カイヤ・サーリアホ(Kaija Anneli Saariaho, 1952年10月14日 –)はフィンランドの現代音楽の作曲家。ヘルシンキ出身。地元のシベリウス音楽院を卒業後、フライブルクにてブライアン・ファーニホウとクラウス・フーバーに師事し、パリのIRCAMでも経験を積んだ。1989年にイタリア賞を獲得、クロノス・カルテットのための作品によってリンカーン・センターからアルス・エレクトロニカ賞を、またアンサンブル・アンテルコンタンポランのための作品によってIRCAMより授賞されている。2000年にはソプラノと電子楽器のための《Lonh 》によって北欧協議会音楽賞を授与された。2001年にはロルフ・ショック賞音楽部門にて受賞している。余り言及がされないが、北欧出身でクラーニヒシュタイナー音楽賞の作曲部門を制した女性は彼女が最初である。音楽芸術誌上で間宮芳生 が絶賛し、日本の聴衆にもかなり親しまれた存在である。2014年度の武満徹作曲賞の審査員を務めることが発表されている。1980年代と1990年代の作品は、9人の奏者とライヴ・エレクトロニクスのための《光の弧 Lichtbogen》(1985-86年)や弦楽四重奏とライヴ・エレクトロニクスのための《睡蓮(秘密の花園III) Nymphéa (Jardin secret III)》(1987年)などのように、音色の強調や、伝統楽器と電子楽器の併用によって特徴づけられていた。チェスター出版社に移籍してからは次第にクラシック音楽への回帰が顕著となり、1990年代後半になると、電子楽器を手控え、しだいに旋律を強調するようになった。そして、旋律に伴奏そしてノイズといった極めて解りやすい音楽様式の提示へむかう。オペラの委嘱が入ったことで彼女の作風はさらに平明なものになり、極めてゆっくりなテンポの中を通常では考えられないほどのトレモロやトリルの長音を通じて、「一つの音色を聞き込む態度」がより顕在化してゆく。ただし、古典的なクラシック音楽に完全に回帰したわけではなく、彼女の作品はクラシック音楽の密度すら否定した協和音程の連続の音響体となっている。ミニマリズムの作曲家ではないが、反復進行は極めて多く、白色系の音色がいつまでも続いてゆく。フルートを使った作品に名作が多く、現代音楽のフルーティストはサーリアホの作品が定番のレパートリーとなっている。
出典:wikipedia
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