『ハリー・ポッターシリーズ』(英:Harry Potter Series)は、イギリスの作家J・K・ローリングによる児童文学、ファンタジー小説。日本での通称は「ハリポタ」。1990年代のイギリスを舞台に、魔法使いの少年ハリー・ポッターの学校生活や、ハリーの両親を殺害した張本人でもある強大な闇の魔法使いヴォルデモートとの、因縁と戦いを描いた物語。1巻で1年が経過する。第1巻『ハリー・ポッターと賢者の石』がロンドンのブルームズベリー出版社から1997年に刊行されると、全く無名の新人による初作であるにもかかわらず、瞬く間に世界的ベストセラーになった。子供のみならず多数の大人にも愛読され、児童文学の枠を越えた人気作品として世界的な社会現象となった。73の言語に翻訳され、シリーズ世界累計発行は4億5000万部以上になり史上最も売れたシリーズ作品となった。2001年から8本のシリーズで公開された映画(2011年完結)もシリーズ世界歴代2位の興行収入と大きなヒットを記録。当初から全7巻の構想であり、最終巻『ハリー・ポッターと死の秘宝』の原書が2007年7月21日に発売され、完結した。2010年6月には、フロリダのユニバーサル・オーランド・リゾートに、映画版のセットを模したテーマパーク:ウィザーディング・ワールド・オブ・ハリー・ポッター()が開園した。2014年7月15日にはユニバーサル・スタジオ・ジャパンでも開園した。孤児で、義父、義母(伯父、伯母)に冷遇され、従兄弟等にいじめられているハリー・ポッター少年は、11歳の誕生日に自分が魔法使いであることを知る。ホグワーツ魔法魔術学校へ入学し、いままで知らなかった魔法界に触れ、亡き両親の知人をはじめとした多くの人々との出会いを通じて成長する。そして、両親を殺害したヴォルデモート卿と自分との不思議な因縁を知り、対決していくこととなる。"より詳細なあらすじは、各巻記事を参照"全7巻からなる長編で、各巻の内容は相互に密接に関連している。作者のJ・K・ローリングは、インタビューで、プロットが重要なので力を注ぎ、「第1巻を書き上げる前に、全7巻のプロットができていた」と語っている。当初は、1997年から毎年1冊の刊行が予定されていたが、最終的には1-4巻までが毎年、3年おいて、5-7巻が1年おきの刊行となった。『ハリー・ポッター』シリーズは、世界各国で刊行されており、2008年時点で67言語に翻訳され、世界合計4億部(うち第1作が1億部)のベストセラーとなっている。珍しいところでは、ラテン語・古代ギリシア語など、日常で使われることのない言語にも訳されている。なお、著者のローリングは自著の電子書籍化に対して強固に反対しており、ハリーポッターシリーズの電子書籍版は販売されていなかったが、2012年にはオフィシャルストア「POTTERMORE」よりEPUB形式による販売が開始された。作品ごとのシリーズセットがあり、それぞれアメリカ英語版とイギリス英語版が用意されている。『ハリー・ポッター』シリーズは、ほとんどの固有名詞に意味が込められた命名がなされているが、固有名詞の翻訳状況は、各言語の事情によって異なる。中国語(特に繁体字版)では、「天狼星 布萊克」や「小仙女 東施」のように人名にも意味を重視した翻訳が成されている。スロベニア語では、固有名詞をスロベニア語に訳した上で、スペルを若干変更している。しかし、映画化にあたりワーナー・ブラザーズ社から、人名を変更しないよう要請が出され、各言語の翻訳者からは映画会社の横暴に不満が噴出したと言う。また、6巻終盤に登場した「R.A.B」のイニシャルも、オランダ語やノルウェー語などでは、人物の名字に意味を重視した訳語をあてていたため「R.A.Z」や「R.A.S」となった。このため他の言語と比較することで、その正体が予測できてしまうということもあった。松岡および静山社の、翻訳権獲得からミリオンセラーまでのサクセスストーリーは日本国内で大きな注目を集め、また翻訳の評判もよかった。一方、翻訳家や読者からは第1巻から誤訳・珍訳、文章力の問題点が指摘されており、2001年頃には児童読者からの誤訳の指摘も松岡の元に届いていた。以下には、主な問題点を挙げる。本シリーズは、1990年代のイギリスを舞台にした、ごく最近の物語である。原書においては、一部の登場人物に訛りや特徴的な口癖が与えられ、個性を表現しているが、日本語では英語以上に一人称や言葉遣いの表現が多様である(役割語等も参照のこと)。