『ないしょのつぼみ』は、日本のやぶうち優による少女向け性教育漫画作品、およびそれを原作としたOVAである。通称「ないつぼ」。やぶうちが2003年(平成15年)の秋に、『小学五年生』(小学館)編集部から「性教育をテーマにして、かわいい女の子が主人公で、ファンタジーを盛り込んだ新しい連載漫画を立ち上げてみませんか?」という提案を受け、それに応える形で、主に『小学四年生』および『小学五年生』にて2004年(平成16年)度から連載が始まった。以降、年度ごと、掲載誌ごとに登場人物と物語を一新する形で継続。シリーズ毎に“○期”または“第○期”と呼ばれる。日常に入り込んで来た「すこし・不思議」な要素と恋愛話を軸に、主人公たちの心と身体の成長が描かれている。単行本は2012年(平成24年)4月現在、ちゃおコミックスより、1期 - 8期が1巻 - 8巻、0期が『ないしょのつぼみ-めばえ-』として刊行されている。0期を除き、同じタイトルに巻数が付く形式になっている。なお、雑誌掲載時のタイトルはいずれも“ないしょのつぼみ”で、副題や期数表記などは一切付いていない。登場人物と作品世界が明確に同一の1巻と「-めばえ-」を除けば、それぞれの巻に連続性はなく、共通点はテーマと、主人公の名前がつぼみである事のみである。ただし、期をまたいでの共通点がいくつか存在する箇所もあり、同じ世界・同じ学校が舞台ではないか、という説もある。具体的には、「2期のつぼみの担任と同じ顔の教師が0期に登場している」「3期に出てくるある品に"6-1 河原"という記載があり、名字が2期の結花と一致する」「1期の葉の姉と同一と思しき人物が4期・5期・6期・8期にも登場する」「5期のありすと思しき人物が8期にも登場する」などである。この見方については「ないしょのつぼみファンBOOK」でも触れられているが、現状では飽くまでも推測の域を出ない。主人公は共通して、ツーサイドアップという髪の結び方をしている。2005年(平成17年)4月、単行本第1巻発売時にAmazonやセブンアンドワイなどのネット通販などで特に男性層に爆発的に売れ、一般週刊誌などでも話題となった。2007年(平成19年)12月現在での累計発行部数は55万部と、学年誌に掲載された女子向け漫画の単行本としては異例な売上げを見せている。2009年(平成21年)1月20日、第54回(平成20年度)小学館漫画賞児童向け部門を受賞。少女向け性教育漫画のため、少年の体の変化はあまり詳しく描かれていない。1期と4期で勃起・精通・夢精等を取り上げ、3期では「男女の体つきの違い」というテーマでのみ軽く触れられている程度で、基本的には少女向けの内容が大半を占める。しかし例外的に6期は、男女のお互いの人格が入れ替わるという基本設定上、ほぼ半々の割合で少年の体の変化について積極的に描かれている。連載時には性教育にまつわるコラム記事が連動しており本編最終ページの次ページに掲載される事が多い。ただし、2・7・8期は記事と連続したページになっておらず、0期には連動記事自体が無かった。2010年(平成22年)2月の『小学五年生』休刊を受け、7期と8期は掲載誌が0期と同様の『小学四年生』に変更された。しかし、2012年(平成24年)2月の2012年3月号の8期終了とともに『小学四年生』も休刊、8年間の連載に幕を閉じた。2014年(平成26年)10月15日に1期を原作とした小説版が『ないしょのつぼみ ~さよならのプレゼント~』、2015年(平成27年)3月25日に6期を原作とした小説版が『ないしょのつぼみ ~あたしのカラダ・あいつのココロ~』として小学館ジュニア文庫からそれぞれ発売された。『小学四年生』の2004年(平成16年)3月号、および『小学五年生』の2004年4月号から2005年(平成17年)3月号にかけて連載された。全13話。番外編として『やぶうち優ファンBOOK やぶうち優の♀♂(おんなのこおとこのこ)なお話』と『ないしょのつぼみファンBOOK 女の子の初めてのお話』への収録のために書き下ろされた作品がある。両作とも初出時にはサブタイトルは無く、第7巻に再録された際にそれぞれ、「さきっぽ」と「アソコ」という題名が付けられた。とある家庭の一人っ子として育った女の子立花つぼみは、ある時、母からお腹の中に赤ちゃんができた事を知らされる。ずっと前から弟妹を欲しがっていたつぼみは心から嬉しがり、友達の山吹八重と加藤麗愛にその事を話すものの、「つぼみの両親がエッチな事をした証拠」と麗愛から言われ、硬直してしまう。「エッチな事ってどんな事だろう」と考えてしまったつぼみ。その時、いつの間にかつぼみのクラスにいた謎の少女遠藤沙耶がつぼみの目の前に現れ、声をかけてきた。つぼみはとっさに考え事を沙耶に話し、頼りがいのある言葉を沙耶からもらった。その後、つぼみと沙耶は深い絆で結ばれた友達になっていく。弟妹が出来る事を嬉しがる間に、つぼみの体は知らない内に大人へ一歩ずつ近づいていった。初潮、体の悩み、男女の違い、そして恋を通して、つぼみは友達と共に成長していく。