朝鮮の声放送(チョソンのこえほうそう、)とは、朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の首都平壌から放送されている国外向けラジオ放送(国際放送)。現在の名称になる以前は朝鮮中央放送(ちょうせんちゅうおうほうそう・チョソンちゅうおうほうそう)または平壌放送(ピョンヤンほうそう、へいじょうほうそう)とも呼ばれていた。1997年8月から2001年2月まで「平壌放送」()の名称を、朝鮮語以外の言語での外国向け放送で使用していたが、2001年2月より朝鮮語での外国向け放送は「平壌放送」の名称に変更された。現在は、朝鮮語以外の言語での放送を「朝鮮の声放送」()と称している。朝鮮中央放送委員会が実施。現在は、日本語・標準中国語・英語・フランス語・ドイツ語・ロシア語・スペイン語・アラビア語の8ヵ国語で放送が行われている。放送開始時には必ず「金日成将軍の歌」を電子オルガンでアレンジしたインターバル・シグナル(IS)と国歌である愛国歌が演奏される。国歌の演奏は放送終了後にも行われていたが、現在は放送開始時のみ。また平壌放送と呼称していた頃は国歌演奏を止めていたこともある。また愛国歌の演奏に続いて「金日成将軍の歌」と「金正日将軍の歌」の合唱を放送する。1990年代前半頃から、朝鮮の固有名詞(人名・地名など)をアナウンスする際は、全て朝鮮語読みに統一している。このため局名・国名の「朝鮮」も「ちょうせん」ではなく「チョソン」と発音されている。但し、1970年代後半には、「平壌」(ピョンヤン)を「へいじょう」と読んでいた。これは固有名詞が、朝鮮語交じりでは分かりにくい、とのリスナーの声に応えたものであった。韓国大統領府の青瓦台については、2016年現在も「せいがだい」と日本語読みしており、朝鮮語読みの「チョンワデ」は全く用いられない。また韓国とでハングルの発音が異なる部分については、北朝鮮側の読みとなる(例えば朴槿恵は「パク・クンヘ」)。現在の番組内容は、インターバル・シグナル後「朝鮮の声放送です」が男・女2回繰り返した後で、愛国歌が曲のみが放送(いわゆる「カラオケ」)され、「リスナーの皆さん、只今から朝鮮民主主義人民共和国(チョソンみんしゅしゅぎじんみんきょうわこく)の首都平壌(しゅとピョンヤン)からお送りする日本語放送を始めます。」と男性アナウンサーが述べた後に、「不滅の革命讃歌」と形容詞が付いた『金日成将軍の歌』と『金正日将軍の歌』の合唱が放送される。ニュース、労働新聞論評ダイジェストが放送される。その後は牡丹峰楽団による音楽、国内の経済活動等を紹介する番組やリスナーからの「おたよりの時間」、北朝鮮国内の名所案内や放送で使用される用語を解説する「ラジオマガジン」などがある。かつては、一日2サイクルの編成で、ニュースや各番組は別々に構成されていたが、現在は一部番組が異なる場合でも、ニュースは共通化されており、また2011年11月以降は、番組数自体が削減されて音楽中心の内容構成となっている。朝鮮の声放送の住所は放送中に読み上げられており、日本からも日本語で手紙を送ることができる。「おたよりの時間」では、日本のリスナーが送った投書がよく読み上げられる。コリアウォッチャー辺真一の手紙も「へんしんいちさんから」として読み上げられたことがある。現在は不明であるが、過去には様々な記念品が送られてきたという。また、受信報告書を送ればベリカード(受信確認証)を発行してもらうこともできる(宛先等は後述)。平壌放送愛聴会(現在活動休止中)などの聴取者団体が存在して、局との交流を行っていた。近年ではアジア放送研究会の山下透の地道な調査により、不明な点も明らかになりつつある。1日9時間もの日本語放送は他に例がなく、聴取者は日本人よりも在日朝鮮人を意識した放送だとも言われている。しかし、普段あまり窺い知る事が出来ない、朝鮮民主主義人民共和国の内情を知る上で、唯一の日本語情報源でもある。かつては深夜24時に放送が終了すると中波(AMラジオ)の周波数により、「工作員向け」で日本人拉致事件にも使われたと見られる乱数放送(暗号放送、通称:A3放送が行われていたが、2000年(平成12年)に終了した。日本に向けて放送されているのにも関わらず、番組内では、2015年8月15日より対日本時間比で30分遅れとなった所謂「平壌時間」()を基準としたアナウンスがなされており、日本標準時への言い換え等は一切無い為、注意が必要である。※放送時の周波数案内では紹介されていないが、短波3250kHzでも放送されている。(注)最近の放送では、第1次プログラムではほぼ次の第2次プログラムの放送開始間際(55 - 58分ぐらい)まで放送をしているのに対し、第2次プログラムでは表記終了時間よりも10 - 15分程度早く(45 - 50分ぐらいの段階で)放送を終了している。そのため、第2次プログラム放送終了後から次の第1プログラムの放送開始までの間の休憩(無音)の時間がやや長い。なお、毎日9:00と22:00の放送終了時には第2次プログラム放送終了時のアナウンスが流れ終わってから約30秒後に停波される。万国郵便連合の万国郵便連合憲章による取り決めにより、下記の英語・フランス語・朝鮮語の宛先いずれも届く。「」「」は、北朝鮮の国名(朝鮮民主主義人民共和国)の部分である。受信報告書に対しては良心的な対応である。報告書を送る際、原則として国際返信切手券および返信用封筒の同封は必要ない。場合によっては、日本国内の税関にて開封検査が行われるケースが有る(北朝鮮による日本人拉致問題以降の日本国政府による対北経済制裁のため、北朝鮮からの国際郵便物は、日本の税関によって没収され、返信の郵便物が届かないこともある)が、通常1〜2ヶ月間内に返信が届く。なお、ベリカード受領後も定期的に労働新聞・朝鮮新報・朝鮮日報等の新聞や朝鮮郵票社の切手パンフレット、カード型のカレンダー、朝鮮労働党の歴史について書かれた小冊子『金正日』、年末から新年にかけては、新年の挨拶の手紙と大判の壁掛けカレンダーが送られてくることがある。BCLブームの最盛期も至れり尽くせりで、受信報告書(ただし、当時の金日成を賛美する内容)を送ると、ベリカード(受信確認証)の他に、金日成・金正日の日本語版著書やカレンダーが送られてきた。また、同放送で流される朝鮮歌謡を賛美するとレコードなども送られてきた。当時、日本でもレコード全盛の時代であったが、朝鮮の声放送から送られてくるレコードは、日本のレコードの厚みの2倍程度あり、またレコードケースも薄い紙袋であった。同放送局は、その放送の特性上、受信報告書が「朝鮮民主主義人民共和国 平壌市」だけで届いていたが、平壌放送愛聴会などの聴取者団体が交流を持つに連れ次第に情報が判明し、現在では同放送局の正確な所在地および電話番号も判明し、聴取者とアナウンサーの個人的な交流も行われている。
出典:wikipedia
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