『仮面ライダー剣』(かめんライダーブレイド、欧文表記:"MASKED RIDER BLADE")は、2004年(平成16年)1月25日から2005年(平成17年)1月23日までテレビ朝日系列で毎週日曜8:00 - 8:30(JST)に放映された特撮テレビドラマ作品、および作中で主人公が変身するヒーローの名称である。「平成仮面ライダーシリーズ」の第5作目に当たる。キャッチコピーは「今、その力が全開する。」「運命の切札をつかみ取れ!」。本作品における仮面ライダーは「ライダーシステム」と総称されるシステムを用い、トランプをモチーフとする「ラウズカード」に封印されたアンデッドの能力を引き出すことによって、仮面ライダーへの変身と特殊技の発動を行う存在として位置付けられている。同じくカードを駆使して戦うスタイルであった『仮面ライダー龍騎』との差別化が制作上の課題となっており、結果としてポーカーのように一度に特定の複数枚のカードを使い、組み合わせによって強化技が異なるという要素を盛り込むことで、戦闘スタイルにバリエーションを持たせている。前述の設定から、敵怪人に当たる「アンデッド」の数も当初から52体(後に53体)と明かされていた。そして、不死身である存在を倒す方法が「封印」であることも大きな特徴であり、倒されて封印された怪人が復活することもある。また、仮面ライダーのモチーフもトランプのマークであり、それに合わせて制作発表時から「登場するライダーは4人」と明かされていた。同時に、虫とのダブルモチーフである。内容は前作の『仮面ライダー555』同様、怪人側にもスポットを当てたエピソードが複数存在するが、前作が「人間の心を残したまま異形の存在になってしまった者」の悲劇を描いたのに対し、本作では「異形の存在として生まれながら人間の心を持ってしまった者」の苦悩が作中で描かれ、主人公サイドの登場人物であり、後者の要素を持つ相川始の苦悩や葛藤、その処遇を巡ったストーリーが展開された。また、中盤では追加メンバーである上城睦月のトラウマに対する克服も大きく取り上げられた。本作品にバイクなど車両を提供しているホンダが、前年(『555』を参照)に引き続き「仮面ライダーブレイドHonda」チームを結成して鈴鹿8時間耐久レースへのエントリーを行った。ブレイドのスーツを着用してレースに参加する山口辰也は、タイアップとして本作品の第24話・第25話にもゲスト出演を果たした。レース結果は総合4位での完走となっている。このレースにおいては、参加ライダーがブレイドとギャレンをモデルとしてデザインされたヘルメットとスーツを着て出場していた。監督は宮城光。ブレイド役は山口辰也、ギャレンは徳留和樹。初期の仮面ライダーシリーズが持っていた作品の連続放映期間と放映回数の記録を、本作放映期間中に平成ライダーシリーズが更新した。それまでの最長は第1期(初期仮面ライダーシリーズ)の第1作1971年4月3日放送 - テレビスペシャル『全員集合!7人の仮面ライダー!!』1976年1月3日放送、4年9か月間、全249回。それに対して平成シリーズは本作品までで、『クウガ』2000年1月30日放送開始 - 『剣』2005年1月23日放送終了、5年間、全251回である。『剣』のコンセプトの一つに「職業としての仮面ライダー」がある。主人公の剣崎と先輩の橘は組織に属し、仮面ライダーとなって戦うことで給与を得ている。作中のセリフにも「これが仕事」「給料」など職業を連想させるものが多い。この設定は、ヒーローの帯びる正義を曖昧なものにした『龍騎』や『555』へのアンチテーゼになっている。ヒーローの戦う意義が、公共性を守ることから個人的な欲望へと変化した時代において、「職業倫理」という個人に内在する形で正義を捉え直そうという試みである。また、刑事を超人ではなく等身大の労働者として描いて大ヒットした1997年のドラマ『踊る大捜査線』の影響が指摘されている。かつての特撮ヒーローは、善悪のはざまで悩むことはあっても職業倫理とはほとんど無縁だった。しかし、医師やレスキューなどの特定職業の労働観を掘り下げたコンテンツが多数作られる時代にあっては、子供向け番組であっても職業倫理と無関係ではいられなかったと考えられる。しかし、本作が職業ドラマとして徹底されたとは言いがたい。