスのどちらなのかは不明)は試合後「我々が次のステージへ進むことは適わなかった、しかし残されていた最後のもう1つの椅子に座るのにアメリカはふさわしくないチームだった。我々が日本をその席につける力になれたのなら幸せだ」というコメントを残している。先述の「今大会のMVPはデービッドソンだ」は、このメキシコ代表の大奮起を促しアメリカ代表を敗退させたことへの皮肉でもある。なお、この試合で勝利を収めたメキシコには、日本を始めとして各国から賞賛の声が上がり、日本のメキシコ大使館には「お礼の電話」や「感謝の電報」、メキシコチームに対する賞賛の電子メールが多数届いたという。デービッドソンは続く3月18日、準決勝第1試合(ドミニカ共和国 - キューバ戦)で球審、同日の準決勝第2試合(韓国 - 日本戦)で二塁塁審、3月20日の決勝戦(キューバ - 日本戦)で一塁塁審を務めた。これら判定問題との因果関係は不明だが、2009年3月に行われた第2回大会の審判団からは外れた。また、漫画「メゾン・ド・ペンギン」やバラエティ番組「はねるのトびら」(フジテレビ)ではデービッドソンとこれらの判定問題をパロディ化したネタが取り上げられた。
出典:wikipedia
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