定年(ていねん)とは、ある一定の年齢に達したら仕事を退職・退官する場合のその年齢のこと。またそうした仕組みによって退職・退官すること。労働者が一定の年齢(定年年齢)に達すると自動的に雇用関係が終了する制度を「定年制」という。定年により退職する(雇用関係を終了する)ことを「定年退職」という。定年制が導入されているか、されていないか、ということは、国ごとに状況は異なっており、また同一国内であっても職種によっても異なる。日本では現在、定年を徐々に60歳から65歳に引き上げつつある段階である。日本では、1970年代は大企業であっても55歳が定年退職であった。1980年以降60歳に引き上がっている。現在は65歳。会社が定年制を導入するには、定年に関する事項を就業規則に明記し、かつその定年制が慣行的に行われている必要がある。日本の企業の正社員と公務員は、その大部分が定年制を導入している。一方で適用している会社は少ないが、定年を定めないことも可能である。なお、定年退職者を継続雇用することも多くの企業で行われているが、これについても就業規則に定めることが必要である。継続雇用とは、現に雇用している高年齢者が希望するときは、当該高年齢者を定年後も引き続いて雇用する制度のことである。しかし、継続雇用の基準を定めるということは、逆に言えば継続希望者全員を雇わなくてよい(企業が定めた基準に該当しない希望者については継続雇用の対象外としてよい)ということでもある。よって、喧伝された「2007年問題」は大きな問題にはならなかった。2012年7月には、定年を40歳にして雇用の流動化を促そうという、日本国政府の提案が発表された。ただし、これは「何歳でも、その適性に応じて雇用が確保され、健康状態に応じて、70歳を超えても活躍の場が与えられる」ことが前提条件であるが、40歳以上での再就職が極めて困難な現在の日本の社会においてそのような前提条件を成立・実現させる方法については、政府は何の具体案も出していなかった。そのため、この提案に対しては「転職を支援する制度面の整備が進まなければ安易なリストラの助長に終わる懸念もある」などとする批判が強く、現在の日本の社会では実現の可能性は低いと考えられており、事実2012年末の政権交代で雲散霧消した。2012年8月29日、60歳などで定年を迎えた社員のうち、希望者全員の65歳までの継続雇用制度の導入を企業に義務付ける改正高年齢者雇用安定法が成立。2013年4月から施行される。この改正案について、労働組合が「希望者全員の雇用」を求めたのに対し、経済界は「他の社員の給与を減らすか、若年層の採用を減らすかという選択を迫られかねない」として、反発を強めていた。定年者の再雇用拡大に伴って、非正規社員の削減を検討している企業は3割に上る。法律上は定年年齢に達した誕生日の前日から定年退職とする事が可能だが、定年年齢のいつの時点で定年退職とするのかは、会社により異なる。主な方法は下記の通り。定年年齢に達した誕生日に定年退職とする方法。誕生日の月末付けなどの場合もある。入社(採用)を4月(新卒時)に一括して行っている(中途採用を一切実施していないと想定)企業でこの方法を取ると、同期・同年齢の入社でも誕生日によって就業期間に最大で1年近くの差が出てしまう(3月・4月1日生まれの者は、4月(2日以降)生まれの者と比べて1年近く長く就業できるため)。また、4月の時点で欠員がゼロになるように採用した場合、次の4月まで新規採用をしないとすれば、その間に定年に達した者が少しずつ辞めていき、3月の時点では最も欠員が多くなる。この方式では、就業期間が最大1年近くの差があるので、同期入社・同年齢で、役職、待遇が全く同じであったとしても生涯賃金・退職金の額が異なってくることになる(3月・4月1日生まれの者は4月(2日以降)生まれの者と比べて1年近く長く勤めることができるので、その分、生涯賃金・退職金の金額も増えることになる)。大相撲の親方の停年(相撲協会ではこう表記する)はこの方式を採っており、たとえ本場所の最中であっても親方は65歳の誕生日を迎えると同時に停年となり退職しなければならないため、部屋持ち親方は65歳の誕生日を迎える前に後継者を決め、部屋の継承届を出す必要がある(親方がいない部屋の力士は本場所に出場できないという相撲協会の規定があるため)。