機動警察パトレイバーの登場メカ(きどうけいさつパトレイバーのとうじょうメカ)では、アニメ・漫画『機動警察パトレイバー』に登場する架空のメカである、レイバー・車両・航空機などの各機について、詳細に説明する。文中の登場作品名の詳細は、以下の通り。文中の略称企業名の詳細は、以下の通り。文中の装甲材質名の詳細は、以下の通り。警視庁警備部特車二課所属の警察用レイバーである。劇中では「95式」とのみ呼称されるが、民間作業用からの改装レイバーである事から、ここでは便宜上「95式(警察用)」とした。一般的には後継の「96式改」に倣い「95式改」の名称で呼ばれる事も多い。原型となったレイバーは1995年のモデルで、愛称は「ゴリラ」。漫画版における初代パトレイバー。第一小隊で最初に採用された車両であるが、冒頭の時点で既にかなりの旧式であり、ヘラクレス21やクラブマン ハイレッグなどの新鋭レイバーの強力なパワーには対応しきれず、歯が立たない状況が続いていた。ただし、旧式ながら五本指のマニピュレーターを持ち、警棒などのオプションを使用する事も一応可能である。両腕には旧OVA版の98式と同デザインのシールドが装備されている。第1巻の早稲田の警察予備校には同じ車両をベースにした教習用のレイバーがある。警視庁警備部特車二課所属の警察用レイバーである。漫画版において第一小隊に二番目に配備された車両である。総数は3機。第1巻で甚大な損傷を受けた95式に代り、第2巻より登場。1号機には石和巡査部長、2号機には古賀巡査が搭乗した。95式とは外観にいくつかの細かい差異はあるものの、基本的には同系列機のマイナーチェンジ版らしく、抜本的な進歩があるわけではない模様。腕部に収納式の電撃端子を装備している点が特徴。旧OVA版、およびTV版に登場する「アスカ」とは外観こそ異なるが、ほぼ同様の役割に相当する。怪物「廃棄物13号」と格闘を繰り広げたり、第6巻にて無傷で帰って来るシーンがあったり、第13話のシバ シゲオの「96式の性能じゃ手に余る事件が増えている」と言う台詞から、アニメ版の「アスカ」と違い結構長い間良い働きをした様子である。第14巻にてAVS-98へ機種変更され退役したが、オーバーホールされた後どこかで使用される事が決定していた模様。篠原重工所沢工場製造、警視庁警備部特車二課所属の警察用レイバーである。(形式番号:ASUKA96MPL)旧OVA版、TV版に登場。原型車両は篠原重工所沢工場製であるが、MPL型への改修は八王子工場が担当した。篠原重工が10月に発売したASUKA95SSL“大将”を警察用に仕様変更した機体。特車2課が新設された際に「とりあえず」といった形で納入された。性能は通常のSSL型とほとんど同じで、装甲が強化された代わりに軽快さが失われている。基本的には、前年に発売されたものの、バランサーの不備で僅か6か月で販売停止となったアスカ95と性能面で変わりない。配備された時点で既に、違法改造された犯罪者のレイバーには太刀打ちできない状態だった。押井守が『パトレイバー』の主役機の方向性として当初提示した案が基となっている。結局は他のヘッドギアのメンバー達に説得され、押井が折れるかたちで出渕案のイングラムに譲る事となったが、押井の描いたラフ画をリファインするかたちで旧型機として本編に登場する事となった。無骨でズングリとしたキャラクター性は、本編でもそのまま生かされている。結果として、脇役としてスタイリッシュな新鋭機のイングラムと対比させる事で、レイバーの世界観を広げる事に一役買う存在となった。なお、形式番号のMPLとは「Mobile Police Labor」もしくは「Metropolitan Police Labor」の略である。マナベ重工製造、警視庁警備部特車二課所属の警察用レイバーである。(形式番号:MPL-97S)TV版に登場。大出力、重装甲で高い評価を得たMPL-97 サーペントを、現場の声を汲み上げて装甲・操縦系を中心に改良された機体。レイバー業界では後発だったマナベ重工だったが、特車2課で使用されることによる宣伝効果を期待し、次期MPLとして廉価で提供された。専用の大型シールドと頭部フェイスプレートを装備し、グレー系のカラーリングと合わせて機動隊員を思わせる威圧的な外観をしている。AV-98同様に人間形態で、配置当初は最先端のレイバーであったが、わずか1年遅れで実用化されたイングラムと比較するとさまざまな面で劣っている。特に、イングラムが指先の駆動方式にリニアアクチュエーターを使用し、人間に可能な動きの大部分を行えるとされているのに対し、パイソンの指部はワイヤー制御であり、握る・開くといった大雑把な動作しか行うことが出来ないとされる。マナベ重工の製品は、設定資料の記述を含めても本機を含むMPL-97シリーズのみである。劇中では特車2課第1小隊に配備され、1号機には五味丘務巡査部長、2号機には結城巡査が搭乗した。五味丘巡査部長はこの機体で格上のヘラクレス21に勝利した。TV版においては「初の警察専用レイバー」というキャプションは、AV-98ではなくこちらに与えられている。SRX-70、AVS-98と、度々機種変更が検討されながらも使用され続けていたが、2000年2月、AV-0ピースメーカーの導入をもって退役した。本作の主役機とそのバリエーションはここに含まれる。SEJ製造、トヨハタオートが販売(OEM製品である)の警察用試作レイバーである。(形式番号:SRX-70)TV版に登場。パイソン退役の方針に伴い第一小隊の次期パトレイバーとして、レイバー業界では新参のトヨハタオートから破格の好条件で提案された機体。しかし機体開発からの実質的な黒幕であるSEJの狙いが、本機の警察運用を通して得た実戦データを軍需産業に流用することであると発覚。これに反発した南雲警部補の機転(「太田巡査を専任パイロットにするのなら、配備しても構わない」)により、本機の導入案はとりやめとなる。その後は民間警備用むけに改修されSR-70(サターン)として市場にリリースされる。(後述)デモンストレータらしく白地にブルーの目を引く塗装が施された、イングラム同様のスマートなスタイルと、およそ警察用とは言いがたい重武装を持った機体である。オートカノンは首の右サイドに格納され、跳ね上げ式にせり出す。本機に搭乗した五味丘巡査部長は、パイソンに乗っていた自分とイングラムのパイロットとでは見える世界が違っていたことを知って嫉妬を覚えた、と本機の性能を賞賛している。神奈川県警交通機動隊所属の交通管制用レイバーである。正式名称は「99式装輪レイバー」。劇場版2に登場。神奈川県警交通機動隊内に設立されたレイバー隊にて採用されたパトレイバー(現在のところ他での採用は確認されていない)。