ダンクルオステウス("Dunkleosteus":ダンクルの骨 の意)は、古生代デボン紀後期の北アメリカ大陸、及び北アフリカに生息していた板皮類の属の一つ。日本語ではダンクレオステウスとも呼ばれる。ダンクルオステウスの模式種 "D. telleri" はかつてディニクティス属 ( "Dinichthys" ディニクチスとも)に含められ、保存状態のよい"D. telleri" がディニクティスの復元の元となっていた。そのため、「ディニクティスの復元図」とされているものの多くは実際には本属の復元図である。ちなみにディニクティス科は、本属を含め12属程が知られている。"Dunkleosteus"という名称は、クリーブランド自然史博物館の古脊椎動物学者デイヴィッド・ダンクル(David Dunkle)への献名である。体長は6-10m程と推測されており、現在発見されている限りでは最も大きな板皮類の一種である。この魚は、当時の生態系の頂点に立っていたと考えられている。このような板皮類はシルル紀に姿を現し、デボン紀に大繁栄を遂げた。しかし、その繁栄は長続きせずデボン紀大絶滅によりその多くが絶滅し、石炭紀前期(ミシシッピ紀)に全て絶滅した。ダンクルオステウスの頭部及び肩帯付近は甲冑のように硬く重い装甲板で覆われていた。これらは互いに重なりあっていたが、ボールジョイント状の蝶番によりある程度の可動性を確保していた。また所謂甲冑魚(鎧状の皮骨を発達させた無顎類)と異なり、強靭な顎を具えていた。この顎に歯は持たなかったが、プレート状に発達した顎の骨がその代わりを果たしていた。この骨は獲物を噛みちぎるには十分な威力を持っていたと思われ、これを用いて他の大型魚類を捕食していたと考えられている。ダンクルオステウスの噛む力(咬合力)は口の先端部で4400N、奥の方で5300Nに及ぶという試算がある。身体の前半部は重厚な装甲を持っていたため、発見例が多い。特に前額部のみがよく保存されている傾向がある。しかし、身体の後半部は軟骨主体であったため、発見されていない。つまり、この魚の姿かたちがどのようなものであったかは正確には知ることができない。化石に残っていない部分(尾部等)の復元に当たっては、基本的に他の甲冑魚に基づいている。現在は古代魚の仲間であるポリプテルスと同じような背びれや尾びれを持つと考えるタイプと鮫のような鱶鰭(フカヒレ)を持つタイプの2種類が想定されている。ダンクルオステウスの頭骨は、日本では東京都の国立科学博物館で見ることが出来る。強靭な顎を武器とした、獰猛な捕食者であったと推定される。下顎だけでなく上顎も動く構造であったため、大きな獲物も捕らえることができた。しかし、棘魚類など背中に棘を持つものもおり、そうした棘が口蓋に刺さり、喉を詰まらせて死んだ化石が発見されている。また口内で獲物を咀嚼することができないため、咬みちぎった肉を丸呑みし、消化出来ない皮骨などを吐き出していた。こうした吐瀉物の痕跡が幾つか発見されている。身体の前半部は装甲で重く、泳ぎは緩慢だったと推測される。
出典:wikipedia
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