部屋の事情によっては、現役力士が親方の65歳の誕生日の前日をもって引退し、部屋を継承する場合もある(現在の相撲協会では、現役力士が親方の職に就く二枚鑑札は事実上認められていないため)。その年度に定年退職する人の退職日をそろえる方式。たとえば、「退職日は60歳の誕生日以降の最初の3月31日(4月1日で60歳になった人は、その翌年の3月31日(60歳)で定年退職)」などというように企業の規定で決めてしまう。こうすることにより、次の一括採用日までに欠員がだんだん増えていく状態を回避できる。この方式は、公務員や、採用日が1年に1回というように固定していて中途採用を実施していない企業(たとえば一部の鉄道会社など)でよく採用されている。このような企業や役所では、採用日の前に何らかの事情で欠員が出た場合には非番者が時間外労働(休日出勤)で対応する。高年齢者雇用安定法では、企業が定年を定める場合、60歳を下回る事が出来ないとされている。年金(厚生年金)の受給年齢が65歳に引き上げられることもあって、会社(使用者)は対応を迫られている。改正高年齢者雇用安定法(下記については、2006年4月1日施行)によると、事業主は65歳までの安定した雇用を確保するために、下記のいずれかの措置を講じなくてはならない。※経過措置がある。なお、それ以前は、65歳までの継続した雇用を促す努力義務規定であった。(2000年改正による)基本的には(1)の継続雇用制度の導入で対応する場合が多く、(2)の定年年齢の65歳への引上げや、(3)の定年制度自体の廃止まで踏み込む企業は、一部の中小企業や零細企業を除き、非常に少ない。電通が2006年に行った調査では、男性の77%が定年後も組織で働くことを望み(75%は定年前に働いていた企業を希望)、働くことを希望した者のうち、フルタイム希望者が47%、パート・アルバイト希望者が40%となっている。役職定年とは、通常の定年とは別に一定の年齢に達すると役職がつかなくなり、平社員等になる制度のこと。制度として明記しているのは民間会社の一部にとどまるが、配置転換などを含めた実質的な役職定年は公務員も含めて広く採用されていると考えられる。たとえば地方公務員であれば公社社員等に、中央省庁勤務なら財務省課長などの重要省庁幹部から外郭団体へ天下るなどがある。一般的に50代前半~半ばに設定されており、50代後半の平均年収が50代前半の平均年収より低くなっている原因のひとつであると考えられる。また、公社が一般企業に比べて幹部の割合が多いのも、表面上の階級を下げずに部下のいない仕事に配置転換するために理事・参事格で入社させることが多いことも影響していると考えられる。なお、理事・参事格といっても、実質的な権限が上位機関(市区町村であれば都道府県、都道府県であれば中央省庁、中央省庁であれば高官など)にあり部下がほとんどいないために実質的な平社員となる。なお、役職定年を迎えたとしても、これまで長年の実績・経験があるため、定年後の継続雇用と同様に、通常の平社員等とは職務内容や待遇が違うことも多い。2004年の労務行政研究所の調査では約4割の企業が導入している事が判明した。なお、社長や取締役について定年制を設ける企業も存在する。この場合、一般社員の定年より高くなるのが普通である。アメリカ合衆国では、40歳以上の労働者に対する年齢を理由とした就職差別は連邦法によって禁じられている。一部の職種や産業では例外的に認められているものもあるが、その多くは軍人や警察官など政府関係の職業である。アメリカの民間企業では定年退職や再雇用制度などはなく、労働者本人の希望による退職や能力的な理由による解雇でない限りは生涯にわたって働き続けることができる。また、アメリカの社会では、年齢を基準とする求人の差別を防ぐため、就職活動用の履歴書には応募者の年齢や生年月日を記入する欄はなく、正式に採用が決まるまでは、企業側が応募者に年齢や生年月日を尋ねることも法律で禁止されている。
出典:wikipedia
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