文学部(ぶんがくぶ)あるいは人文学部は、主として人文科学(人文学)及び社会科学の教育・研究を行う学部である。以下に述べるとおり、大学によって文学部という名称を付された学部の実際の教育及び研究領域は多様である。学位は主に学士(文学)など。文学部の学部名に冠せられた文学とは、「文学作品」という意味での文学 ("Literature") のことでは無く「文系」「理系」という意味での「文」である。文字 ("Letters") によって顕著に現れる人間精神 ("Humanity") ・文化 ("Culture") の探求、すなわち人文学である。ただし、設置している学校により、文学"Literature"の研究のみをおこなっていることもある。また、「文」という字には「研究する」「文ずる(もんずる)」という意味がある。「天文学」が天体を研究する学問を指すように、「人文学」は人間を研究する学問を指す。それ故、社会科学を含む人間精神の所産 ("arts") を研究する学問全体を指す人文科学を修する学部としての(広義の)人文学部という用法と、次に述べるより狭い意味で定義される文学部・人文学部とがある。狭い意味で述べる文学部はおおよそ哲学・史学・文学という人文学の三つの部門を持つ。人文系学部にはこの全分野を講座としてカバーしている大学の方がむしろ少ないが、伝統のある大きい大学ではきちんとそろえられている場合もある(とはいえ、それらの大学においても一学科制への移行やより説明的な学科名への改称・改組によって哲・史・文の領域が、学科として、明示的には示されなくなってきている)。さて哲学という学問は、近代以前の歴史においては自然科学や社会科学も含んで発展してきた。ゆえに、学問上におけるこれら諸領域の分化と相互交流が文学部という大学制度にも影響してくる。ナポレオン時代のパリ大学が神学・法学・医学・理学・文学の5学部制をとっていたように、歴史的には文学部に相当する学部の中で自然科学及び社会科学が扱われてきた事例も数多い。逆に哲学から自然科学及び社会科学の諸領域が分化していった結果が哲学を冠する学科や専攻等を文学部内に制度上存在せしめているという面もある。こういった歴史的経緯から、しばしば社会科学に区分される諸領域である教育学や心理学や社会学等が文学部内に存在する事例が数多い。同様にして、地理学や人類学、考古学など、大学によっては理学部で取り扱っているところもある分野も含まれている場合もある。文化学 (cultural studies) はドイツの"Kulturwissenschaften"に由来し、大雑把に捉えれば人文科学と同義である。従って。また、文学部はその内容上教養学部の根幹をなす一分野に近しいとも言われる(東北大学文学部の英語名は"Faculty of Arts and Letters"(学芸および文学部)である)。アメリカでは、こうした学問のカテゴリーをは、Human Studiesと表記することも多くなってきた。大学の構成上、文学部を学科として包摂する学部として文理学部や法文学部がある。いくつかの文学部はこれらの学部から分割されてできた。また、工学部に比せられるほど専攻が多い文学部は常に分離・改組の波にさらされており、例えば最近では中京大学、明治学院大学、立教大学、立正大学などが心理学科を改組し心理学部として分離し(立教大学は現代心理学部として)、同志社大学でも文学部文化学科心理学専攻から文学部心理学科を拡大改編し、2009年4月に心理学部を開設した。また、立命館大学文学部人文学科心理学域も2016年4月に総合心理学部が開設予定である。教育学科が教育学部として分離された例も多数あり、佛教大学では歴史学科が歴史学部として分離されている。哲学分野では、上智大学大学院で哲学研究科が設置されている。
出典:wikipedia
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