人名には草や木、花の名前が入っている。『小学四年生』の2005年(平成17年)2月号から3月号、および『小学五年生』の2005年4月号から2006年(平成18年)2月号にかけて連載された。全13話。小学5年生の草壁つぼみは背が高く、運動神経が良いクラスから頼りにされる快活な女の子。そんな彼女にもある一つの悩み事があった。その悩み事のわきどころは幼馴染の押井怜麻で、怜麻はつぼみのスカートをめくったりするなどのちょっかいを頻繁にし、つぼみの悩みの種になっていた。つぼみは怜麻と仲良くけんかしながら毎日を過ごす日々を送っていた。そんなある日の事、つぼみと怜麻が部屋で遊んでいると、部屋の天井から不思議な穴が空き、そこから少年の格好をした異星人が現れた。草壁つぼみを初めとした人間と、異星人クロウ・ゼット(地球での名前は草壁 縁)の交流、交流の傍らで心体ともに成長し、恋に芽生えていく草壁つぼみの姿が描かれる。人名は家や家具に関する物から付けられている。『小学四年生』の2006年(平成18年)3月号、および『小学五年生』の2006年4月号から2007年(平成19年)2月号にかけて連載された。全12話。椎名つぼみは絵を描くことが大好きな、幼さが残る無邪気な性格の女の子。もうすぐ小学5年生になるつぼみは、5年生になったらシャープペンシルの使用が解禁される事を楽しみにしていた。5年生になる前のある日、つぼみは幼馴染でしっかり者の幹図と一緒に文房具屋へシャープペンシルを買いに行ったが、理想のシャープペンシルが見つからず、文房具屋を後にする。文房具屋からの帰り道、つぼみと幹図は転んで写生用具が入っているカバンを落とした黒いコートと帽子の姿のお兄さんに出会う。一緒に拾い物をすると、チューリップが付いているかわいいシャープペンシルがつぼみの目に付き、つぼみはこのシャープペンシルをもらう事になった。家に帰り、つぼみはそのシャープペンシルを使って絵を描いてみると、描いた絵がむくむくと浮かび、実体化して生き物のように動いてしまった。そんな不思議なシャープペンシルを手にいれたつぼみは、幹図を道連れにして、様々な波乱に満ちた出来事を起こしたり巻き込まれたりする。本作と同様の、描いた物が実体化するペンは、魔法少女物のマンガ・アニメ等でたびたび見受けられる。なお、2006年度小学五年生には、女の子が不思議な力で大人に変身する「ヒミツのわんタッチ」(作・兄崎ゆな)というマンガも連載されている。双方で示し合わせた訳ではないだろうが、一部では「2つ合わせるとアイドル要素を抜いたファンシーララ」と言われている。つぼみ以外の人名には、学校の教科に関する文字が入っている。※つぼみと理志以外の主要登場人物の苗字は連載終了後に発売された『ないしょのつぼみファンBOOK 女の子のはじめてのお話』にて明らかにされた。『小学三年生』の2006年3月号、および『小学四年生』の2006年(平成18年)4月号から2007年(平成19年)2月号にかけて連載された。全12話。1期の前年の話で、物語世界や登場人物は共通している。やぶうち優の連載作品の中では「ぴゅあ♥ぴゅあ」や7期と並んで主人公の年齢が最も若い。対象学年が下がったためか、内容に性教育的な要素はほとんど無い。1話ごとのページ数は8ページ(第12話のみ10ページ)で他期に比べて少なめ。ストーリーは基本的に第9・12話を除いて、前後編の2話で完結する流れになっている。「0期」というのは「1期の前だから」という事で作者サイトや関連書籍で用いられた呼称である。単行本は『ないしょのつぼみ-めばえ-』のタイトルで発売。小学4年生になった立花つぼみは、ペットを欲しがっている女の子。ある日の事、公園で麗愛と八重の3人で、熱い気持ちでキスをしているカップルを見かけた。つぼみ達3人はカップルの様子をずっと見つめ、つぼみはその熱愛ぶりに衝撃を受ける。「キスってどんな感じなんだろう」と心の中でドキドキしながら考えてしまったつぼみ。家の中で色々と考えていると、ベランダに小鳥が迷い込んできた。つぼみは小鳥が呼び込む様々な出来事を通じて成長し、恋にめばえていく。基本的に1期の登場人物と同一である。※1期の主要登場人物中、遠藤沙耶は第12話にわずかに姿を見せたのみ。『小学五年生』の2007年(平成19年)4月号から2008年(平成20年)3月号にかけて連載された。全12話。新学期をむかえたある日、小鳥遊つぼみの元に、見知らぬ差出人のEメールが届く。差出人の名前は"MIRA☆"。つぼみがはじめて通る道を通っているとき、知らない人に「きみのお父さんが病院に運ばれた」と聞き、その人の車に乗ろうとしたのを、ある少女に止められた。その少女は、つぼみの新学期からのクラスメイトだった。名前は未莱(みら)。Eメールの差出人と同一人物なのか、それとも…。登場人物名は、十二支にちなんだ物になっている。※小鳥遊親子以外の登場人物の苗字は連載終了後に発売された『ないしょのつぼみファンBOOK 女の子のはじめてのお話』にて明らかにされた。