作業用のマジックハンドと足先に8つのタイヤを持つ。レイバーといっても、その名の通り「装輪」タイプの車両であって、移動手段は歩行でなく車輪による走行である。高速移動モードでは近未来的なパトカー然としたスタイルに変形する。ドライバーと指揮官の二名が搭乗可能な複座式の胴体は伸縮式の脚部によって支えられており、これを引き伸ばす事によって渋滞時の一般通行車両を跨ぐことで、それらを障害とすることなく速やかに移動することが出来る。車体後部にエンジンを備えているが、これは発電用の物である。警視庁および神奈川県警などで使用されるレイバーである。交通事故や各種の道路上におけるアクシデントに対応し、各所に設置されたワイヤー式クレーンやマグネットクレーンを駆使する事で、主に擱座したレイバーや一般車両の撤去作業に用いられる。ロードランナーと同様に足先に8つのタイヤを持つ装輪タイプのレイバーで、移動も「歩行」ではなく一般車道の「通行」をメインとしている。やはり伸縮式の脚部によって周辺の一般車両を跨ぎ、渋滞時にも速やかに移動することが出来る。レイバーというよりは道路作業用車両然とした姿となっている。劇場版2では2002年の段階でロードランナーと共に神奈川県警交通機動隊に配備されているのが確認できるが、時間軸上でそれより遡る2000年(昭和75年)が舞台の劇場版3にも警視庁に配備のものが登場している。ロンドン警視庁で使用されるレイバーである。『月刊ホビージャパン』1992年4月号に登場。ロンドン警視庁を中心として発足した対レイバー犯罪用の機動警察隊「ビショップ」で運用された英国製パトレイバー。自国で開発、量産化を成功させたレイバーで、50体ほど生産された。もともとイギリスは国内レイバー産業に消極的だった事もあり、「ビショップ」の発足は2000年と他国に対し遅れをとるかたちとなった。一般的なレイバーと比較してひと回りほど小さく、遠隔操作による無人起動が可能であるのが最大の特徴だが、反面機動性に劣り、やがては日本との技術提携による新型の機体へと機種変更が行われた。全体的にITC風のデザインでまとめられている。篠原重工八王子工場製造の実験用試作レイバーである。(形式番号:AVR-0)漫画版に登場。AVRの「R」は、リファレンス(標準型)のRで、HOSの拡張機能である「HOS サテライト・アプリケーブル・ドライバ(HOS-SAD)」と呼ばれるシステムを基軸に開発された「次世代HOS搭載機」の実験機であり、開発には数十億円が投じられたといわれる。「HOS-SAD」は、衛星からの情報を得て自機および任意の相手の位置を常に把握することが可能になるもので、一度ロックした相手をセンサーの有効範囲内から逃がさないようプログラミングされており、捕捉中の目標へ自動で攻撃や防御などのアクションを起こす事も可能になっている。漫画版登場の時点で実験中の本機において、「HOS-SAD」は“統合管制システム”と呼ばれる外部管制車に搭載のハードウェア・ソフトウェアによって演算・制御されており、基本的にはこの管制車の随伴が必要になる。“独立制御システム”と呼ばれるレイバーとしての基礎的な制御を行うシステムは本機に搭載している為、管制車なしでの運用も可能だが、「HOS-SAD」は使用できず基本的な機能に限られ、機能は大幅に低下する上に、切り替えには再起動を必要とされる。基本的なインターフェイスはイングラムと同一だが、部品の精度は高く、機体性能は同機より上で、ソフトの処理速度も30%以上速くなっている(ただし数値は篠原の社員が語る“当社比”であるため根拠は無い)。また、シートには高級品が使用されており、居住性も向上している。デザインが零式に準じた形になっているが、パトライト類の有無以外に、頭部のデザインも額のセンサーに透明のカバーが付いている、カメラ内部の構造が零式はレーザースキャナーによる単眼方式なのに対し、AVR-0は中央のカメラの左右に小型カメラが上下に並ぶ五眼方式になっているなど細部が異なっている。篠原重工八王子工場製造、警視庁警備部特車二課に納入が予定されていた純警察用試作レイバーである(形式番号:AV-X0)。劇場版1に登場。AV計画におけるイングラムの後継機種として、ハード・ソフト共に根本的な見直しを経て開発された。次代OSであるHOS(Hyper Operating System、通称:ホス)の使用を前提として開発されたため、各部動作の大幅な効率化が図られ、格闘戦において楽々とレイバーを破壊できる高い能力を持つ。他のレイバーを片手で軽々と持ち上げることのできる起重力と負荷性能を持ち、膝でレイバーを粉砕する頑強さも持つ。またこれは同時に、篠原重工のオートバランサーの水準の高さの立証ともなる。劇中では掴みかかったAV-98を片手で軽々抱え上げ、左腕をもぎ取るといった動作を見ると、反応・対応速度も大幅に向上しているのが分かる。搭乗方式も他のレイバーと異なり、コクピットの強度面を考慮し、開閉部を最小限に抑え、シートが下方にスライドするようになっている。また、マニピュレーターにも改良が加えられ、本来繊細に取り扱うべきマニピュレーター自体をあえて武器とするという「抜き手」という空手を応用した技を使用可能。これは従来イングラムにおいてリボルバーカノンの射出・格納に主に用いられていたアーム伸縮機能を格闘戦に転用したものである。マニピュレーターの機構自体はほぼ同様の物だが、この零式ではマニピュレーター自体の強度を大幅に増し、さらに指先を先鋭化させることで本格的な格闘武器とした。ノンオプション状態でも強大な攻撃力が備わっており、レイバーを易々と貫通し本機の代名詞的なアクションともなっている。劇中では使用される事は無かったが、設定上はスタンスティックなどの各オプションを自在に扱う事も可能だったようである。また、開閉式の頭部には軍事技術を改良したレーザースキャナーを装備し、各種センサー類も格段の強化が施されている。本機は、運用にあたっての実戦データのフィードバックを期待した篠原重工の思惑もあり、純警察用レイバーとの位置づけながら、明らかなオーバースペックを有し、その開発投資費は98式などの従来のレイバーと比較にならない。第1小隊に導入が内定しているが、ニューヨーク市警察にはひと足先に1999年5月より3機が納入され試験運用が開始されており、うち2機が稼動していた。シバ・シゲオはその関連で一時的に米国へ派遣されていた。CLAT仕様のイングラム(TV版44話でシバ・シゲオの夢に登場)と同様のブルーとホワイトのツートンカラーで塗装されていたと思われる。しかし後述するHOSを原因とする一連の暴走事件を受け、3機とも回収され、日本にて全面改修を受ける事となった。