四国中央市(しこくちゅうおうし)は、愛媛県の東端に位置する市。四国の他の3県(香川県、高知県、徳島県)に接している。高速道路が交差する交通の要衝であり、60km 南に高知市、70km 北東に高松市、80km 西に松山市、100km 東に徳島市が位置する。高速道路網の整備により、川之江ジャンクションと川之江東ジャンクションを持ち、四国の「エックスハイウェイ」が交差する中心地となっている。市の南部に東西に連なる法皇山脈の山々が屏風のようにそそり立っている。平地は山地の北側に細長く展開し、北は燧灘に面している。中央構造線が山すそに沿って、東西に走っている。法皇山脈の南側に吉野川の支流の一つである銅山川が東流し、そのさらに南には高知県との境をなす四国山地の山々が連なっている。全般には温暖で穏やかな瀬戸内型気候に属する。北に海(燧灘)、南に山(法皇山脈)という地形から、日本海側気候の特徴も若干持つ。松山、高松など、瀬戸内の他の都市に比べて、日照時間が2割程度少ない。これは平野部が狭く、燧灘を吹き渡って来た風が法皇山脈にぶつかり上昇して雲を発生させやすいためである。移動性高気圧型のときに顕著で、午前中はほとんど曇っており、気温が上がる昼前になってようやく雲が消え晴れてくる。同じ燧灘に面している新居浜や西条は平野部が広いため日照時間が長い。平野部は気温が下がりにくい。冬の最低気温は松山や宇和島より高く、冬日は1年に1〜2回程度である。これに対し山間部の新宮町や富郷町は冷え込みが厳しい。また、山間部には湿った空気が集まりやすく、降水量が平野部の1.5倍に達している。春先を中心に、やまじ風という南寄りの突風(日本三大局地風の一つ)が吹き、農作物や家屋が被害を受けることがしばしばある。市域で発見された遺跡から、この地方に人が住みはじめたのは1万2000年以上前と考えられる。最初に人が住んだのは金生川流域の丘陵地帯で、その後縄文時代から弥生時代にかけて海岸の平野部に生活の範囲が広がっていった。古墳時代中期には木梨軽皇子の墓といわれている東宮山古墳が作られている。古墳時代後期の6世紀になると丘陵地帯に古墳が作られるようになった。7世紀前半には四国最大級の石室を持つ宇摩向山古墳が作られた。急峻な山地と狭く長い平野のため、大きな権力を持つ社会の形成は遅かったようである。大化の改新後、この地域は宇摩郡と呼ばれるようになり、古代官道など交通網の整備によって南海道に伊予国大岡駅が設けられ、中央から伊予・土佐への交通の分岐点となった。この宇摩郡と四国中央市の市域はほぼ一致する。1636年から1642年の7年間川之江藩が存在した。藩主一柳直家が病没し、養子一柳直次への相継が幕府に認められず播磨国へ転封となった。その後宇摩郡の村々は徳川幕府、今治藩、西条藩の領地が複雑に入り組む状態となった。幕府領の陣屋を川之江に置き、周辺にあった新居郡、讃岐国那珂郡や小豆島の天領を支配していた。明治維新後、交通手段が徒歩から船や鉄道に変わると、川之江の交通の要衝としての重要性は相対的に低下した。篠原朔太郎の研究により機械動力を利用した製紙業が行われるようになる。第2次世界大戦後は近代的製紙業の発達とともに急速に発展した。1878年 川之江村に宇摩郡役所が置かれた。1889年 町村制の施行により、郡内の51村が合併し23村になった。川之江・二名・金生・上分・金田・川滝・新立・上山・松柏・三島・中曽根・ 中之庄・寒川・豊岡・金砂・富郷・野田・津根・小富士・土居・満崎・関川・ 別子山(1898年から1952年にかけて、三島・川之江・上分・金生・寒川は町制を施行)1954年 宇摩郡の各町村が合併し、川之江市、伊予三島市、宇摩郡土居町、新宮村、別子山村が誕生した。2003年 別子山村が隣接する新居浜市と合併。2004年(平成16年)4月1日、川之江市・伊予三島市・土居町・新宮村が合併して生まれた。将来、道州制が導入される場合の道庁所在地ないし州都になる事を目指して命名。戦国時代には、四国でも産業が発展し各国の交流が増加した。それに伴い、交通の要衝として戦略的に重視されるようになり、たびたび讃岐・阿波・土佐から侵略をうける。3つの国境に接する市域の東部では特に防衛のための砦が多く築かれ、現在もいくつかの遺跡が残されている。金生川の河口は川の江と呼ばれ、河口付近の浅瀬を港として利用されるようになった。江戸時代に入ると土佐街道の始点として商業が発達し、港町として発展した。土佐藩が参勤交代の経路として四国山地を越える土佐街道を利用し、宿場町として栄えた。1985年(昭和60年)3月に、四国で初めての高速道路、土居インターチェンジ〜三島川之江インターチェンジが開通した。2000年(平成12年)3月に、川之江東ジャンクションの供用開始により、川之江ジャンクションと併せて四国の「エックスハイウェイ」が完成する。