商業的不振や脚本陣の交替もあって、後半は事実上の路線変更を行っている。黒幕となるのが剣崎らの元の雇用主で、彼らが仕事にかけた夢を搾取してきた張本人という設定に見られるように、職業というテーマが完全に放棄されたわけではない。だが、後半のドラマの中心となるのはバトルロワイヤルの行方と、それに絡んだ剣崎と宿敵・相川始の間に結ばれた友情の描写である。職業ライダー個々人の動向に着目すると、まず剣崎は子供のころに両親を火事で失っており、当初は自分だけ助かったことへの罪悪感を解消するための義務として過酷なライダー業務に従事している。中盤で善良なアンデッドの嶋に諭された剣崎は、「俺の体を動かすのは使命とか義務ではない」「人を愛しているから戦っているんだ」と自覚し、社会とのつながりや他者への貢献を自らの幸福とする先進的な職業倫理に目覚める。そして最後には、親友のアンデッド・始と人類という両立し得ないものを同時に救うため、自らを犠牲にして姿を消すというヒロイックな愛へと至る。もうひとりの橘は、組織への不信感・過労死への恐怖・自分より有能な後輩の存在・恋人と仕事のどちらを取るかという葛藤など、一般的なサラリーマンによく見られる課題を抱えている。ところが第1話で早くも所属組織が壊滅するうえ、上司の烏丸はチベットに渡航してほとんど不在となるので、橘に備わっていた職場という舞台でこそドラマを生んだはずの要素は、宙に浮いた格好となる。個人としての橘には大きな見せ場も用意されていたが、組織人としての職業倫理にまつわる描写は中途半端に終わった。本作で中途挫折した「職業としての仮面ライダー」を描く試みは、次作『仮面ライダー響鬼』で全面的に展開することになる。『仮面ライダー龍騎』の路線を継承し、カードダスや各種付録という形で頒布された「ラウズカード」が、玩具と連携してギミックを発動させる仕組みになっている。DX変身ベルトブレイバックルはギミック選定が難航したため、番組放映開始よりも発売が遅れた。また、ラウザーとセットで購入してもらうためにはベルトを安くする必要があったのだが、ハンドル操作でバックルが180度回転するターンギミックを安価に抑えることができなかった。醒剣DXブレイラウザーは、透明トレイが扇状に展開する劇中のギミックを再現。7セグメントディスプレイに表示されたアタックポイントが、読み込ませたラウズカードに応じて変動するエネルギーカウントシステムを搭載している。しかし販売対象である児童は数値の計算に興味がないか、あるいはそもそも計算できないため、高額な液晶を使用したにもかかわらず狙いはずれの結果となった。醒銃DXギャレンラウザーにもほぼ同様のカードリーダー機能が搭載されているが、このギミックが商品価格を吊り上げる要因となり、またブレイラウザーとの明確な差別化もできず、中途半端な結果に終わった。後に再びカード対応玩具を取り上げた『仮面ライダーディケイド』の「変身装填銃DXディエンドライバー」から読み取り機能が排され、その分だけ価格が安くなっているのは、このときの反省に基づいている。『剣』玩具の総決算である重醒剣DXキングラウザーは自動改札機をモチーフとし、電動で連続してカードを取り込む高度なギミックを搭載。ラウズカードを多く持っているほど楽しめることを意識しており、ポーカーの役に対応したさまざまな必殺技音声が発動する。劇中未使用のジョーカーもワイルドカードとして機能する。放映当時の『剣』は低視聴率に苛まれ、インターネット上では後述の「オンドゥル語」に代表されるように皮肉の題材として扱われていた。また本作品にて監督を務めた長石多可男の「俺、自分が悲しかったもんな。『こんな連中(役者)と一緒に仕事しないといけないか』って」「今年は風景ばっかり撮ってる。どうしてかはわからない。俺がダメなのかもしれない」といったコメントや、後半のシリーズ構成を務めた會川昇が前半の内容について後年「日笠(淳)の個性が感じられない」と感じていたことを明かしたり、脚本で途中参加した井上敏樹も「番組がイキイキしていない」「新しいことをやろうという感じがしなくもったいない」という印象を持っていたと述べるなど、関わったスタッフからも決して好意的とは言い難い見解が出されている。