マイバッグ運動(マイバッグうんどう)とは、小売店での購買時には買い物袋の持参を呼びかける環境保護運動である。小売店が渡すレジ袋を使わず、消費者が持参した袋やバッグを使用しようという運動である。一人一人が実行できる、もっとも身近な環境保護運動の一つであるとも言える。いわゆるレジ袋に対し、買い物客が持参するマイバッグは「エコバッグ」(リユーザブル バッグ Reusable bag)とも呼ばれる。スーパーマーケットを中心に、マイバッグ持参者に「スタンプがたまると100円引き」等の特典も行われ、企業のノベルティや懸賞賞品に、繰り返し使えるトートバッグを用意することも増えてきている。さらに、条例によりレジ袋有料化を課す自治体も増加してきている。2008年ごろにエコバッグがブームとなり、洒落たものや、セレブ・富裕層の愛用するものなどもテレビなどで特集されたりしているが、ブームに乗って頻繁に買い換えるのであれば運動を実践する意味はなくなる。しかし、その一方で、商品が精算済みかそうでないかの区別が付きづらいため、万引きの温床になりやすい、備え付けの買い物かごが持ち去られるなどのデメリットが明らかとなってきた。店によってはレジ袋の無料提供を復活させ、マイバッグの持込を禁じるところや、精算済みかごと未精算かごを色分けし、未精算の状態では店外に出られないよう目を光らせる社(マルエツ)も現れている。なお、レジ袋有料化を行った店舗においてはレジかご持ち去りの影響もあってか商品を納品する際の段ボール箱を代わりに利用する場合もある。端的に言えばマイバッグ運動は、レジ袋の過剰な消費から、繰り返し利用できる買い物袋の使用に切り替えることで、ごみの削減や、それに伴う二酸化炭素などの温室効果ガスの削減、レジ袋の原料となる原油の節約(資源保護)などを目的としている。その効果は、レジ袋使用時と買い物袋使用時の環境負荷を比較することで明らかとなる。レジ袋1枚(大型のもの)を作るのに必要な原油は約18.3ml、原油1l当たりの二酸化炭素排出量(固有単位当たり係数)は0.7225kgCなので、レジ袋を削減して製造量も同時に減らしたと仮定し、買い物袋の環境負荷を無視した場合、レジ袋1枚あたり0.013222kgC (=13.2gC) の削減効果があると考えられる。買い物袋の環境負荷と合わせて考えるには、買い物袋1袋を作るのに必要な原油の量と、買い物袋1袋をレジ袋何枚分使用するか(レジ袋代替枚数)を算出し、1枚当たり必要原油量 (l) × 0.7225 (kgC) ÷ レジ袋代替枚数(枚)を計算すればよい。この計算で出る値はレジ袋1枚分に換算した買い物袋の環境負荷なので、この値とレジ袋1枚あたりの値0.013222kgC (=13.2gC) を比較し、後者のほうが大きい場合に効果があるといえる。ただし、これは焼却処分時のCOだけを考えたもので、ライフサイクルアセスメント (LCA) の手法では、原料採取・製造・輸送・販売で使用するエネルギーまで考慮に入れなければいけない。また、買い物袋の使用による環境負荷軽減の効果は、同じ買い物袋を長くたくさん使い続けるほど大きくなる。同じように、必要な原油量がより少ない買い物袋に変えたり(石油原料の合成繊維製から天然繊維製に変える、など)、エネルギー消費なども考えたLCA基準で環境負荷が少ない買い物袋に変えることで、効果は大きくなる。一方、レジ袋から買い物袋に変えた場合新たに増える環境負荷も指摘されている。例えば、レジ袋が果たしていたゴミ袋としての役割が、他の袋で代用された場合の環境負荷などである。日本でエコバッグという用語を用い最初に導入したのは、神田お茶の水でエコロジーショップを運営していた株式会社GAIAプロジェクトで1992年。GAIAプロジェクトの常務取締だった石橋正次は、ドイツで普及していた布製エコバッグを日本でも普及しようと考えた。彼は部下に命じ、ドイツのエコバッグを製造していたインドのトリバンドラムの授産施設にエコバッグの製造を依頼、フェアトレード製品として輸入を行った。当時の売価は上代が350円だった。尚、石橋は、生活クラブなど複数の生協と瓶商の戸部商事などと共に、Rビンという新たな規格のリターナブル瓶(再利用瓶)の開発も行った人物でもある。GAIAの導入したエコバッグは、初期は各地の自然食品店などで販売されたが、その後エコロジーブームを背景に、ダイエーや西友、イオンなど大手流通が、1994年頃から同様の布製バッグの販売を始めた。エコバッグはGAIAが商標権を持っていたため、マイバッグなどの用語を用いた。これら流通大手は、レジ袋を使用しない消費者に対しての5円程度の割引サービスとエコバッグの販売(多くは100円)を併用したため、マイバッグ運動=レジ袋削減運動というイメージが定着した。2007年2月でのダスキンの調査によると、滋賀県では86.0%が「いつも買い物袋を持参」もしくは「買い物袋持参が多い」と回答している。この数値は、2位の京都府に20ポイント以上の差をつけて全国一位となっている。また、山形県では、「いつも買い物袋を持参」との回答率が全国で最も高く44.0%となっている。富山県ではエコバッグよりも「エコバスケット」が増えている。これが可能なのは車社会で土曜日にまとめ買いするアメリカ型消費構造があるからで、メリットはレジで詰め替えられたらそのまま持って帰れるという点である。エコバッグは、1980年代のドイツで多用されていた布製バッグÖkobag から発想を得たものだが、その後日本でお洒落な布製エコバッグが爆発的に普及したのに対し、ドイツでは紙袋など様々な素材の携帯用バッグを何度も使うことが当たり前に行われている。そのため日本のようにエコバッグ=布製のお洒落なバッグというイメージはない。
出典:wikipedia
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