アメリカ合衆国シークレットサービス(アメリカがっしゅうこくシークレットサービス、、USSS)は、主にアメリカ合衆国大統領の警護を行う執行機関。元々は南北戦争時に、偽造通貨の横行に対しての防諜・捜査機関として創設され、アメリカ合衆国として最初の国内諜報機関であった。その後連邦捜査局(FBI)・アルコール・タバコ・火器及び爆発物取締局(ATF)・入国税関管理局(ICE)・内国歳入庁(IRS)等へ任務が移行していった。2001年にアメリカ同時多発テロ事件の影響で、国土安全保障省(DHS)が設置され、シークレットサービスも財務省から同省傘下へと移管された。シークレットサービスは、特別捜査官(Special Agent)3,200人、制服部隊(Uniformed Division)1,300人、技術・管理部門2,000人からなる6000人以上の職員を抱えている。このうち、1922年にとして設立され、1930年のシークレットサービスへの完全統合で誕生した制服部隊は、ホワイトハウス一帯・副大統領官邸・財務省(ホワイトハウスの敷地内の部署)・ワシントンD.C.内の在外公館の安全を担っており、以下の部隊が存在する。シークレットサービスの任務として広く知られているものは、の警護・警備である(ちなみに、彼らのうち現職正副大統領及び次期正副大統領以外は、警護を拒否することもできる)。合衆国大統領とその家族が旅行する際には、地元警察(アメリカ国内なら訪問先の州警察、日本外遊時なら訪問先の都道府県に関わらず警視庁警備部)及び軍と協力してエアフォースワンやマリーンワン等の内部、また大統領専用車両から警護を行う。シークレットサービスの大統領護衛部門の仕事はシフト制であり、2週間単位で昼勤、深夜勤、夜勤が入れ替わる。これが終わると2週間のトレーニング期間に入り、トレーニング期間が終了すればまた仕事に戻る形となっている。警護中は食事を摂ることも、雨の中で傘をさすことも出来ないなど肉体的に過酷であり、だいたいは4、5年で限界が来るとされる。しかしながら、シークレットサービス設立時の本来の任務は、偽造通貨などの取り締まり、様々な不正経理犯罪・個人情報窃盗の捜査、地域犯罪における科学捜査情報の提供である。これらの任務では、政府小切手・トラベラーズチェックのような通貨等価物の偽造、いわゆるナイジェリアの手紙として有名なナイジェリア刑法第419条に抵触するような詐欺、クレジットカード詐欺の調査を行う。また、連邦コンピュータ犯罪法に対する司法権も有している。シークレットサービスは合衆国全域に15の電子犯罪特別対策部隊 (Electronic Crimes Task Forces:ECTF) を設立している。ここでは、技術的な犯罪を防止するためにシークレットサービス、連邦/地方警察、民間部門、学術部門との協力関係が構築されている。シークレットサービスの捜査官と職員には、合衆国法典第18編2部203章3056条により以下の権限が認められている。シークレットサービスの私服部隊は、TPOに応じた服を着用する。これは多くの場合、控えめなビジネススーツを意味する。しかしながら、前述のようにTPOに応じた服を着用することから、彼らの衣服はタキシードからジーンズ、スポーツウェアまで多岐にわたるようである。例えば大統領がパーティーに出席するにはタキシード、大統領が乗馬やジョギング、ゴルフなどのスポーツを楽しむ際にはジーンズやスポーツウェアを着ている警護官を写真や映像などで確認することが出来る。また、写真や映像などでも多く確認されるように、任務中は無線のアコースティックチューブ(透明シリコンのコイル型イヤホン)を着用していることが多いほか、外での警護任務の際などには状況に応じてサングラスを着用する。制服部隊については、ホワイトハウス警護官向けに儀礼服が用意されている。この儀礼服に関しては、通常の警察官の制服とほぼ同様のものとなっている。また、専門的な作業・任務にあたる職員には、専用の衣服が用意されている。調査官のためには専用の作業服が、カウンタースナイパー(ホワイトハウス屋上から狙撃銃と双眼鏡を手に24時間外周監視に当たっている)のためには作業服・識別ベストが用意されている。2009年の時点で、特別捜査官と制服部隊の警護官がSIG P229の.357SIG弾仕様、およびFN Five-seveNを携行している。また、特別捜査官に関してはレミントンM870・FN P90・H&K MP5などの近接戦闘用武器の訓練も積んでいる。