他方、2010年代になると本作品に対する再評価が進み、序盤は内容のわかりにくさなどから評価が低いが中盤以降の盛り上がりを評価する意見も出ている。放送当時は序盤で視聴を止めたが後に見返して評価するようになったと述べる著名人の意見もある。インターネットスラングの一つ。椿隆之演じる主人公・剣崎一真のセリフを元にして、一部の視聴者が創り出した「言語」である。由来は第1話でローカストアンデッドに殴打されている剣崎(仮面ライダーブレイド)が、建物の影に佇んだまま行動を起こさない先輩の橘朔也(仮面ライダーギャレン)に対して言った「本当に裏切ったんですか!?」というセリフが、滑舌が悪かったため不明瞭で「オンドゥルルラギッタンディスカー!?」に聞こえたというように表現されたことにある。また第3話における橘の「俺の身体は、ボロボロだ!!」というセリフも発音が不明瞭で「オデノカラダハ、ボドボドダ!!」と表現され、オンドゥル語の一種と認識されている。表記には半角カナを使うことが多い。2011年の『ネット版 オーズ・電王・オールライダー レッツゴー仮面ライダー 〜ガチで探せ! 君だけのライダー48〜』では、Type10.のサブタイトルが「ピーマン!オンドゥルラギッタンディスか?〜みずがめ座O型の君へ」となっている。椿はオンドゥル語の一件について「実際の口論では言葉が伝わらないのが現実だ」として、それよりも自分の感情が届いているのかを気にしていたという。スラングの題材にされたことを不快には思っておらず、むしろ話題を呼んで作品を盛り上げる要素になったと肯定的に捉えている。人類基盤史研究所(BOARD)。それは「ヒトが地球を制した背景には、進化論で説明できない理由が存在する」との仮定に立ち、その理由を究明するために作られた機関である。彼らは研究対象の、不死の生命体・アンデッドを様々な生物の祖であるとした。しかし3年前、アンデッドの大半の封印が解かれ、人間を襲い始めた。BOARDは所長・烏丸啓の指揮の下、アンデッドを「ラウズカード」へと封印すべく、アンデッドの能力を応用した特殊装備「ライダーシステム」を開発する。BOARDの新人職員・剣崎一真 / 仮面ライダーブレイドは、先輩の橘朔也 / 仮面ライダーギャレンと協力してアンデッドの封印に当たっていた。しかしある日、BOARDはアンデッドの攻撃で壊滅し、橘は不可解な失踪を遂げる。剣崎は生き残った研究員・広瀬栞とともに、仮面ライダーの取材を試みていたライター・白井虎太郎の家に居候し、個人的にアンデッド討伐を続ける。戦いの中、剣崎は相川始 / 仮面ライダーカリスと遭遇する。カリスはBOARDが開発したシステムではなく、始の正体はどうやらアンデッドらしい。始は人間を軽んじる一方で、彼が身を寄せる栗原親子のことは気遣う様子を見せる。剣崎は当惑しつつ、始を静観することに決める。そのころ橘は、ライダーシステムに肉体を蝕まれ、烏丸らへの恨みを抱えながらさまよっていた。実はシステムに欠陥はなく、苦痛の原因は橘自身の精神的弱さに起因していたが、彼はそれを認められず、かりそめの力を与えてくれた伊坂 / ピーコックアンデッドの言いなりとなって闘いに耽溺していく。伊坂は自分の走狗となる新たなライダーシステムを開発しようともくろんでおり、そのために必要なラウズカードを橘に集めさせていた。橘を愛する深沢小夜子は彼に戦いから身を引くよう訴えるが、伊坂に邪魔者と見なされて殺害される。怒りに燃えた橘は内なる恐怖を克服し、伊坂に反旗を翻してカードへと封印する。伊坂の遺したライダーシステムは、基幹をなすスパイダーアンデッドの邪悪な意思を色濃く反映するものだった。幼いころに誘拐されたトラウマに苛まれる高校生・上城睦月は、スパイダーアンデッドに魅入られて仮面ライダーレンゲルとなり、力を誇示するかのように見境なく戦闘に介入する。橘は先輩として睦月を指導し鍛えようとするが、それでもアンデッドの呪縛は強く、睦月の精神を侵食していく。そのような折、研究のためチベットに向かった烏丸の使いとして、争いを好まない嶋昇 / タランチュラアンデッドが現れる。嶋と対話した剣崎は、自分の戦う理由が使命や義務ではなく愛だと悟り、ジャックフォームへの強化変身能力を得る。さらに嶋は、睦月の力となるためにあえてカードへ封印されるが、効果は現れずに終わる。