豆炭(まめたん)は、各種石炭に消臭材などを加えて燃焼時の臭いを抑え、扱い易い「豆」状に成形した固形燃料である。また近年は木炭が原料のバーベキュー用Charcoal briquetteも豆炭という名称で流通している。欧州の成形石炭(Coal briquette)を元に、日本の家庭用燃料として扱い易く改良開発されて生まれたものが豆炭である。形状は、中央に厚みと丸みのある豆状の正方形で、辺長は5cm程度であり硬く重い。通常は十数種類の石炭をブレンドして製造されるが、木炭、コーライト(軟質のコークスであり、石炭の低温乾留で得られる半成コークス)などが用いられている場合もある。これらを粉末にし、消石灰やピッチ、ベントナイトなどを混ぜ合わせ、豆状に成型し、乾燥炉で焼成して作られる。圧縮して成形するプレス部分以外は成分配合を含め製造ラインの多くが練炭と共通の部分が多い。豆炭を使う「豆炭炬燵」は、電力が要らず、安定した暖を長時間得ることが出来ることから、松江城を巡る「松江堀川遊覧船」など、静かな堀や川を巡る遊覧船の炬燵で使われている例も多く、人気を博している。なお、蒸気機関車(大井川鉄道)など、石炭でボイラーを沸かす蒸気機関では工業用の豆炭が現在も使われている場合がある。この豆炭には消臭の役割を担う成分は添加されず、ボイラー燃焼と燃料搬入を効率化させるために利用されている。家庭用燃料の豆炭とは違い、形状はそれほど整っていない。日本では工業用も「豆炭」という名称で呼ばれているが諸外国のCoal briquetteと同じものである。近年の100円ショップやホームセンターでは、欧米で普及しているCharcoal briquetteが「豆炭」という名称で販売されていることがある。これは日本の伝統的な豆炭とは異なり、木炭粉を主原料として成型されている。木炭粉を固めたものなので、石炭由来のものより軽く、表面は柔らかい。また燃焼時間は2時間程度でありオガ炭と似た燃焼をする。燃えかすは通常の木炭のものと似た灰が残る。登場は1920年と、練炭よりも古く、かつては火鉢や七輪やコンロで木炭のように使われ、半世紀近く生活必需品として重宝されていたが、現在は豆炭式炬燵や、豆炭あんかの燃料としての需要がほとんどである。木炭より長時間安定して燃焼する性質から、近年はダッチオーブンで上蓋の上に載せて加熱させる固形燃料の役割としても用いられて来ている。中華人民共和国の一部では今も調理用の燃料として用いられている。以前は豆炭の材料となる石炭の硫黄成分の問題により、硫黄酸化物など酸性雨の原因物質を大量に発生させるなどの問題点があった。このため、中国政府と日本のボランティアにより消石灰や籾殻などを混ぜる独自の豆炭の普及活動が行われ、酸性雨問題の軽減に役立っている。
出典:wikipedia
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