因みに零式の名称は劇中では「ぜろしき」ではなく「れいしき」読みされているが、設定画やゲーム等ではゼロ式という記載が確認できる。篠原重工八王子工場製造、警視庁警備部特車二課所属の純警察用レイバーである。(形式番号:AV-0)TV版、新OVA版に登場。「AV-X0(劇場版1に登場)」「AVR-0(漫画版に登場)」、そして「AV-X0-2(模型誌展開のバリエーション)」を経て、ついに完成した制式タイプである真の「ゼロ」。AV-98の後継機種。試験運用は1999年9月から行われ、2000年2月より警視庁に配備され、特車2課第1小隊に3機が配備された。イングラム以上に予算を度外視した機体で、センサー類・格闘性能などどれをとってもイングラムを凌駕するスペックを持つ。一方で、威圧的だった試作機の外観から印象を和らげるためにイングラムのフォルムに近付けるべくリファインが行われている。イングラムと同規格のリボルバーカノン(左脇に収納)やスタンスティック(腕の装甲下に格納)、専用シールドを標準装備している。マニピュレーターは零式同様の「抜き手」が使用できる(当初は設定資料の注意書きに「抜き手は無し」と書かれていたためにTV版での使用はなかったが、続編の新OVA版では惜しげもなく披露されている)。「歩く特許」と呼ばれるほどに最新技術を随所に使用し、人間の神経を模した「ニューロン・ネットワーク・システム」を搭載している。五味丘務巡査部長、結城巡査達ら第一小隊隊員によってシステムは人間が注意しなくても機体が自動的に周囲の障害物を避けて損害を最低限に抑えるように成長したが、その反面レイバーの行動自体を少なからず制限(目標が一般住宅などを背にすると攻撃的な行動をとれない)する事になり、それを敵に利用されると、ニューロン・ネットワーク・システムが稼働中のレイバーは行動さえできなくなる、ある意味「諸刃の剣」でもある。漫画版のAVR-0のHOS-SADと得られるメリットは似ているが、ニューロン・ネットワーク・システムはピースメーカー本体のみで完結しているシステムであり、より完成に近づいているといえる。本機及びAVR-0は、一見扱いやすくなっているものの、100%パイロットの操縦下に置かれず、時には制御がままならないレイバーという役割が与えられている。パイロットの血と汗で経験値を蓄積してきたイングラムとの対比構造を描く事で、技術の進歩が必ずしも人間の「努力」と「根性」に勝るものではないというテクノロジーへのアンチテーゼの象徴として物語に登場する。なお、「ピースメイカー」ではなく「ピースメーカー」が正しい表記である。篠原重工八王子工場製造、警視庁警備部特車二課所属の純警察用レイバーである。(形式番号:AV-2)劇場版2に登場。2001年秋の特車2課再編時に配備された新鋭機。第1、第2小隊に3機ずつ計6機が配備された。この機の教習用(廉価版)として「レーア」という姉妹機体が存在する。コクピットはイングラム・エコノミー方式に近く、クリアキャノピー越しの視界が確保され、内部スペースの広さもイングラムよりは幾分改善が見られる。ただしエコノミー/スタンダードとは異なり、乗降は基本的に背部ハッチから行う。この機構は前面の装甲強度を維持できることから、ブロッケンなど軍用レイバーにも多く採用されている。胸部に収納式スピーカー、両肩には収納式パトライトを装備。フェイス部分はイングラムの標準仕様(1号機)に準じた意匠となっているが、バイザー機構は省略されている模様。また、イングラムでは比較的破損率の高かったブレードアンテナが頭部から肩(襟元)に移動しているため、ヘルメット部分は突起物の無いシンプルな外観となっている。武装はイングラム、ピースメーカーなどと同じものを使用できる。リボルバーカノンの収納位置はピースメーカー同様左胸にある。この他に右腕に専用のナックルガードを取り付ける事ができる。劇中での活躍シーンは特に無く、スペック面での詳細も不明。PC-9801版ゲームソフト『PATLABOR OPERATION TOKYO BAY』に登場。警視庁警備部特車二課所属の純警察用レイバーである。(形式番号:AV-5)イングラムやピースメーカーに連なるAV計画の新鋭機。特車二課第三小隊の発足と同時に配備された。現時点でメディア上で発表された最後発のパトレイバーである。それまでのAVシリーズの丸みを帯びたデザインとは違い、非常に直線的なデザインを特徴とする。ヴァリアントでコックピットへの搭乗方法が背部からに見直されたが、本機は再び前部からの搭乗となった。肩部のパトランプは元来の赤ではなく、赤と青の二色が配されたものに変更された。菱井インダストリー製造、陸上自衛隊所属の純軍事用レイバーである。97式装甲戦闘レイバー。(形式番号:AL-97)旧OVA版に登場。陸上自衛隊の軍用第一号として採用された国産初の純軍事用レイバー。戦車および攻撃ヘリコプターとの共同作戦を想定して開発されている。火器類の装備が豊富で、対地、対空戦ともそこそこの攻撃力だが、性能的には中途半端さが拭えず、特に格闘戦能力は極めて低い。黎明期の戦闘用レイバーということもあってか、戦車や攻撃ヘリコプターを参考に設計されたため、パイロットとガンナーの2名が搭乗する複座式の涙滴型クリアキャノピー付きコクピットとなっている。そのために前面投影面積も大きくなってしまい、現行の2脚戦闘レイバーでは最大級の機体サイズとなっており、敵からの被発見率・被弾率が高くなってしまっている。また、航空機よりはるかに速度が劣るにも関わらずコクピットが装甲化されていないため、被弾時の搭乗員の生残性の面でも問題があり、現場での評判はあまりよくない。単座型に改装した「サムソン」やアビオニクスを強化した「ハンニバル」など、数々の改良・発展型が存在している。菱井インダストリー製造、陸上自衛隊所属の純軍事用レイバーである。97式改。(形式番号:AL-97B)漫画版に登場。AL-97(アトラス)の発展改良型。銃火器の豊富さはそのままに、外装を強化し、キャノピーによる直接視認型であったコックピットにも装甲を施しモニター式の完全密閉式とした。火器管制を一部コンピューターの管理下に置いているため1人でも操縦が可能である。改良により被弾率の低下、小型化、機動性の向上に成功している。漫画版で登場した時はすでに旧式化しつつあったが、一部の操縦士の間では「質実剛健さがいい」という評価もあり、問題の多かった「アトラス」から順当に改良発展され、軍用レイバーとしてはそれなりの完成度に達していたようである。コクピットが試験的に単座式に改装された機体も存在する。菱井インダストリー製造、陸上自衛隊所属の純軍事用レイバーである。97式改レイバー。(形式番号:AL-97B改)劇場版2、劇場版3に登場。AL-97B(サムソン)の全面改修型。