橘は栞の父・広瀬義人と接触し、剣崎が封印したアンデッドと融合しつつあること、始の正体が特殊なアンデッド・ジョーカーであることを知らされる。アンデッドはそれぞれの種を代表してバトルファイトに参戦し、最後まで勝ち残った種が地上の支配権を得る。人類の祖・ヒューマンアンデッドが1万年前の戦いを制したため、今日の人間の繁栄がある。しかしどの生物の祖でもないジョーカーが勝者となれば、すべての種が滅んでしまうという。剣崎の身を案じた橘はジョーカーの危険性を訴えるが、始を信じる剣崎は力ずくでも考えを曲げない。広瀬は剣崎を安全に確保する必要があると橘を言いくるめ、改造実験体トライアルを差し向ける。剣崎は戦いの中でアンデッド13体と融合したキングフォームへと進化してトライアルを倒すが、その力に呼応した始はジョーカーとしての自分を抑えきれなくなる。ただ強さだけを渇望する睦月はジョーカーに興味を抱き、やみくもに戦いを挑んで敗走する。誇り高い戦士である城光 / タイガーアンデッドはそんな睦月にあきれつつ、闇を抱えてもがく彼のことを見守る。始を救いたいと願う剣崎は、睦月や橘と取引してラウズカードを集める。彼からカードを受け取ったジョーカーはワイルドカリスの姿を得て、自我を安定させる。橘によって広瀬のもとに連れてこられた剣崎は、病身の妻を癒すために不死の秘密を求めた広瀬がアンデッドを解放したと聞かされ、さらに剣崎の肉体がアンデッドとの融合を繰り返したせいでジョーカーに近づきつつあることを教えられる。その後、広瀬は睦月をそそのかして剣崎を襲わせる。剣崎はキングフォームとなって応戦するうちに理性を失って暴れだし、橘の制止も受けつけない。駆けつけた始の説得でようやく正気に返った剣崎は、キングフォームの力を使いこなしてみせると決意する。広瀬の前に現れた元BOARD理事長・天王路博史は「本物の広瀬義人はすでに死んでいる。君はトライアルBだ」と告げる。トライアルBは広瀬の遺志を継いでアンデッド研究を続けようとするが、父の偽者の存在に怒った栞に呼び出される。待ち構えていた剣崎らとトライアルBは戦闘に入り、そこへ天王路が差し向けたトライアルGも加わる。乱戦の中、トライアルGが栞に危害を加えようとするのを見たトライアルBは、天王路に改竄される前の記憶を取り戻し、広瀬から託されていた栞をかばって力尽きる。現代のバトルファイトに不自然さを感じた光は、統制者のモノリスを管理する天王路が一連の出来事を仕組んでいたと突き止める。もはや誇りある戦いができないと悟った光は、暴走を続ける睦月に封印されることを選ぶ。光と嶋のカードを手にした睦月は、2人の助けを得てスパイダーアンデッドの呪縛を打ち破り、ついに「本当の仮面ライダー」となる。天王路は人造アンデッド・ケルベロスを誕生させる。彼の目的は、自ら創造した種をバトルファイトの勝者に据えて地球の全生命の支配者となることであり、BOARDも仮面ライダーもそのための道具でしかなかった。悪しき野望を阻止するため団結した4人ライダーはケルベロスを倒し、天王路は金居 / ギラファアンデッドにとどめを刺される。残るアンデッドは、始と金居だけになった。人類存続のためには、現在封印中のヒューマンアンデッドを勝者にしなくてはならないと考えた橘は、睦月の持つ封印解放のカードを要求する。ジョーカーとしての運命に抗おうとする始を信じた睦月は拒否するが、橘には勝てず倒れる。しかし土壇場で橘も仲間を信じることを決め、捨て身の勝負に持ち込んで金居を封印する。ジョーカーが唯一のアンデッドとなった瞬間、始の意思とは無関係に、世界を滅ぼす怪物ダークローチが無限に湧き出てくる。だが、ジョーカーを封印する以外に人類を救う手段はないとわかっていても、剣崎は始に対して非情になることができない。睦月はジョーカーに挑んで敗れ、烏丸に救われていた橘も戦闘能力は残っていない。絶体絶命の状況でついに決意を固めた剣崎は、始との決戦に赴く。始は親友の手で封印されることを望んでいたが、剣崎は全力を出すよう求める。戦闘の激しさが最高潮に達したとき、不意に剣崎は変身を解く。緑の血を流す剣崎を見た始は、彼が戦いを通じてアンデッドと限界以上に融合し、もうひとりのジョーカーへと変貌したことを悟る。アンデッドが2体になったため勝敗は未決着の状態に戻り、ダークローチは消滅した。