『A君(17)の戦争』(エーくんじゅうななさいのせんそう)は、豪屋大介作のライトノベルである。富士見書房から刊行されている。現代の日本で生まれ育った何の取り柄もない少年が別の世界に召喚され、滅亡に瀕した国を救うために異種族の美少女たちを従えて活躍する。さらには世界そのものを創造する力を持った超越者が出現し、主人公は目の前の敵と戦うのと同時に、超越者との対決にも備えていかなければならなくなる。こうしたあらすじは一見ステロタイプ的なライトファンタジー風の「ハーレムもの」のようだが、物語はそういったステロタイプ(作中の表現によれば「おファンタジア」)を適宜引用しては、それらを揶揄しつつ進行する。戦闘は少数の勇者ではなく、多数の(つい最近まで普通の暮らしをしていた)兵士たちからなる軍隊によって行われる。「おファンタジア」な戦争では軽視されがちな兵站や戦争経済にまつわる問題も頻繁に描かれる。そして主人公の能力も個人的な武勇ではなく、作戦指揮や国家戦略といった部分でのみ発揮される。これらによって、あたかもファンタジー世界を舞台とした架空戦記であるかのようなストーリーが展開していく。なお、主人公の使命は「人族による侵略から魔族の国を守ること」である。作中には建前上対象としているはずの読者(中高生)より10歳以上年長でなければ判らないような題材がしばしば紛れ込んでいる。先述した「揶揄」の対象は「おファンタジア」のみならず、それらを愛好し、女性キャラクターに「萌え」の感情を抱いたり、同人誌を作ったり、設定の矛盾を見つけては悦に入ったりする「おたく」にも及ぶため、読者および作者にとってかなり自虐的な作品である。主要な舞台となる世界。二つの太陽と四つの月がある。ブラントラントで唯一、魔族(魔物という表現は差別用語なので使われない)と人族が共存する国。千年ほど前から数十年おきに異世界の人族が現れ、魔王として治めてきた。代々の魔王によって導入された異世界の文物や制度、文化などは多少の時間差を置いてブラントラント全土に広まっている。公用語は歴代魔王によって伝えられた日本語。魔王となる者たちには以下のような共通点がある。魔王領の東に隣接する人族至上主義の大国。とはいえ、かつては魔王領との国境地帯であるセントール平野に両国共同で入植地を拓こうとしたこともあった。ゴルソン大陸の中央に位置し、海に接していないため、貿易港を手に入れたいという経済的理由からも魔王領征服を図っている。ランバルトに隣接する国の一つ。国王の権威が弱く、大貴族たちと経済力のある臣民たちとの対立が続いている。証券市場が盛んで、魔王領・ランバルト双方の発行する戦時国債が人気商品となっている(貴族はランバルトの、臣民は魔王領の国債を買っている)。魔王領、ランバルト両国の北に隣接する国。軍事的・経済的な力は小さいが、マスル教の総本山がある。礼拝はゴスペル・ロック風。『月刊ドラゴンエイジ』2007年11月号より『A君(17)の戦争 I, THE TYCOON?』のタイトルで連載開始。作画担当は松本規之。単なる小説版のコミカライズではなく、原作の豪屋自身が書き下ろしたコミック版用のシナリオに基づいていて、多くのアレンジが入れられている。後述する事情で1 - 8巻は新装刊されたが、ここで書いたISBNは旧版のもの。
出典:wikipedia
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