装甲形状が著しく変化しており、機体中心線上にあったコクピットが機体左側に移設され、複座式から単座式へと変更された。センサーブロックを含めたアビオニクス・モジュールの追加により情報処理能力も向上している。操縦士のコクピットからの視界は新たに採用された間接視認システムに依存しており、操縦士の首の動きと連動して作動する外部の可動式センサーによって外の景色を操縦士のヘッドギアにあるモニター(HMD)にダイレクトに伝える。陸上自衛隊所属の純軍事用レイバーである。(形式:98式多足戦闘指揮レイバー)劇場版2に登場。レイバー部隊の指揮系統統轄のために開発された陸上自衛隊の6脚型レイバー。後方からの指揮・統括任務を目的に機動力重視の設計がなされているため、武装は必要最低限のものとなっている。通常歩行のほか、脚部の車輪を使用しての走行も可能である。コクピットは複座式で乗員は操縦者と指揮官兼ガンナーの2人。本編に登場したのは白くペイントされたPKO部隊仕様の機体のみで、東南アジア某国(小説版ではカンボジア)にて派遣中に反政府軍により撃破された。篠原重工八王子工場製造の純軍事用試作レイバーである。(形式番号:AL-X99)旧OVA版に登場。ARL-99B(ヘルダイバー)のプロトタイプで、イングラムのフレームを流用している。山崎巡査が搭乗しようとした際、コックピットに収まらなかったためモニター類を廃してキャノピー式にした機体も存在する。デザイン的にもヘルダイバーとは異なり、機体も一回り大きい。篠原重工八王子工場製造、陸上自衛隊機械化空挺師団所属の純軍事用レイバーである。(形式番号:ARL-99、ARL-99Bとも表記)AL-97 アトラスならびにAL-97B サムソンにかわり、陸上自衛隊機械化空挺師団に配備されたレイバーで99式空挺レイバー(または単に99式)と呼ばれる。火器類に関しては先代機種に及ばないものの、機動性・汎用性に富み、格闘戦能力がめざましく改善されている。イングラムの警視庁採用と同時に開発が開始されたため、同機の開発で確立された技術を多数使用している。基本フレームはイングラムと同じだが、降下用などの補助動力追加、着地時の衝撃に耐えるため強化型ショックアブソーバーが使用されるなど、脚部を中心に改良が施されているために一回り大きくなっている。頭部にカメラ保護用のバイザー、脚部には降下速度を軽減するダイブブレーキ装備されている。輸送時には肩部を折りたたむ事が可能。コクピットは密閉式だがイングラム同様首下のハッチから搭乗者が直接視認することもできる。武装は99式自動砲をはじめとし、コンバットナイフや対戦車ミサイルランチャーなど、多数のオプションを装備可能。リアクティブアーマージャケットの試作も進んでいた(後述)。局地制圧などに使用され、航空自衛隊に所属する専用のC-4輸送機に格納、パラシュート及び胴体前後に減速用ロケットブースターを装着し降下して奇襲をかけることが可能で、野戦時にはカモフラージュ用のステルスネットを使用する。実際の第一空挺団と同じく習志野駐屯地に配備された。劇場版1とTV版では色指定が異なり、オプション装備としてコンバットナイフが追加されたのみで形状的な差異は無い。TV版での小隊長(不破)機はバイザー、コクピットなどが本体色と違う色(ダークグレー)で塗り分けされていた。TV版45話では野明が試乗し「ゴツゴツした感触はあるものの、思ったより扱いやすく動きが軽い」と操作の感想を述べている。劇場版1では富士の演習場に空挺降下し、対戦車ヘリや空挺隊員と連携して暴走したHAL-X10を捕獲(破壊)するシーンがオープニングで描かれ、TV版では11話でナイフによる格闘にてTYPE-7プロッケンを即座に撃破、また30話でグリフォンに不破機が小破されている。漫画版ではサムソンとの模擬戦で圧勝を収めるものの、不破2尉や防衛庁の担当技官は「小笠原の黒い奴(グリフォン)」以上の性能を追求するあまり、ヘルダイバーの性能に対する不安を窺わせている。ハード面ではイングラムの延長上にある事が明確となっているが、ソフト面で本機がイングラム同様のOSだったかは不明である。劇場版3においては(そこに様々な裏事情が介在していたにせよ)レイバーによる射撃などの動作に関しては自衛隊よりも特車二課にアドバンテージがあるといった判断が下されている。劇場版2の初期プロットでは、反乱軍鎮圧のために投入された機体がジャミングにより降下中に大混乱を起こすというシーンがあった。同小説版ではその名称と存在のみが語られている。また、劇中終盤でイングラムが装着するリアクティブアーマージャケットは、元々は本機(あるいはそれに連なる後継機種)のために篠原重工で試作が進められていた事が明らかとなっている。汎用性に優れているため、さまざまなバリエーションが存在する。菱井インダストリー・篠原重工が共同開発した、純軍事用試作レイバーである。(形式番号:HAL-X10)対戦車および対レイバー戦を目的に試作された重装レイバー。戦車の火力と装甲に、レイバーの機動性と汎用性を併せ持ち、前面右側に大口径短砲身のガンランチャーを備えた突撃砲型の車体に、クラブマンに似た四脚を備える。イングラムを前後に2機並べたほどのボリュームがある大型機だが、最大推力25tのホバーユニットを機体後部に装備し、高速移動や大ジャンプも可能。脚部に路上走行用の車輪も収納されている。試作機のため、センサーユニットにはTYPE-X0の原型となるレーザースキャナーを搭載し、外部形状はARL-99B(ヘルダイバー)の物が流用されているが、カメラは双眼式。センサーユニット基部が乗員用ハッチになっている。TV版では将来的に無人で稼動することを前提に人工知能を搭載した機体であったが、プログラムの不具合でコントロールを離れ暴走する。無人機であるにも関わらず、多数の97式や戦闘ヘリを次々撃破する圧倒的戦闘力で追撃を振り切って演習場外へ脱出するが、連戦で弾薬が尽きたところを見計らった第二小隊により、イングラム二機がかりでどうにか抑え込んだところに遊馬がコクピット内へ突入してシステムを停止させた。射撃戦のみならず、ジャンプから前足の一撃で97式を破壊する格闘戦も披露している。劇場版1ではホバー機動時の空気抵抗を見るため風洞実験を行っていた際に搭載していたOS「HOS(Hyper Operating System)」に意図的に仕掛けられていた暴走プログラムが発動してしまった。経緯は違うものの、TV版・劇場版1ともに暴走を起こす典型的な敵役の機体である。TV版と劇場版1では機体のカラーリングが違っている(TV版ではオリーブドラブ、劇場版1では赤)。漫画版にも同様の機体と思われるものが1カットのみ登場した。2003年10月に量産型1号機が完成。