しかし剣崎と始が近くにいると、いやおうなくバトルファイトが再開してしまう。アンデッドの運命と戦い、勝ってみせると宣言した剣崎は、始に別れを告げてひとり姿を消す。こうしてアンデッドの脅威は去り、橘や睦月、栞や虎太郎は平穏な生活へと戻った。始もまた、友の犠牲で得た人間の中での生をかみ締めながら、栗原親子の待つ家へと帰るのだった。地球上に生息する様々な生物の始祖たる不死の生命体。いかなる方法を用いても死ぬことがないことからアンデッド("undead")と命名された。現代において人為的に発生した個体を除くと53体存在。また劇場版では54体目も登場する。1万年前に行われたバトルファイト(後述)の結果52体がラウズカードに封印されていたが、物語開始から2年余り前、封印が解かれ現代に蘇った。不死であるその活動を制限する方法は、専用のラウズカードに封印する以外に存在しない。アンデッドはその分類ごとに、あらかじめトランプでいうスートとカテゴリーがそれぞれに定められており、過大なダメージを受けると腰部の〈アンデッドバックル〉が展開、スートとカテゴリーを確認することが可能になり、ブランクのラウズカードによって封印することができる。多くの場合、仮面ライダーはラウズカードを投擲し、突き刺す事でアンデッドを封印するが、これは必ずしも必要な動作ではなく、カードがアンデッドに触れさえすれば封印は可能である。名前は基本的に「モチーフ生物の英名+アンデッド」だが、これはあくまで種の名であり、これとは別に固有名がある。アンデッドはそれぞれの属するカテゴリーにおいてその戦闘力に差異があり、カテゴリーAに属するアンデッドや、後述する上級アンデッドやジョーカーは他のアンデッドよりも高い能力を備えている。体液は緑色で、物語序盤・劇場版ではアンデッドのみが理解できる言語を使用する。デザインは主に韮沢靖が手掛けた。韮沢は高橋章による『仮面ライダー』のショッカー怪人・ゲルショッカー怪人をリスペクトし、人型で仮面を付けた様なデザインを基本としている。また、前作『仮面ライダー555』のオルフェノクが白を基調としていたため、差別化として黒を基調にモチーフとなる動物固有の模様やディテールを配している。デザインの特色である全身のブラックレザーとビスは1万年前の戦いの傷を修復したイメージで、ローカストアンデッドなどは仮面の下に素顔があると韮沢は語っている。各スートにおいて、J、Q、Kのカテゴリーに属する12体のアンデッドを指す。その存在を予見していたBOARDによって上級アンデッドと呼称された。上級アンデッドは他のアンデッドよりも強大な力と高い知能を兼ね備えており、さらにその外見を人間の姿に化身させることが可能である。人間や自分たちよりカテゴリーの低いアンデッドを、マインドコントロールして操ることができるほか、人間の姿でも特殊能力を使用できる。彼らは解放されてから短期間で人間の言葉をマスターし、化身により怪しまれることなく人間社会に潜伏している。一般的なアンデッドとの外見上の違いは、アンデッドバックルが金色で、ウロボロスのエンブレムが骨化している。いかなる生物の始祖でもないアンデッドであり、バトルファイトにおいてもイレギュラーな存在とされている。腰部には他のアンデッドの〈アンデッドバックル〉ではなく、バックル部分に〈スラッシュ・リーダー〉が設けられたベルト型カードリーダー・〈ジョーカーラウザー〉が装備されている。基本カラーは黒と緑。他のアンデッドをモノリスもカードも必要とせず封印でき、ジョーカーラウザーによりその姿(相違点はアンデッドバックルからジョーカーラウザーに変わっている)と能力をコピーする能力を持つ特殊な個体である。戦闘能力も他のアンデッドとは比べものにならないほど高く、性格も極めて残忍である。マンティスという名のブーメランが武器。バトルファイトにおいてこのジョーカーが勝者となった場合には、ジョーカーの肉体やモノリスからダークローチと呼ばれる怪生物が無数に出現、地球上の生物が全滅するとされている。そのためジョーカーは、バトルファイトを影で支配する残酷な殺し屋として、他のアンデッドからも恐れられ忌み嫌われていた。1万年前のバトルファイトでは、ヒューマンアンデッドに敗北し、封印されていた。ジョーカーが♥2「SPIRIT」を用いてヒューマンアンデッドの姿に変身した姿が、相川始=仮面ライダーカリスである。