ラムダ・ドライバは、賀東招二の小説『フルメタル・パニック!』に登場する架空の兵器である。虚弦斥力場生成システム(きょげんせきりょくばせいせいシステム)とも言われ、使用する者の精神を物理世界に介入させるブラックテクノロジーである。ラムダ・ドライバによる斥力場は見えないとされているが、アニメでは視聴者に解かるように視覚化されている。作中では「斥力Λ発生装置」とも表現された。本作終盤において、虚弦斥力場生成システムという名称は偽装にすぎず、本来の名称は「オムニ・スフィア高速連鎖干渉炉」という事が明かされた。一種の精神世界であるオムニ・スフィアは物理世界と相互に干渉しあっており、人間は生身の状態でもオムニ・スフィアを通して分子が揺らぐ程度の干渉を物質に与えている。この干渉反応は脳と全身の神経系によって生じており、これを連鎖的に増幅させることによってより強力な干渉反応を生じさせる装置が、ラムダ・ドライバの本来の姿である。これを実現するためには使用者の精神パターンをトレースした疑似頭脳および神経系を必要とし、そこに大電力を投入することによってのみ、通常の自然界ではあり得ない干渉反応を引き起こすことが可能となる。従って、使用者の神経系を模すことができない構造のモノにラムダ・ドライバを搭載したとしても、干渉反応を引き起こすことは不可能である。裏を返せば、人型であり極限の集中力が発揮される戦場で生き残ることのできる機械、つまりASにしかラムダ・ドライバを搭載できないということでもある。TAROS("T"ransfer "A"nd "R"esponse ”"O"mni-"S"phere")は、オムニ・スフィア転移反応とも言い、全身の構造材の内部に微細な結晶状の電子素子を埋め込み3次元的に連結する事で、オペレータの脳内の電気パターンを読み取ってAIユニットに転写するシステムである。これにより、前述の「使用者の精神パターンをトレースした疑似頭脳および神経系」を実現し、超AIシステムと組み合わせる事でアーバレストのAI アルのように「人間のような感情を持つAI」すら生み出した。TAROSによって超AIがオペレータの精神データを読み取り、オムニ・スフィアへの干渉を行い、それを「ラムダ・ドライバ」のメインユニットである「小型の冷蔵庫大の、虹色の光の束が納まったシリンダー」へ大電力を与える事で高速連鎖反応を発生させて物理世界へ干渉させている。メインユニットと切り離した状態でも機体制御等に応用することは可能であり、操縦者のイメージ次第では「人体に存在しない器官」を動かすことも可能である。主に防壁として機体周囲に展開され、クルツのM9が放った砲弾を跳ね返したり、戦車の砲弾(APFSDS)を無力化した他、『ずっと、スタンド・バイ・ミー』では5.5メガトンの核爆発からレーバテインを守っている。強度は操縦者の集中力に左右され、不意打ちならば通常兵器でも突破されてしまう。防御のみならず、攻撃にも使用可能であり、手持ち火器から発射された砲弾や対戦車ダガーに力場を乗せ、破壊力を上昇させることも可能。力場の強度によるが、敵機の力場や装甲を貫通するほどの威力を有する。また、力自体に指向性を持たせ、見えない弾丸のように攻撃することもできる。力場を機動の補助に使用する場合もあり、ARX-7 アーバレストは道路標識を踏み台に跳躍して見せ、スペック以上の跳躍を見せている(追いかけていたコダールmはそれができずに道路標識を踏み潰している)。Plan1501 ベヘモスの場合は、自重による倒壊を回避するのに利用されており、Plan1055 ベリアルに至っては、重力はおろか、あらゆる物理法則を無視した動作が可能となっている(ただしこれは搭乗者による所が大きい)。なお、かなめの見立てによればラムダ・ドライバ搭載機と通常の第三世代ASの戦力比は1対8である。ミスリルでは、ARX-7 アーバレストのみが、確認されている唯一のラムダ・ドライバ搭載ASである。アーバレスト自体の操縦はM9と同様だが、『戦うボーイ・ミーツ・ガール』で宗介の脳波パターンが登録されたため、ラムダ・ドライバを扱えるのは宗介のみとなっている。またM9D ファルケに搭載される計画もあったが、バニ・モラウタの死により中止されている。ミスリル壊滅後には情報部の残党が破壊されたアーバレストのコアユニットを回収。これと凍結されたARX計画の資材を用いて、本来なら存在しないはずのARX8番目の機体ARX-8 レーバテインを建造した。アーバレストのコアユニットをそのまま流用している関係で、レーバテインもアーバレスト同様に宗介専用機となっている。アマルガム側では、ラムダ・ドライバ搭載ASとしてPlan1056 コダールなどがあり、すでに量産段階に入っている。オペレーターが限られるという問題も、薬物を使用することで解決しているようであるが、その場合ラムダ・ドライバの能力を十全に発揮されることはないらしく、宗介の駆るアーバレストに完敗している。もっとも、これはアマルガム製のLD搭載機が「通常型ASの駆逐」を目的に開発されたのに対し、アーバレストが「LD搭載型ASとの戦闘」を主眼に置いて建造されていることによる、相性の問題も大きいと思われ、質は低くともラムダ・ドライバ非搭載ASにとっては充分過ぎるほどの脅威と言える。『踊るベリー・メリー・クリスマス』における、南沙諸島の海賊拠点での戦闘よりM9に実装されたラムダ・ドライバ観測機器。開発者はクダン・ミラ。使用すると、スクリーンに暗視スコープのような緑色のフィルターがかけられたようになり、色の濃淡でラムダ・ドライバの効果範囲や強弱を見分ける。これにより、M9でもラムダ・ドライバ搭載機と互角以上の戦闘が可能になった(もっとも操縦者の技量差や連携、援護攻撃を加味してだが)。『せまるニック・オブ・タイム』において、ARX-8 レーバテインに追加された装備。機体周辺の一定領域におけるラムダ・ドライバの影響を無効化する機能を持ち、ラムダ・ドライバ・キャンセラーとも呼ばれる。その使用に際しては、ラムダ・ドライバとは逆に「そうした超常現象が起きることは無い」というイメージを働かせる必要がある。ただし、自らもラムダ・ドライバの使用が不可能になる上、消費する電力の余りの多さに機動性が阻害されるという欠点を抱えており、さらには使用時間にも限りがある。ベリアルに装備された大型の弓。実際に矢を射る武器ではなく、ラムダ・ドライバの力場を矢と化して超高速で射出する。発射された瞬間に被弾するほどの凄まじい速度で飛来するため、回避はほぼ不可能(宗介とアルの技量をもってしても、当たる場所をずらす程度で精一杯)であり、さらに『矢』自体が不可視であるため、ラムダ・ドライバでの防御に必要な『盾』のイメージも難しく、事実上防御も不可能な武器となっていた。メリダ島での最終決戦で、レーバテインの左腕を犠牲にしての165mmデモリッション・ガンの発射によって破壊された。
出典:wikipedia
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