2005年度には陸上自衛隊正式配備予定。現段階ではあくまで試作機であるためハンニバルやヘルダイバーのようにペットネームはついていないが、形式番号のHAL-X10から「はる・えっくすてん」あるいはX10と呼ばれる事が多い。ソビエト連邦レニングラード軍事アカデミー設計、クロンシュタット戦車工廠製造の純軍事用レイバーである。(形式番号:L-99)ソビエト地上軍の次期軍用レイバー。背面に燃料タンクを配置するなど、一見してソビエト軍の装甲戦闘車両の意匠をオマージュした姿であり、事実、押井守も河森正治の評として「肢の生えたT-34」と揶揄している。四脚式のボディの上の旋回砲塔のほかに、機体最上部に銃身が伸縮するターレット式の40mm速射機関砲を装備している。火力で従来の主力レイバーを20%上回っており、事実上東側最強のレイバーと言われている。酒田港に揚陸される際、環境テログループ「海の家」の犬走によって1機奪取され、さらにもう1機が亡命を図ったKGB高級将校イワン・イワノビッチ・イワノフスキーの手によって起動、犬走搭乗機と激しい戦闘を繰り広げて酒田港を炎上させた果てに輸送艦も撃沈してしまう。その後、泉のイングラムと犬走搭乗機が連携して亡命将校搭乗機を海に落として破壊、犬走も直後に泉に拘束される。電装機器系が露出した際に真空管が見え、イングラムの電磁警棒の電撃を受けて回路が漏電・破損してしまうという本末転倒の事態に陥っている。(ただし、それでも稼動は可能であった)なお、「ドシュカ」はNATOのコードネームで、本国の制式名ではないが、ここではよく使われる「ドシュカ」を記事名とした。通称のようなものとしては他国軍事関係者からは「イワン」と呼ばれるなどもしている。SEE製造の純軍事用レイバーである。(形式番号:TYPE-7)SEEが開発した軍事用レイバー。NATO諸国や西ドイツ国防軍が国境警備用に導入している。曲面で構成された筋肉質を思わせる外観と、銃器を扱えるよう人の手を模しつつ中指から薬指まで一体構造に簡略化した変形三本指のマニュピレータが特徴。頭部装甲下のカメラユニットは球形で三方にレンズが付いた回転切替式。TV版ではNATO諸国が共同開発した機体、漫画版では西ドイツ製の西ドイツ軍用レイバーとして登場する。重武装・重装甲・大出力でイングラムを押さえ込むほどのパワーを持つ。装甲の気密性が高いので水中でも作動が可能だが、運動性能は低下する。機体としての優秀さゆえ数多くの派生種が存在する。デザインしたゆうきまさみによるとグリフォンが『鉄人28号』に登場したブラックオックスであるのに対し、こちらはそれ以前に鉄人と対決したバッカスがイメージされているとのこと。ブロッケン用の火器が作中で使用されることはなかったが、ドイツ軍で実際に使用されている火器を元にデザイン・設定が施されており、漫画版で後藤が読んでいる軍事専門誌に写真が掲載されている。劇場版以外のほぼ全ての媒体に登場しており、漫画版では企画7課の内海によってデータ回収を条件に過激派「地球防衛軍」に提供され、TV版でもファントムの後方支援に使われるなど、悪役としてのイメージが強い機体ではあるが、旧OVA版では国際レイバーショーに出展するため赤いデモカラーに塗装されたブロッケンがイングラムと共闘し、主役級の活躍を見せている。SEE製造の軍事用レイバーである。(形式番号:TYPE-N8)ブロッケンの改良発展型といえる軍事用レイバー。夜間戦闘能力が特化されており、ブロッケンに搭載され、効果が実証済みの高解度暗視カメラである「LLLTV2」をバージョンアップさせたものが搭載されている。ブロッケンでは200時間以上訓練された乗員でなければ機体の能力を100%発揮することは不可能だったため、乗員の不足に悩まされていた。が、HNCS(Hyper nerve control system)を採用することによってオートバランサーおよびモーターの能力を120%引き出し、熟練した乗員でなくともブロッケン並のパワーと機動性を発揮することが可能となった。従来の駆動系をすべて一新し、SCLM(超伝導リニアモーター)の出力も125%まで向上されている。腕部のマニピュレーターは作業機並みの高い耐久性と、人間並みの細かい動きを両立しており、対レイバー戦闘には十分すぎるほどの能力を有する。装甲にはブロッケンにも採用された強化スチール複合装甲に加え、胸部を中心にリアクティブアーマーを装着。これには外観では判断できないほど薄い材質が使用されており、従来のものに比べて吸収性が40%向上している。操作性および居住性の向上も計られ、コクピットのサイズはブロッケンの約1.2 倍となった。耐水性も良好で、専用火器も豊富である。NATOの要請により、2000年9月1日より初回30機の納品が予定されている。SEJ土浦研究所製造の実験戦闘用試作レイバーである。(形式番号:TYPE-J9)通称「黒いレイバー」。他のレイバーとは比べ物にならない運動性能・パワーを持つ、SEJの企画7課が現在技術的に考えうる最高の性能を実現すべく莫大な研究開発費を注ぎ込んで土浦研究所で秘密裏に開発・製造したレイバー。ゆうきまさみによると『鉄人28号』に登場したブラックオックスが元ネタだとのこと。元ネタを同じくする『機動武闘伝Gガンダム』のマスターガンダム同様、「漆黒の機体」「2本の角」というコンセプトが共通している。鉄人ではブラックオックス開発のためバッカスの戦闘データが使われているが、本作ではブロッケンがバッカス役を担っており、開発経緯も原典に即したものとなっている。機動性・パワーなどどれを取ってもイングラムを上回っており、劇中で何度も対峙し特車2課(主に第2小隊)をしばしば窮地に追い込んだ。劇中では使用することが無かったが、オートマチック式拳銃の装備も存在する。さらに背部にオプションであるフライトユニットおよびアクアユニットを装備することで(短距離ではあるが)飛行能力・水中潜行能力を持つことが出来る。また、飛行時に使用するブースターはフライトおよびアクアユニットとは別部品として本体に組み込まれており、新OVA版ではイングラムとの対戦で突撃時の加速用に使用している。緊急時にはイジェクションシートにより搭乗者の脱出も可能である。また、緊急時には腕を爆発ボルトで切り離す機能も搭載されている。当初から販売を目的として開発されていないため、コストパフォーマンスを度外視し、規格外に高価で高性能な部品を多く使用している。そのためこのような高性能な機体が出来上がった。「社が傾く」とまで言われた投資はグリフォンのみに着眼されがちだが、実際は企画から製造、運搬までの全ての捏造・隠蔽工作まで含めての事であり、機体自体の投資に限ったものではない。