解放された後は、本能の命ずるまま他のアンデッドを次々と封印していき、そんな中でヒューマンアンデッドを偶然発見し、封印した。しかしヒューマンアンデッドが、カードからジョーカーの精神に働きかけたことで、ジョーカーは自分の行動と運命に疑念を持つようになっていった。また、剣崎もキングフォームを徹底的に酷使した結果、肉体がアンデッド化し、最後には新たなジョーカーとなった。デザインのモチーフは、トランプカードに描かれたジョーカーを基本としつつ、帽子の形状から連想したカミキリムシの要素を加えてある。劇場版には、亜種であり上級アンデッド同様人間に化身できる、「アルビノジョーカー」が登場した。アンデッドの細胞と、人間のデータや細胞を組み合わせて人工的に作り出された実験体。下級アンデッドを遥かに凌ぐ戦闘能力を持つ。アンデッドサーチャーで発見することはできない。過大なダメージを受けると腰部のバックルが展開し、一時的に活動を停止するが、封印することはできず、突き刺さったラウズカードを吸収し無効化する。その後、短時間で復活してしまう。ゆえにその活動を完全に停止させるには、強大な威力を持つ技(劇中では、ロイヤルストレートフラッシュやワイルドサイクロン等)でその肉体を完全に消滅させる必要がある。開発者は広瀬義人と、その記憶を引き継いだトライアルB。劇中にはBのほかにトライアルD、E、F、Gが登場した。超バトルビデオ『仮面ライダー剣(ブレイド)VSブレイド』では、トライアルEの同型が登場し、剣崎・ブレイドに化けた。複数のアンデッドを、モノリスの力を借りて人工的に合成することによって生み出した存在。成前のアンデッドの個々の容姿を半分ずつ継ぎ合わせたような容姿で、アンデッドバックルも2つあり、個々の能力を総合的に持ち合わせている。トライアルシリーズと合成アンデッドの技術を基に、全てのアンデッドのデータと細胞を人工的に融合して作り出したカードを作製、モノリスの力でアンデッドとして具現化させた存在。トライアルシリーズと違い、アンデッドであるためカードによる封印が可能。上級アンデッドやジョーカーをもまるで寄せ付けない異常に高い戦闘能力を誇り、他のアンデッドを封印し吸収する能力を持つ。アンデッドを封印するためのカードで、不死生物であるアンデッドを「倒す」唯一の方法である。ラウズカードには大きく分けて3種類のものが存在する。カードの一覧は後述の表を参照。4種のスートに分かれ、それぞれA - Kの13枚が存在する。アンデッドが封印される前のカードをプロパーブランク、アンデッドが封印されたものをプライムベスタと呼ぶ。各ライダーは特定のスートのカードを1セットずつ持っており、ライダーの持つラウザーにプライムベスタを通すと様々な効果を発揮する。プロパーブランクは、封印されるべきアンデッドと対峙すると発光し、相手がどのカテゴリーなのかを知ることができる。ラウザーとプライムベスタのスートが異なる場合も、プライムベスタの効果は発揮される。スートやカテゴリーの決まっていないカードであり、アンデッドが封印される前のカードをコモンブランク、アンデッドが封印されたものをワイルドベスタと呼ぶ。手持ちのプロパーブランクとスート・カテゴリーが適合しないアンデッドを封印するような場合に用いられる。封印できるアンデッドがあらかじめ決められているプロパーブランクとは異なり、スートやカテゴリーを問わずにアンデッドを封印できる便利なカードであるが、アンデッドを封印したワイルドベスタは「封印されているアンデッドと対応するスートを持つラウザーでしか使えない」という点でプライムベスタに劣る。封印されているアンデッドと対応するスートを持つラウザーやラウズアブゾーバーに一度近づけたり通したりすることでカードにスートが加わり、ワイルドベスタからプライムベスタへと変化させることができる。ブレイドがキングフォームになると同時にスペードスートのプライムベスタが変化したもの。表面はキングフォームのアーマーと同じディアマンテゴールドでコーティングされ、絵柄も若干変化し、カテゴリー2 - 10のFP/MP値が上昇している。実体あるカードとして収納されているわけではなく、使用に際して手元に現れる形になっている。