因みに、市内中曽根町の三島公園に四国高速道路発祥地の碑、また、柴生町の四国高速道路クロス地点展望台に四国高速道路クロス地点モニュメントがある。製紙、紙加工業において日本屈指の生産量であり、紙製品の出荷額は6年連続日本一。その他を含めた工業製造品出荷額は約6,000億円余りと、高知県全体の工業製造品出荷額5,400億円を凌いでおり、四国では西条市に次ぎ第2位、全国では第101位となっている。大王製紙やユニ・チャームの上場企業をはじめ、複数の企業が本社や本部を置いている。また中堅の製紙メーカーも複数所在している。しかし以前は、大王製紙をはじめとする製紙工場による公害が顕著であった。大型商業施設にはイオンやフジグランなどがある。また、地元スーパーチェーン店のママイをはじめ、食品スーパー、ドラッグストア、ホームセンター、家電量販店、書店など県内外の企業が市内各地に多数出店している。また、川之江栄町商店街、ラスタ栄町、伊予三島駅前通り、新町商店街、西参道、土居町商店街などの商店街もある。近年、四国縦貫自動車道と四国横断自動車道が交わるジャンクションが当市に完成したことで、三島川之江インターチェンジ周辺の立地条件が見直され、付近への商業集積が著しくなってきている。また、国道11号バイパスの延伸や、その周辺の道路整備が行われたため沿線へのロードサイド店舗の進出も顕著である。なお当市の小売業商品販売額は、2,600億円余りで四国第8位となっている。佐川急便に関しては、「新居浜市の名を持つ営業所が四国中央市にあり、四国中央市の名を持つ営業所が観音寺市にある。」と言う妙な事態が発生している。同社の四国中央営業所(旧・川之江店)は「四国中央」と付いているが、市内にはなく、隣接する香川県観音寺市(旧豊浜町の箕浦工業団地)の県境近くにある。そのため川之江店を管轄していた地域法人は愛媛佐川急便ではなく、香川県を受け持っていた四国佐川急便だった。そしてその一方、旧・土居町に新居浜営業所が存在している。四国中央市は四国のほぼ中央に位置していることから、自家用車を利用した場合は各県庁所在地へ大きな時間差無く到着できる。全ての県庁所在地への所要時間は一般国道で2時間台、高速道路利用では1時間台で、いずれの交通機関を利用した場合も最も近い県庁所在地は高松市である。四国4県都へ放射線状に高速道路が延伸している四国中央市では、ほとんどの高速バスが市内を通過するため、三島川之江インターチェンジには1日80便以上(2016年現在)の高速バスが発着する。四国中央市はその名前の奇抜さ故に、市内だけでなく、全国的に批判の対象となる事が多い。市名が批判される理由として以下のような理由が挙げられる。地元の郡名である「宇摩」を採用せず、四国から消滅させた理由について、旧伊予三島市長の篠永善雄は読売新聞東京本社文化部の取材に対して以下の趣旨の発言を残している。また公募で寄せられた数は「宇摩市」が1位で、「四国中央市」は5位であったにもかかわらず、篠永善雄前市長は「論議を呼んでいるが、反対意見は一部だと思う。 名称変更は考えていない。賛成する市民も多く、自然体で年月の経過を待ちたい」と話している。香川県や徳島県と愛媛県を往来する車両のほとんどが四国中央市の狭い平野部を通過する為、慢性的な交通渋滞が問題となっている。近年、海岸線や国道11号川之江三島バイパスが整備され、旧三島地区で渋滞がやや緩和されたが、バイパスと国道11号の分岐点となった中之庄町交差点で大渋滞が発生するなど、新たな問題点が発生した。また、バイパスの終点付近にある具定橋西側に市道が接続されたため、それが渋滞に拍車をかけている。また、三島川之江港に建設中の金子多目的国際ターミナルが完成すると、現在慢性的に渋滞している国道11号港交番前交差点に多目的国際ターミナル線が接続され、大渋滞となることが想定されることから、平成24年度の供用を目指し港交番前交差点周辺で拡幅改良の為の用地買収を行っているところである。大雪になった場合、大豊~新宮の高速道路区間は大抵の場合通行止めになり新宮付近のも積雪30センチメートルほど積り徳島・高知方面はよく雪崩が起こりこちらも通行止めとなる。何らかの理由で車で徳島・高知県へ短時間で行きたい場合香川県経由となりかなりの迂回を強いられる。日本有数の紙の町として発展してきた一方で、製紙工場から垂れ流される汚水によって、燧灘の海底にヘドロが堆積したり、奇形魚が獲れたりするなど、昔から大気汚染や悪臭などの公害に悩まされ続けてきた。公害の酷さに近隣の漁協などから苦情が多発した為、企業側も浄水設備や超高層集合煙突を設けるなど本格的な環境対策に乗り出してから、現在では河川に魚の姿が多数見られるようになり、以前ほどの強烈な悪臭もしなくなってきた。
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。