


毛綱 毅曠(もづな きこう、本名:毛綱 一裕、昭和16年(1941年)11月14日 - 平成13年(2001年)9月2日)は、日本の建築家。日本建築学会賞作品賞など多数受賞。初期に毛綱モン太(もづなもんた)と名乗っていたが「毅曠」に改名。1970年代の日本の前衛建築の先鋒の観が有ったとされる。「阿弥陀から弥勒への七つのメッセージ」という九枚のパネルを発表し世界的にも有名となった。彼の設計は、「機能」というものに挑戦的であった。例えば、初期の代表作「反住器」は8m角の立方体(建築本体)のなかに4m角の立方体(部屋)が有り、その中に1.7m角の立方体(家具)が有り、三者は同形にデザインされているという。これは「反機能」を「入れ子」の概念で表現しようとしたものである。その後の、彼は「機能」に直接挑戦するよりも、形而上の概念を建築にあてはめることに意欲を燃やした。「天・地・人」「乾坤」といった概念に基づき独特のデザインをした(少なくとも、本人はそう言っている)。こうした、方向性は設計に首尾一貫性を与えはしたが、彼のデザインそのものの鋭さを失った。しかし、そんな中でも「鏡の間」のような秀逸な空間を持つ傑作が生まれることがあった。1984年に完成した「釧路市湿原展望台」は、彼が「コトバ」の呪縛から離れ、純粋に造形に打ち込んだことによって開かれた新境地である。結局、形而上の概念からは建築デザインはうまく産み出せなかったと考えられている。ただし彼の作品は、実用性、メンテナンス面で非常に難があるデザインの建築物であることも指摘されている。
出典:wikipedia
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