かつて城南工大古柳研究室が開発した、現行のレイバーシステムとは互換性の無い幻のフォーマットである「ASURA」(アシュラ)と呼ばれるOSを使用しているため、あたかも生物であるような動作が可能で、システム面でも既存のレイバーと一線を画す。が、生物としてのパイロットの癖もそのまま反映してしまい、野明にその癖を見抜かれるという不利点も内包する。必ずしも生物的な動きが機械としての性能向上へ直結しない例とも言える。また、作中ではほとんどが格闘戦だったため、FCSとの効率的連動をどの程度実現できているかは不明である。「ASURA」はOSと称されているが、その規模は比較的大掛かりなシステムとなっており、操縦席内部のスペースまで圧迫されている。警察に回収された機体の検分でも、搭乗員は女か子供(男の体格では厳しい)と推測されている。「ASURA」は、専用のコントロール・ヘルメットを介して操縦者の微量な脳波を感知、機体の動きにフィードバックするシステムを装備しているが、それには間脳電流や脳波コントロールなどのバイオメトリクスを利用しているようで、操縦者の側もこうしたインターフェースに対応するための高い資質が必要とされる。さらに操縦ミッション毎に副腎などへの影響を検査しなければならないなど、突出した性能を支えるがゆえに操縦者への能力依存と身体的負担も大きいなどの問題があり、省労力・低難度で「人間の能力を補う」ための汎用的側面は無いに等しい。また、現状では「ASURA」本来の運動性能を実現しようとするとハードウエアにかかる負荷も大きく、長時間行動すると、自身の行動によって機体を損傷してしまう事から、通常は「Bシステム」と呼ばれるいわばリミッターシステムを介入させた状態で起動しなければならない。総合的見地では局地的かつ短期決戦型とも言え、長丁場や汎用的な運用には向かない機体とも言える。予備を含めた複数体分のパーツが完成している模様で、イングラムと交戦し結果的に東京湾に沈んだ最初の機体から「ASURA」(および蓄積された交戦データ)を回収するための捜索に「グリフォン2」なる同型機が使用されている。この機体の初陣では「ASURA」が搭載されず、操縦席のコンソール類も仮の物がとりつけられてノーマルモードと称され、黒崎が搭乗した。グリフォン専属の技術スタッフ“伊豆内”と“河野森”(漫画版では“磯口”と“森川”)の2名は、それぞれメカデザイナーの出渕裕と河森正治がモデルになっている。SEJ製。(形式番号:TYPE-R13X)TYPE-J9(グリフォン)以前に、同じく企画7課によって作られたレイバー。遠隔操作によって操作される無人機で、電子戦の情報収集のために開発・運用された。レイバーとして初めてレーザー兵器を搭載しているほか、ドクロを思わせる頭部には広範囲に対するジャミング発生装置、胸部に目くらまし用の閃光発生機、本来のコクピットの位置には、付近のレイバーを操縦不能に陥れるほどの強力な大型ECM装置が搭載されている。東京テレポートを制圧し、第二小隊を相手にデータ収集に当たったのち、自爆を偽装して逃走。のち伊豆大島にて再度の実験が試みられたが、イングラム3号機の援護により致命的ダメージを受け破壊された。イングラムのリボルバーカノンを受け付けない強度の装甲を持ち、パワーも大きいが、全体的に重装備のため動きが鈍く近接戦闘には不向きで、作戦行動時にはブロッケンやサターンによる支援を要した。実験を主導した黒崎はファントムの敗北を受け、レイバー戦における格闘戦能力の重要性を再認識し、その経験はグリフォンの開発にもフィードバックされた。SEUSA製。(形式番号:TYPE-M5)アメリカ陸軍や海兵隊に正式採用された軍用レイバーだが、民間へも販売しておりTV版ではSSSも使用していた。膝や足首の関節が判然としない柱状の脚が特徴。正座のような降着姿勢をとることが可能。様々なヴァリエーションが開発されており強力な機体ではあるが、グリフォンとの対決であっさり撃破されてしまう。漫画版では民間の警備会社(鉄甲デキュリティ)が運用する機体も登場したが、こちらも企画7課が陽動のために仕立てた改造テロレイバーに腕を引きちぎられてあっさり撃破されてしまっている。劇場版3でカットされてしまったシーンの絵コンテに登場している。シャフト製のレイバーということで、廃棄物13号を誘い込むための「餌」として登場し、13号に足を引きちぎられるという役割になる予定だった。(形式番号:TRT-66)劇場版2に3機が登場。市街地での掃討戦を想定して開発された。通常は有線コントロールで、コントロールワイヤーが切断された場合には識別信号に反応しないものを無条件で、それぞれ攻撃するよう設計されている。今日既に実用化されオートマトンと呼ばれている無人攻撃兵器の一種であるが、長帽状の捜索レーダー、20ミリ多銃身機関砲、射程距離内の無差別掃討機能といった特徴は、米海軍の艦載近接防御火器「MK-15ファランクス」に酷似する。厳密には無人の移動砲台、あるいは「歩行式バルカンファランクス」といった趣である。劇中ではプログラムにより半自立的に行動するものを基本的に「レイバー」とは呼ばず、このイクストルも映像やノベライズ中ではあくまで「ロボット」とされている。全周回転式の頭部には3連20mm機関砲(正しくは3銃身20mm機関砲)にシンクロしたメインのレーザーセンサーの他に頭頂部に360度回転可能な収納式のサブセンサーや、腹部にはメインのレーザーセンサーが12.7mm機銃にシンクロしている場合に20mm機関砲にシンクロするサブセンサーも装備されている。機体下部には対人攻撃にも使用可能な化学戦用サンプル採集アーム、膝上部分には姿勢制御用の火薬打出し式ダンパーといった他の多脚レイバーに見られない特異な機構も装備されている。小隊支援用の重火器システムとして期待されていたが、大きさの割に火力が貧弱で射界にも制限が多く、有線誘導方式特有の運用性の悪さもあって採用は見送られた。その個性的な姿から、劇中で太田に「この火星野郎」と罵られ、宮崎駿には「給水タンクみたいなロボット」と呼ばれたほどだが、押井守は駄作機という演出の意図通りの非合理的なデザインであったため、シリーズ中で唯一好きだったと語っている。「イクストルレイバー」としてバンダイからプラキットが発売されたが、これは本機をレイバーと呼ぶなら非人型レイバーとして唯一である。アメリカ陸軍とSEJの共同開発。PS用ゲーム「機動警察パトレイバー 〜ゲームエディション〜」に登場。(形式番号:GNX-002)米国お膝元でM-5エイブラハムの採用実績も持つSEUSAを差し置いて、SEJとアメリカ陸軍が都市制圧・戦域管理を目的に共同開発した軍事用レイバーで、HAL-X10にも似た重々しい四脚型の機体。