したがって、1990年代という時代設定から逸脱した一人称・言葉遣いを用いたことによって、原作と日本語版ではまるで印象が違ってしまっている登場人物も少なくない。明治大学教授で翻訳家の高山宏は、「魔術という古い世界と現代のティーンエイジャーの世界の交錯がこの作品の醍醐味なのですが、日本語訳では会話文と普通の文章がごっちゃになって読みにくい」と評している。この他、『手水場』『下手人』『旅籠』など時代がかった言葉が多いことも、「センスが悪い」と批判されている。口語としてあまりに不自然な場合、映画版の吹替え・字幕では修正されている。また、本文には、特殊フォント・太字・囲み文字・網かけ文字やイラスト風の囲みが多用されているが、いずれも底本のブルームスベリー社版には無い、日本語訳独自の演出である。これは、原作者の意向で本文中に挿絵が使えない制約を回避するため、読者がイメージを膨らませられるようにという松岡の解釈で勝手に付与された。高山宏は、イギリス版の中表紙のホグワーツの紋章をカットしたことを批判した上で「翻訳以前に、物語の持つ世界観を、最低限踏まえた上で紹介するのが訳者の責任だと思う」としている。しかし、紋章の不掲載についてはドイツ語版などでも行われており、日本語版だけの問題ではない。日本語の語彙が、正しい日本語の意味とは異なる意味で使われている箇所が多々ある。第2巻『秘密の部屋』の作中において「先天的疾患に対する差別的表現がある」として2000年10月に市民団体「口唇・口蓋裂友の会」が抗議、問題箇所の削除を要求。静山社は著者と共にこの市民団体と協議し同年11月「第六十六刷から該当箇所を削除」する事を回答。市民団体側は各都道府県教育委員会、全国の図書館や書店に対し配慮を行うよう同年12月に要望書を送付した。上下2冊組となった第4巻以降、返品を不可とする「買い切り制(責任販売制、買取り制ともいう)」となったため、一般の小売りと同等のリスクが発生した。この点については、第1巻・第2巻・第3巻が入手困難となったことから、書店業界側からの要望でもあった。また発行元である静山社自体が小さな出版社であるため、大量発注を受けた結果として大量の返品を抱えた場合のリスクが小さくないという出版社側の事情もある。2004年9月1日に第5巻『不死鳥の騎士団』は、初版290万セットで発売されたが、2週間以内に売れたのは65%にとどまった。発売後すぐに実売部数は200万部を越えるベストセラーとなったが、発行部数に対して大量の在庫が出たため、書店業界から悲鳴が上がる事態となった。これは、書店からの発注をそのまま受け入れて発行したからで、出版社(静山社)・取次会社(トーハン)・書店の調整不足が指摘されている。日本書店連合会からも高正味と買い切り制の採用や、静山社が広告を打たないことに対する不満が、複数回表明されている。こうした状況に対し松岡佑子は「クリスマスまでにたくさん売れるように期待しています。新聞広告などで私たちも応援したい」と発言。その結果、12月にネタばらしとなるキャッチコピーを広告に掲載し物議をかもした。その後の、第6巻、第7巻では、書店が発注を控えたため、第5巻ほどのトラブルは生じていない。『ハリー・ポッター』シリーズはワーナー・ブラザース映画によって映画化された。2001年に映画『ハリー・ポッターと賢者の石』が公開され大反響を呼び、その後も続編が次々と製作され、撮影はリーブスデン・スタジオで行われた。全作品を通じ、ハリー役はダニエル・ラドクリフ、ロン役はルパート・グリント、ハーマイオニー役はエマ・ワトソン。2016年には、スピンオフ映画『ファンタスティック・ビーストと魔法使いの旅』が公開予定。『Harry Potter and the Cursed Child』のタイトルで、2016年夏にウエストエンドのパレス劇場にて上演予定。J・K・ローリング、ジャック・ソーン、ジョン・ティファニーが手掛ける新たなストーリーとなり、本舞台は全7章の小説の続きとして、『ハリー・ポッターと死の秘宝』の19年後が描かれ、ハリーとその息子であるアルバスが登場する。脚本が2016年7月30日に発売され、日本語版脚本は『ハリー・ポッターと呪いの子』のタイトルで、2016年11月に発売予定。
出典:wikipedia
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