グアルーリョス国際空港()は、ブラジル連邦共和国サンパウロにある国際空港。コンゴーニャス空港やヴィラコッポス国際空港と並ぶサンパウロの主要空港の1つで、24時間運営されているブラジルのハブ空港である。サンパウロ北東部に隣接する自治体グアルーリョスのクンビーカ地域(サンパウロ中心部から約25km)に1985年1月に開港した。2010年7月現在、世界各国の40社の定期便(旅客便のみ)が乗り入れており、オセアニアを除く全大陸の28カ国の100を超える都市との間に定期旅客便が就航している。2007年の年間乗降客数は18,795,596人で世界第36位。グアルーリョス国際空港の開港前までは、ブラジル最大の都市であるサンパウロは世界各国から多くの訪問者が訪れるにもかかわらず、市内中心部からわずか8キロに位置し利便性が高いものの、1,940メートルと1,435メートルという大型ジェット機の着陸が不可能な滑走路しか持たず、そのために国内線とアルゼンチンやウルグアイ、ボリビアなどの近隣諸国との近距離国際線の路線しか運航することができないコンゴニャス国際空港しか存在していなかった。なお、サンパウロ近郊で長距離国際線にも対応する本格的な国際空港は、市内より100キロ近く離れたカンピーナス市にあり、バスで2時間近くかかるヴィラコッポス国際空港しかなかった。このため、エールフランスや日本航空、パンアメリカン航空やルフトハンザ・ドイツ航空などのボーイング707やダグラスDC-8、コンベア880などの大型機で運航する諸外国の航空会社は、距離の遠さと利便性の低さには目をつぶりヴィラコッポス国際空港に乗り入れていた。これに対し、当時のブラジルのフラッグ・キャリアであるヴァリグ・ブラジル航空の中長距離国際線は、ヴィラコッポス国際空港ではなく、3,000メートル級の滑走路を2本持つリオ・デ・ジャネイロのガレオン国際空港を発着地として運行されていた。この場合、中長距離国際線でサンパウロへ向かうには、ガレオン国際空港で一旦VASP航空やクルゼイロ航空のボーイング727やボーイング737で運航されている連絡便に乗り継いでコンゴニャス国際空港へ向かうという、手間も時間もかかる経路を取らざるを得ないため、パンアメリカン航空やエールフランス、日本航空などのいくつかの航空会社は、ヴィラコッポス国際空港とガレオン国際空港の両方の空港に乗り入れ、連絡バスや連絡便を用意することで乗客に選択肢を与えていた。しかしいずれにしても、サンパウロに中長距離国際線で訪れる乗客は、手間も時間もかかる経路を取ることを余儀なくされていた。この様な状況下で、旅客の利便性の向上を高めるために1960年代から近郊への新空港建設の必要性が叫ばれていたこともあり、1970年代に入り新空港をサンパウロ北東部に隣接するグアルーリョスのクンビーカ地域にあるブラジル空軍基地を拡張して建設することに決まった。その後建設が開始され、1985年1月20日に開港した。開港以降、貨物便を除く長距離国際線の殆どがグアルーリョス国際空港に移った他、1990年代にはブエノスアイレスやモンテビデオ、ラパス線などのコンゴニャス国際空港を発着する近距離国際線も全てグアルーリョス国際空港に移った。2007年7月にコンゴニャス国際空港で発生したTAM航空3054便オーバーラン事故の影響を受けて、一部の中型ジェット機の同空港への乗り入れが制限されその多くが乗り入れ先をグアルーリョス国際空港に変更したことで、グアルーリョス国際空港の輸送量が今後ますます増加することが予想された。その上、近年国際線需要が急増していることから2008年の暫定運営開始、2010年の完成を目指して第3ターミナルの建設が進んだ。また2010年で開港から25年を迎えることから、第1、第2ターミナルの近代化改修や、滑走路や誘導路の再舗装工事が行われた。現在はオセアニア以外の全大陸と世界各都市を直行便で結ぶブラジルを代表する空港であり、ゴル航空やヴァリグ・ブラジル航空、TAM航空をはじめとする複数のブラジルの航空会社のハブ空港でもあり、ブラジル各都市を相互に結ぶハブ空港の役割もある(ただし、ブラジル内各都市の行先や時刻によっては、連絡バスでサンパウロ市内にあるコンゴーニャス空港に行って乗り換える場合もある)。その役割から、ブラジルの全航空輸送量の30%をこの空港が担っている。2016年にリオデジャネイロで夏季オリンピックが開催されるほか、ブラジル経済のさらなる成長に合わせ、旅客数や貨物需要の急増が見込まれることから、現在は第4ターミナルの建設が進められているほか、第3滑走路の建設も計画されている。公式名称は「Aeroporto Internacional de São Paulo/Guarulhos – Governador André Franco Montoro」(サン・パウロ/グアルーリョス – アンドレ・フランコ・モントーロ知事国際空港)であるが、一般的には所在地名の「グアルーリョス空港」や「クンビッカ空港」と呼ばれている。サンパウロのIATA都市コードは「SAO」であるが、IATA空港コードはサンパウロの国内線専用空港であるコンゴーニャス空港の「CGH」と区別する為に「GRU」を使用している。ターミナルビルは大きく3つある他、貨物兼用のターミナルが存在する。ターミナル1と2はそれぞれA-Dまでの4つのウイング(ASA)に分かれている。なお、ターミナル間は連絡通路でつながっており、外に出ることなく行き来が出来る。また近年の乗客数の急増に対応して新しくターミナル3の建設が行われた他、ターミナル4の建設計画もある。ターミナル1ターミナル2、3空港アクセスは現在、リムジンバス、タクシー、グアルーリョス市に行く市内バスのみで、鉄道によるアクセスは整備されていないが、鉄道は現在地下鉄のBrás駅直通のアクセス鉄道()を計画中であり2014年までには完成する見込みである。また、他にも各航空会社がサンパウロ市内にあるコンゴーニャス空港発着便に接続する乗客の為の無料シャトルバスを運行している。空港からサンパウロ市街へ向かう際に通過する高速道路の一つに、かつて「トラバリャドーレス」(Rodovia dos Trabalhadores-正式名称:サンパウロ州道SP-070号線)という名称で呼ばれていた道路がある。しかし1994年のF1サンマリノGPでアイルトン・セナがレース中に事故死した後、セナの功績を称える為に現在は「アイルトン・セナ高速道路(Rodovia Ayrton Senna)」に名称変更された。タクシーは2種類あり、前もってターミナル到着ロビー車寄せにあるカウンターで行先を告げて、あらかじめ決められた料金の切符を購入(アメリカン・エキスプレスやVISAなどのクレジットカード払いが可能)した後に乗車する「ラジオタクシー」と、通常通りのタクシーメーターによる後払いのタクシーがある。なお、ラジオタクシーには荷物が多い乗客向けのミニバンタイプやバンタイプも用意されている。空港敷地内にホテルは無いものの、空港周辺にマリオットやベストウェスタンなど複数の国際チェーンの大規模ホテルが存在している。ただし、空港周辺には草原しかないため、どこに行くにも車による移動を要する。
出典:wikipedia
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