基本的に無人運用を前提としている点もHAL-X10と類似で、そのために高度な電子装備と通信機器を搭載している。他に機体側面両側に伸縮式のマニピュレーター、機体右側にオフセットされた20mm機関砲、上部に回転可能な7.62mm機銃を装備しているほか、荷電粒子砲も搭載できる。SEUSA製。漫画版に登場。SEUSAが開発した戦闘用レイバー。八脚歩行の大型機で、クモを連想させるような外見が特徴。また、脚部に装備されている車輪による走行も可能。上部に旋回砲塔を装備し、複数のオプションを持つ。小笠原の自衛隊演習地でサムソンを相手に行われた導入試験の際に、わずか2機のEX-13が6機中5機のサムソンを撃破する(不破機のみグリフォンに撃破される)成績を出したが、この導入試験の最中、乱入したグリフォンに破壊された。結局、採用に到ったかは不明である。スーパーファミコン版ゲームに登場。(形式番号:CLD-1)篠原重工に吸収合併された沢弥工業の社長令嬢である沢弥すみかを中心とする秘密結社である「グスタフ・プロジェクト」が開発した戦闘用レイバー。「グスタフ」という名称は沢弥工業が開発した同名のフォーマットに由来するもので、技術の大半はイングラムに注ぎ込まれたらしい。(劇中で沢弥すみかはイングラムとグスタフは義兄弟のようなものと語っている。)2001年8月27日、レインボーブリッジにて一号機泉のイングラムと交戦、敗北後に自ら海に飛び込み水没し、操縦者の沢弥すみかは生死不明となった。開発者の一人である三鷹によると脱出装置が不完全であるとのこと。ちなみに、二号機の太田と戦った場合には、三鷹らの乗る車に乗り逃亡に成功しているが、その後の消息は不明。篠原重工製。(形式番号:AV-98T)イングラムの試作機を流用して作られた教習用の機体。運動性能はイングラムを少し上回るものの、装甲やセンサー系は簡略化されている。コックピットはオープントップな割に不釣合いなほど大型のカメラが頭部にむき出しになっている。レイバー隊員育成のため奥多摩の警察学校などに配備されている。PS版ゲームにも登場。漫画版においては市販されているレイバーの中で(警察の使用する)イングラムに近い車種として刑事ドラマの撮影でパトレイバー役として使用されたこともある。イングラム譲りの五本指を備えた腕部は銃器のようなもの(ペイント弾)なども扱えるほど器用だが、土木作業には向かないようで、単純な二本爪の腕部に取り替えた機体も登場した。新OVA第15話では地球防衛組織CLATの宇宙ステーションSV-2に配備されたスペースドーファンが登場。宇宙用のバーニアとシールド、銃を装備する(ただしこれは遊馬の夢の中に登場したメカだった)。篠原重工製。(形式番号:MPL97AV-T)旧OVA版に登場。こちらもAV-98T(ドーファン)同様、イングラム(プロトタイプ)を転用した機体で訓練校に配備されている。プロトタイプ・イングラムの項で紹介している機体と基本的におなじもの。篠原重工製。(形式番号:不明)劇場版2に登場。ヴァリアントの練習機。機体性能は不明。八王子の教習所で使用されている。コクピットはオープントップで、背部から搭乗する。菱井インダストリー製。(形式番号:CRL-98)両肩に消火液を噴射する装置があり、それにより消火作業を行う。マニピュレーターが鉤爪状になっているため、登坂能力も持つ。また、この機種に限らず消防用レイバー全般に言えることだが、火災現場での運用が前提となるため、独自の冷却系統が装備されている。篠原重工製。(形式番号:TFV-97)消防庁に初めて採用された消防用レイバー。既存車両では不可能だった不整地での消火が可能になった。篠原重工製。(形式番号:ARV-99)人命救助に特化したレイバー。人を傷付けない繊細なマニピュレーターによって救助活動を行うなど、イングラムの技術がフィードバックされている。SEE製。(形式番号:TYPE-6Q/2C)TYPE-5Q/2C(グラウベア)と同時期に開発された民生機である。頭部が無い曲面主体のフォルムが特徴で、ジオン軍の水陸両用モビルスーツを思わせる。マニュピレータも爪状で、火器を使用する場合は胴体右上に装着する。軽快な運動性がウリで生産ラインの準備まで進められたものの、営業側から社内競合は望ましくないとの意見があり一般の販売は中止された。一本だけ残された生産ラインを使いシャフト系列の企業専用機として数十機が生産、配備されている。漫画版では主にSSSが使用。「機動戦士ガンダム」の黒い三連星の得意技「ジェットストリームアタック」を真似て使用するが、グリフォンの敵ではなかった。アニメ版ではSSS所属機の役はエイブラハムに奪われたが、黒埼がHSS所属機としてサターンとともに大島における自衛隊体験入隊に持参。レイバー用アサルトライフル相当の大型砲を装備した武装形態を披露している。演習にて陸自97式に高所から飛びかかって組打ちに持ち込む運動性を披露したが、対戦中にファントムが乱入。偽装工作のため陸自機もろともに破壊された姿で新聞記事に載ることとなった。SEJ製(販売はトヨハタオート、OEM製品)。(形式番号:SR-70)第1小隊での採用が見送りになったSRX-70の一般向け改修機。最大手警備会社HSSに20機が納入された。外装が若干変更され、特にSRX-70では胴鎧のようにフラットだった背面が、セダンのトランクのようにせり出した形状になっているのが特徴。また、トヨハタのOEMの体裁は通しているものの、背中にははっきりとSCHAFTの社名が入っている。カラーリングもHSSの車両と揃いのダークブルーと黒に変更され、警備員風かつ悪役然となった。試作機の重武装ぶりは健在で、民間警備用としては必要無いほどの装備を持つが、さすがに42mmオートカノンはオプションで、通常は装備していない。劇中では主に企画7課の工作で使用された。大島ではファントムと対決した2号機の頭部をオートカノンで吹き飛ばし、さらに火口脇でファントムと対峙する1号機を狙撃しようとするが、割って入った遊馬の乗る3号機にあっさり戦闘不能にされた。内海が来日した際の、イングラムの性能の下見のために仕込んだ対決では2号機を相手に善戦している。新OVAでは犯罪者が使用したグレー系の塗色の機体が登場。2号機をカウンターパンチでダウンを奪い、自機の身長よりも高所から飛び降りて見せ、ナイフ投げの芸当を披露する等、イングラムといえども油断ならない敵として描写されている。SEE製。(形式番号:BEL-1999)施設内警備を主要目的とするため、球形車輪で高速移動可能な4脚の機体を持ち、垂直の壁をも自在に昇降できる機能も有する無人小型レイバー。その運用方法も一般的なレイバーとは大きく異なり、大型施設のセキュリティシステムと一体化した警備用端末ガードロボットといった方が正しい。