『小学五年生』の2008年(平成20年)4月号から2009年(平成21年)3月号にかけて連載された。全12話。『小学四年生』の2008年(平成20年)3月号掲載の予告では「SF(すこし・ふしぎ)な冒険!!」、単行本第4巻での5期の予告編では「SF(すこし・ふしぎ)度高めでよりファンタジックな展開」と謳われている。登場人物名は有名SF作家の名前から付けられており、誕生日も元ネタの作家のそれと同じである。相崎つぼみは父親と2人暮しの女の子。小学5年生になったある日、つぼみが家に帰ってベッドで漫画を読もうとした矢先、父親から電話がかかってきて、ベッドから滑り落ちてしまう。滑り落ちた先はなんと、もう1つの世界でそこにはつぼみと全く同じ姿の女の子がいた。つぼみと同じ姿の女の子に名前を聞き、つぼみと同じ姿の女の子もつぼみに名前を尋ねてみると、お互いに「相崎つぼみ」と名前が返ってきて、戸惑ってしまった。翌日、その事を友達に話してみると、筒井隆からは「それって、パラレルワールドでは」と言い、朝倉ちはるは「頭おかしいじゃね」とからかい突っかってきた。家へ戻り、ちはるのことを考えているといきなり、つぼみと同じ姿の女の子が来て「やはり、これはパラレルワールド」とお互いに感じて意気投合し、つぼみは花形のヘアゴム、つぼみと同じ姿の女の子は星形のヘアゴムをそれぞれ付けて区別することにした。つぼみは星形のヘアゴムを付けたつぼみが住むパラレルワールドに入るが、体の成長具合が違ったり、住んでいる町の風景が異なっていたりと、つぼみが住む世界とパラレルワールドの世界の違いをお互いに実感するのであった。つぼみと星形のヘアゴムを付けたつぼみが交流している間に、つぼみの体は成長していき、星形のヘアゴムを付けたつぼみの好きな人がつぼみと違ってくるようになった。胸の成長、好きな人の相違による衝突、初潮、父親の再婚、そして告白を通して、つぼみは成長していく。『小学五年生』の2009年(平成21年)4月号から2010年(平成22年)3月号にかけて連載された。全12話。『小学四年生』の2010年(平成22年)4月号から2011年(平成23年)3月号にかけて連載された。全12話。前期までより1学年下を対象とした雑誌に移ったため、主人公も従来より1学年下がり小学4年生になった。また、掲載誌の本誌ではなく、別冊付録『月刊コミック小学四年生』内での連載となった。性徴などの性教育的な要素は残っており、性教育関連の記事は7月号から本誌に掲載され連動している。1話あたり12ページ前後。『小学四年生』の2011年(平成23年)4月号から連載から2012年(平成24年)3月号にかけて連載された。全12話。7期と同様、主人公は小学4年生で、別冊付録『コミックSHO4』内での連載となる。1話あたりのページ数は6期以前と同じ15ページ前後に戻った。性教育関連の記事は、8月号以降本誌に掲載されるようになった。初版に付いていた帯をはじめとして、単行本表紙には性教育を前面に出した売り文句が多用されている。また、その文面は漫画としての内容にあまり合致していない部分が見受けられる。例えば第2巻の帯では、性徴に関する疑問に答える本である旨を、草壁縁に台詞として言わせているが、彼は本編では教える側では無く教わる立場である。なお、第3巻以降の帯は各巻のあらすじに合わせた売り文句とプレゼント等の告知が内容のメインになっている。0期の初版帯で、アニメ化の企画が2008年(平成20年)の春を目指して進行中であることが明かされ、2008年4月から6月に1期を元にしたOVAが発売された。DVDで巻数は全3巻。各巻とも通常版・限定版の2バージョンがある。内容は原作にほぼ忠実だが、中盤のエピソードの多くが省略された他、ラストが若干異なっている。キャラクターデザインは原作と比べ、柔らか味を増したデザインとなった。『ないしょのつぼみ』のコンセプトの1つである性教育はOVAでも受け継がれ、DVDの副音声機能を使用した、作中のシーンと連動する心と体の不思議についての解説が全3巻とも収録されている。解説を担当するのは日本家族計画協会クリニック所長の北村邦夫。限定版は各巻とも、原画集、チャーム、バッグなどのキャラクターグッズが同梱されている。第3巻のみオリジナルエピソードが収録されたドラマCDも付く。ドラマCDはトールケース入りで、ジャケットも限定版DVD各巻とほぼ同じ仕様になっている。『水色時代』のDVD-BOXと同様に、小学館の雑誌に原作が掲載されたアニメとしては珍しく、DVDには『小学館ビデオ』の文字は一切入っていない。2008年10月から11月にかけて、CS放送局であるパワープラッツの103chにてPPV形式で早朝時間帯に放送された。以下の出典は『小学館:コミック』(小学館)内のページ。書誌情報の発売日の出典としている。
出典:wikipedia
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