イリエワニ(入江鰐、"Crocodylus porosus")は、クロコダイル属に分類されるワニの一種。インド南東部からベトナムにかけてのアジア大陸、スンダ列島からニューギニア島、及びオーストラリア北部沿岸、東はカロリン諸島辺りまでの広い範囲に分布する。後述のような海流に乗って移動する生態から、オーストラリア北部には近年になって東南アジアから海伝いに分布を広げたと考えられている。日本では奄美大島、西表島、八丈島などでも発見例がある。現生の爬虫類の中では最大級の一種であり、オスの平均は全長5メートル、体重450キログラムになる。最大の個体は、全長8.5メートル以上のものが記録されている。口吻はやや長く基部の1.75-2倍で、隆起や畝が発達する。下顎の第1歯が上顎の先端を貫通する。後頭鱗板が無い。頸鱗板は4枚。胴体背面に並ぶ大型の鱗(背鱗板)は規則的に並ぶ。体色は緑褐色。水かきは前肢では指の基部のみに、後肢では趾全体に発達する。卵は長径約8センチメートル、短径約5センチメートル。主に汽水域に生息し、入江や三角州のマングローブ林を好む。イリエワニという和名も、これに由来する。地域によっては、河川の上流域や湖、池沼などの淡水域にも生息する。海水への耐性が強く、海流に乗って沖合に出て、島嶼などへ移動することもある。食性は動物食で、魚類、両生類、爬虫類、鳥類、哺乳類、甲殻類などを食べる。攻撃的な性質であり、大型個体では人間や家畜を捕食した例もある。繁殖形態は卵生。主に雨季に繁殖し、木の枝や枯葉などを積み上げた塚状の巣に60-80個(平均61個)の卵を産む。卵は80-90日で孵化する。幼体は小型のため、鳥や大型魚などに捕食されることも多い。開発による生息地の破壊、皮革目的の乱獲などによって生息数は減少している。生息地では法的に保護の対象とされているが、地域によって生息数に変異がある。人食いワニの「」は、フィリピン・ミンダナオ島ブナワンで2011年9月に捕獲された。地元民の12歳の少女と農民の2名を捕食したとみられる。ロロンは「世界最大の捕獲されたワニ」とギネスブックに認定され、専用の自然公園で2013年2月まで生存した。体長6.17メートル、体重1.075トン。ブナワンではもっと大きな個体の目撃もあるという。太平洋戦争中、ラムリー島の戦いにおいて撤退中の日本軍がこのワニに襲われ、多数(数百人から千人とも)が犠牲になったとされる。この話は海外ではよく知られており、 "Worst crocodile disaster in the world (disputed)" 、 "Most Number of Fatalities in a Crocodile Attack" などとして、ギネスブックにも掲載されている。ただし、この話を裏付ける正式な史料はない。当時、島にいた日本軍の守備隊は一個大隊1000人程度であるうえ、その半数は戦闘により戦死し、半数は撤退に成功している。オーストラリアでは1971年より保護動物に指定されており、以後は徐々に数が増えている。
出典:wikipedia
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