1981年に起こったレーガン大統領暗殺未遂事件の際に、警護官がウージーを隠し持っていることが明らかになり、そこから彼らがサブマシンガンを携帯していることが知られるようになった。シークレットサービスの新人職員は全員、犯罪捜査官訓練プログラム(Criminal Investigator Training Program (CITP))下のジョージア州グリンコの連邦法執行訓練センター()で、法運用・銃火器操法・防御戦術・報告書の書き方等の基礎的な警察技術についての訓練を11週間受ける。その後、彼らはワシントンD.C.に戻り、郊外のシークレットサービス訓練学校で17週間に及ぶ追加的な訓練を積む。ここでは、偽札やクレジットカード詐欺の見破り方・物理的防護の方法・特殊な車両運転法など、シークレットサービスの二つの任務である「警護」と「経済犯捜査」に焦点を当てた訓練を行う。これらの訓練終了後も、シークレットサービスの職員と捜査官は現役の間常に、銃火器操法・緊急医療などの訓練を行う。シークレットサービスの捜査官の中でも、警護・警備の任務に就く者は、警護対象に関する様々な緊急事態シナリオをシミュレーションした訓練に参加する。これらは、シークレットサービス以外の様々な捜査機関・司法機関等と連携して行われる場合もある。大統領に対する襲撃を防いで死亡したエージェントは、ホワイトハウス警察隊(White House Police Force)に所属していたレスリー・コッフェルト (w:Leslie Coffelt) ただ一人である。ホワイトハウスが改築中のため、ハリー・S・トルーマン第33代大統領は通りを隔てたブレアハウスに滞在していた。1950年11月1日午後2時過ぎ、プエルトリコの国家主義者グリセリオ・トレソーラとオスカー・コラッツオの2人が大統領を暗殺する目的で近づき、コッフェルトを含むホワイトハウス警護官3名に対して発砲した。コッフェルトはルガーから発射された3発の銃弾を胸部と腹部に受けながらも応戦し、トレソーラの頭を打ち抜いて射殺している。コラッツオは負傷するものの生き残り、1979年にプエルトリコに戻る前に29年間服役している。シークレットサービスニューヨーク事務所は、2001年9月11日の同時多発テロでニューヨーク世界貿易センタービルのノースタワー (1WTC) とサウスタワー (2WTC) と共に崩壊した7WTCに位置していた。攻撃の直後、ニューヨーク事務所に駐在していた特別捜査官と他の職員は真っ先に応急処置の対応を行った。ニューヨーク事務所に配置されていた67人の特別捜査官は、トリアージエリアの設置やタワーからの避難の手助けをすることで地元消防・警察救助隊の支援を行った。シークレットサービスの職員、Master Special officerのクレイグ・ミラーがこの救助作業中に命を落としている。2002年8月20日、長官のブライアン・スタフォードは救助活動に参加したすべての特別捜査官と従業員に対してディレクターズ・バロー賞を授与し、彼らの勇敢さを讃えた。2012年4月、コロンビアで開催される米州首脳会議に向けて事前に派遣されていた特別警護官と制服部隊の11名が、宿泊していたカルタヘナの「ホテルカリブ」のバーで出会った女性11名を自室に連れ込んだとして本国に送還された。このうち一部の隊員は、連れ込んだ女性が売春婦であることを認めた。2014年9月19日、刃物を持った男が柵を乗り越えてホワイトハウスの敷地内に入り込んだあと、さらに建物内部に上がり込み、大統領居住地区の近くにあって記者会見などがおこなわれる「イーストルーム」と呼ばれる大広間まで侵入して取り押さえられる事件が発生した。大統領一家は事件数分前にホワイトハウスを離れていて、怪我人は出なかった。事件を巡っては取り押さえられた場所が当初「玄関」とされていたものが、実際には建物の奥深くまで侵入していたことが内部告発で発覚するなど発表が二転三転し、さらに同年9月にオバマ大統領がアトランタを訪問した際には、規律に反して武器を持った前科のある民間警備員と乗り合わせてしまうなど不祥事が続いたことから、ジュリア・ピアソン長官が引責辞任することとなった。シークレットサービスの事務所の一覧
出典:wikipedia
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