多数が施設内を巡回・警備し、不審者を見つけると合成音声による警告の後、底部の電撃端子より電撃を放つ。劇場版1では方舟において、漫画版では水中用レイバーのメンテナンスベースにおいて多数が登場しているが、いつも壊されている。当初は人間の身長よりも少し大きいサイズのものとして、設定画稿でもそのように描かれているが、本編では全高1mにも満たないものとして登場している。PC-9801版ゲームソフト『PATLABOR OPERATION TOKYO BAY』に登場。SEA製。(形式番号:TYPE-A10)SEAが開発した最新鋭警備用レイバー。グリフォンを髣髴とさせる形状と、大小四本ある腕が特徴。OSに幻のフォーマットと称される「ASURA」を採用することで、機動性・戦闘能力ともに大幅に高まっており、そのスペックは従来のあらゆるレイバーを凌駕している。装備はスタンスティックのみであるが、レイバーを一撃で機能停止に追い込む強力な武器である。ただ、あくまでも警備用レイバーとして民間での使用を想定しているため、装甲が薄いという弱点を持つが、この点も優れた機動性を活かして被弾率を下げることでカバーしている。開発経緯は明確でないが、外形と超高性能、「ASURA」の採用、開発元のSEAには企画7課の残党が逃走していること等、多くの情報がグリフォンとの関連を示唆している。菱井インダストリー製。(形式番号:HL-96)どの作品媒体においても、標準的なレイバーとして登場している重量級土木作業用レイバー。ブルドーザーがそのまま2脚歩行し作業用の腕を持っているような、おおよそ人間型ロボットとは言いがたいスタイル。パワーはあるが動作は鈍い。欠陥機であったアスカ95の翌年にリリースされて記録的なセールスを達成。篠原に遅れてレイバー業界に参入した菱井の地位を確固たるものとした。レイバーの駆動メカニズムは、イングラムでは超伝導モータとされているが、本機は損壊時に大量のオイルを噴き出す描写があり油圧駆動ではないかと思われる節がある。菱井インダストリー製。(形式番号:HL-97)資料によってはブルドッグH09とも表記。タイラントなどと同様に劇中よく目にするレイバー。同社製の陸自97式にも似た、航空機技術を応用した涙適型クリアキャノピーのコクピットが特徴。篠原の大将に対抗し発売された。豊富なオプションギアが用意されているのが売りで、マニピュレーターだけでも通常タイプ、精密作業タイプ、リフティング用の蟹爪タイプなど複数のバリエーションが登場しており、工事作業現場の他、空港内での荷物運搬用などにも使用されていた。足辺りまでなら浸水しないので、ノンオプションでも浅深度の水中での作業が可能である(劇場版1の冒頭で膝下辺りまで海中に浸け作業しているシーンがある)。さらに水密ハッチとエアタンクを装備すれば5mから10mの深度まで潜り作業する事も可能。香貫花が巻き込まれたハイジャック事件では、野明が取扱説明書片手のぶっつけ本番で搭乗して犯人を捕縛している。イングラムとでは操作系にそれなりの違いがあるようで、野明は「力加減が難しい」と弱音を吐いていた。菱井インダストリー製。(形式番号:HL-98)資料によってはヘラクレスH21とも表記。重量級建設作業用レイバー。タイラントやブルドッグよりは人間型に近く、腕も器用になっている。また、コクピットも完全密閉式となっている。HL-97(ブルドッグ)の後継機である。頭頂にはテレスコピック式ペリスコープ・シュノーケル機構が組み込まれており、水中作業も専用のレイバーとほぼ同等の性能を発揮する。キャッチフレーズは「燃える男の汎用レイバー」。漫画版の前半では設定が固まっていなかったのか、頭部の突起物が無くややフラットな印象に描かれる。菱井インダストリー製。(形式番号:HL-99)ハイエンド機種。TV版前半では国内に2機しか稼動していないとされる新鋭機。金魚鉢のようなカバーが付いた三眼式の高性能センサーと、常用のマニピュレーターに内蔵された精密作業用のマニピュレーターを持つ。緻密な作業に特化したレイバーである。篠原重工製。(形式番号:ASKA SSL95)一般作業用レイバー。篠原重工に吸収合併された株式会社飛鳥重機(現・所沢工場)が開発した。蛙を思わせる頭部と細長い腕が特徴。オートバランサーに欠陥があり、翌年にマイナーチェンジ版であるアスカ96がリリースされたものの、菱井のタイラントにシェアを奪われることとなる。アスカ96は装甲等を強化した96MPLとして、OVA版では序盤に退役したもののパトレイバーとして採用されている。記憶喪失に陥った大田が、96MPLの搭乗経験の賜物か、遭遇したレイバー事故でとっさに乗り込んだ本機を苦も無く操縦して救助に臨んでいる。篠原重工製。(形式番号:TFV-97)整地作業用レイバー。腕共用の4脚構造。輸出用にTFV-97EX(クラブマン・ハイレッグ)という脚を大型化した派生機が存在する。足先には路上走行用の車輪を内蔵しており、かなりの高速を発揮でき、漫画版では公道の自走も認められている。また、放水銃を備えた消防用のクラブマンも存在する。1脚失っても残った3脚で自立し、尚且つ歩行できることから後藤は「篠原のオートバランサーは一級品」と称賛した。篠原重工製。(形式番号:TFV-97EX)整地作業用レイバー。クラブマンの輸出用上位機種。全高抑制のため平常時は膝関節を曲げた状態となっているのが特徴。防水性、安定性が向上しており、本格的な水中作業が可能となった。漫画版では中東で軍用機として採用されているとある。遊馬曰く「タカアシガニ」。篠原重工製。(形式番号:KV-98)山岳作業用レイバー。不整地での作業を目的としているため、クレーンのブームのような細い3脚構造となっている。このKV-98は98年に登場したモデルチェンジ版であり、かつて「レイバー90」に関わった製作者が手がけた初代モデルKV-93に続く二代目のぴっけるくんである。新開発のオートバランサー機構を採用し、あらゆる地形において抜群の安定性を誇る。加えて装輪タイプでもあるため、一般道路などを高速走行する事も可能である。本来は登山用に装備されたロケット打ち出し式ハーケンは凶器としても有効であったため、劇中ではテロリストが乗っている事が多く、「悪役メカ」の印象が強い。漫画版では本物のロケット弾発射装置と付け替えた物も登場した。ゲームボーイソフト『狙われた街1999』には「ぴっけるプロト」なる違法改造バージョンも登場した。篠原重工製。(形式番号:AVS99)機体頂部のカエルの眼を思わせるヘッドランプが特徴。イングラムの技術をフィードバックさせた機体だが
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。