セイウチ(海象、"Odobenus rosmarus")は、食肉目セイウチ科セイウチ属に分類される鰭脚類。本種のみでセイウチ科セイウチ属を形成する。名はロシア語でトドを意味する「シヴーチ」 () に由来する。なおロシア語では「モールシュ」 () と呼ぶ。北極圏の沿岸地帯および氷縁部に生息する。冬季でもポリニヤで生息し、特に南に移動しないが、三重県沖で捕獲されたことがある。かつてはカナダのセントローレンス湾、サーベル島近海、ノバスコティア海岸にも生息していたが、18-19世紀における肉と皮を目当てとした乱獲で、この地域の個体群は絶滅している。体長270 - 360センチメートル。体重500 - 1,200キログラム。皮膚には体毛が無いものの、厚い脂肪で覆われ寒冷地での生活に適応している。口の周りには堅い髭が密集する。この髭は海底で獲物を探す際に役立つ。雌雄共に上顎の犬歯(牙)が発達し、オスは100センチメートルにも達する。この牙はオス同士の闘争に用いる、外敵に対する武器、海底で獲物を掘り起こす、陸に上がる際に支えにする等の用途がある。またこの牙は生涯を通じて伸び続ける。セイウチはセイウチ科に分類される。セイウチ科は500万年程前には繁栄していたが、現存するのはセイウチ1属1種のみである。2005年現在3亜種に分ける説がある。氷山や海岸にオスとメス、幼体からなる大規模な群れを形成し生活する。オス同士の間でメスをめぐる戦いに勝ち抜いた個体が、多くのメスを所有するハーレムを形成する。群れに向かってきたホッキョクグマに対しパニックを起こし、逃げようとした他の個体の下敷きで轢死し、捕食された例も報告されている(特に子供の個体は危険)。しかし成獣の個体が逆にホッキョクグマを追い返す姿も確認されている。なお、セイウチの牙は急所を突けばホッキョクグマの四肢や内臓に大損傷を与え得る威力とサイズを持つが、ホッキョクグマの爪や牙では成体セイウチの分厚い脂肪に阻まれ致命傷を与える事は難しいとされる。これらのリスクによりホッキョクグマがセイウチを襲うことは稀である。なお、海中でシャチに襲われる例は確認されている。食性は動物食で、貝類等の軟体動物、甲殻類等を食べる。またワモンアザラシの幼獣を捕食する場合もある。日本では伊豆・三津シーパラダイスで1977年(昭和52年)に、日本で初めてセイウチの飼育を開始したのをはじまりに、幾つかの施設で飼育され、また、1994年(平成6年)には、鴨川シーワールドがはじめて繁殖に成功している。
出典:wikipedia
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