ルチン(Rutin、ルトサイド、クェルセチン-3-ルチノシドとも)は、薬草などとして用いられていたミカン科のヘンルーダ "Ruta graveolens"から発見された柑橘フラボノイド配糖体の一種。タデ科のダッタンソバ、ソバの実に含まれており、ダッタンソバにはソバの100倍のルチンが含まれている。ダイオウ属植物の葉および葉柄、アスパラガスなどに含まれている。その他、ブラジルのの木の果実、エンジュの花、果物や果皮(特にオレンジ、グレープフルーツ、レモン、ライムといった柑橘類)、クワの実、トネリコの実、クランベリーといったベリーにも含まれている。化合物名は、単離されたヘンルーダの学名 "Ruta graveolens"から来ている。分子式は CHO で、クェルセチンの3位の酸素にβ-ルチノース(6-"O"-α--ラムノシル-β--グルコース)が結合したフラボノイド配糖体である。Fava d'antaでは、ルチン合成酵素活性によって生合成される。水から再結晶したものは通常3水和物で淡黄色の針状結晶。214–215 ℃ で分解する。CAS登録番号は [153-18-4]。天然ルチンは水に不溶性でアルコールには溶解する。そのため、水溶性の糖化したα-グリコシル-ルチンが食品添加物として利用される。1930年代に発見され、ビタミン様の働きがあることから単体でビタミンPと呼ばれていた。後にビタミンPを構成するクェルセチンやヘスペリジン、エリオシトリンなどいくつかの物質が発見され、ルチンが単体でビタミンPと呼ばれることはなくなった。日本ビタミン学会ではビタミンPをビタミン様物質として規定している。つまり、ビタミンPはビタミンではない。ルチンは俗に「健康によい」として様々な効能が謳われており、抗炎症効果や血流改善効果については数多くの論文にて報告されている。国立健康・栄養研究所の報告でも変形性関節症に対する有効性について言及されている。また、当該化合物の生体内代謝産物となる活性本体、クェルセチンについても、非感染性前立腺炎の治療に対して有効性が認められているほか、ドイツのコミッションEにおいても花粉症による炎症の抑制効果について効果が認められており、栄養学の見地からは、フードファディズムとは一線を画する微量栄養素と考えられる。ソバは 食品衛生法によるアレルゲンの特定原材料5品目の一つとして表示が義務付けられており、ソバから抽出されたルチンには、不純物としてソバアレルギーの原因蛋白質が含まれる可能性がある。ルチン(クェルセチンルチノシド)はクェルシトリンと同様に、フラボノイドクェルセチンの配糖体である。このように、両者の化学構造は非常に似ているが、ヒドロキシル基に違いが存在する。クェルセチンおよびルチンは共に多くの国で血管保護のための薬剤として使用されており、おびただしい数の総合ビタミン剤や植物性の生薬の成分である。ルチンは陽イオン(カチオン)と結合し、植物の細胞へ土壌から栄養素を供給する。ヒトでは、鉄イオンFeに取り付き、過酸化水素への結合を妨げ、細胞に傷害を与えるフリーラジカルの生成を抑える。また、抗酸化物質でもある。さらに、ルチンは"in vitro"において細胞毒性を示さない濃度で血管内皮細胞増殖因子 (VEGF) を阻害することが示されていることから、血管新生阻害剤として働く。このことは、ルチンがある種のがんの増殖および転移を制御できる可能性を示している。マウス、ラット、ハムスター、ウサギ、"in vitro"研究におけるルチンおよびクェルセチンの効果には多数の証拠があるが、ヒトの栄養補助食品としてのルチンの有意で好ましい効果を直接的に証明する臨床研究は存在しない。獣医学において、ルチンはイヌおよびネコの乳び胸の管理に使用されている。 ("Aspergillus flavus") においてが発見された。これはルチン異化経路の酵素である。
出典:wikipedia
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