パイルバンカー (Pile Bunker) は『装甲騎兵ボトムズ』および派生作品に登場する架空の武器。巨大な金属製の槍（あるいは杭）を火薬や電磁力などにより高速射出し、敵の装甲を撃ち抜く近接戦闘装備である。ボトムズに限らず様々なアクション作品でパイルバンカーの名称、ないしそれと同じ様な機構を持つ武器や技が登場している。初出は『装甲騎兵ボトムズ』のクメン編に登場した、アーマードトルーパー(AT)「ベルゼルガ」の装備であった。この時点では脇役機体の武器のひとつに過ぎず、設定資料でも「杭」としか表記されていなかった。劇中でも目立った描写はなかったが、同作の外伝である『青の騎士ベルゼルガ物語』や『機甲猟兵メロウリンク』で主人公が扱う必殺兵器として登場し、各種設定や使用時の様子が詳細に描写された。考案したのは「ボトムズ」の高橋良輔監督であり、インタビューなどでは「杭打ち機」などの土木作業機械を基に考案した」と発言している。なお、ATの一部は、高速転回時に地面に打ち込む「ターンピック」を踵に持つが、これはパイルバンカーの脚部版とみなすことができる。こちらの使われ方はクレーンなどを地面に固定するアンカー機構に近い。ベルゼルガ登場以前に発表されていた設定資料ではこのターンピックがパイルバンカーという名称となっていた。いずれの兵器も純粋な質量弾を高速で至近距離からぶつけ、敵機に衝撃を与え、そして装甲を貫通し内部に損傷を与える運動エネルギー特化兵器である。一般に設定される能力は「一撃必殺」であり、最短の射程と最強の威力が同居する兵器とされている。

出典:wikipedia