仮面ライダーはラウザーと呼ばれる覚醒機を持っている。ラウザーにはカードリーダーが内蔵されており、アンデッドの封印されたラウズカードを通すことによってカードの固有能力を引き出し、ライダー自身の身体能力や武器能力を向上させることが可能。これに加えてブレイドとギャレンのラウザーには2 - Kのラウズカードをすべて格納することができるホルダーも内蔵されており、戦闘時においては必要に応じてホルダーを展開、すぐラウズカードを使用できるように配慮された構造になっている。チベットに渡った烏丸がブレイド・ギャレン向けに開発した左腕に装備するパワーアップアイテム。中央部の〈インサート・リーダー〉にQ「ABSORB」をセットすることでアブゾーバーを起動、さらにJ「FUSION」またはK「EVOLUTION」を〈スラッシュ・リーダー〉にラウズすることによって、フォームチェンジ(強化変身)させる。ラウズアブゾーバーには3枚分のカードホルダーが存在し、ブレイドとギャレンは、アブゾーバーを手に入れてからはJ・Q・Kのカードをここに収納するようになった。システムが異なるレンゲルはラウズアブゾーバーに対応しておらず、カードをそろえてもフォームチェンジできない。しかしまったく機能しないわけではなく、劇中ではギャレン用ラウズアブゾーバーを借りてQ・Kの力を引き出し、カテゴリーAの支配に対抗した。WA「チェンジケルベロス」(赤、緑)は劇場版で仮面ライダーラルク、ランスが使用。上城睦月役の北条隆博は当時18歳であり、レギュラー登場のライダーとしては最年少だった。またかつて特撮ヒーローを演じた森次晃嗣(『ウルトラセブン』)、春田純一(『大戦隊ゴーグルファイブ』、『科学戦隊ダイナマン』)、相澤一成(『超光戦士シャンゼリオン』)が物語の悪役として登場した。東映側のメインプロデューサーは、仮面ライダー作品は初となる日笠淳が担当した。メイン監督は前3作を手がけた田﨑竜太に代わり、『仮面ライダークウガ』以来のメインとなる石田秀範が務めた。メインライターは当初、特撮番組は初参加となる今井詔二を迎えてスタートしたが、中盤からはゲストライターだった會川昇が引き継ぐ形となった。本作品でアンデッドデザインを多数手がけた韮沢靖は、後の『仮面ライダーカブト』、『仮面ライダー電王』、『仮面ライダーG』にも怪人のデザインで参加しており、これは『カブト』の白倉プロデューサーがアンデッドのデザインに感銘を受けての起用だったという。また、『仮面ライダーアギト』のアンノウン以来となるライダー怪人のデザイン画集『UNDEAD GREEN BLOOD』が発刊された。前期オープニング曲として使用されていた「Round ZERO 〜 BLADE BRAVE」は、前々作の『龍騎』に続く女性ボーカルを起用した曲で、TVシリーズでは2曲目となっている。また後半では平成ライダーシリーズとしては珍しく、OP曲・映像が完全に刷新されている。後期OP曲「ELEMENTS」は、1st ED「覚醒」を担当したRickyと、仮面ライダー公式バンドであるRIDER CHIPSが担当。RIDER CHIPSは過去の仮面ライダーOP曲のカバーは数曲作成していたが、関わった仮面ライダーOP曲はこれが初であり、またRickyは後にRIDER CHIPSの正式なメンバーの一員となった。また本作品では、戦闘時のエンディング曲(挿入歌)のボーカルを出演者の天野浩成、森本亮治がそれぞれ担当した。椿隆之・北条隆博ら他のレギュラー出演者も番組関連CDに単独のボーカル曲が収録されている。『クウガ』から音楽ディレクターとして参加していた本地大輔は、放映途中にインターチャネルへ移籍したため本作品をもってシリーズの音楽制作から離れた。放送フォーマットとしてのEDは原則として存在しないが、EDテーマと呼ばれる楽曲は従来通り制作されている。これらの曲は、各話のクライマックスで挿入歌的に使われた。なお、最終回のスタッフクレジットはBGMが使われた。また、スタッフクレジットもロール式ではない。各回にはタイトルは無く、ここで「放映題」としているものは、新聞のテレビ番組欄やテレビ番組情報誌、テレビ朝日公式ページにて表記されたものである。なお、シナリオタイトルも、先行して特撮専門誌やホビー情報誌に「仮タイトル」として掲載されることが多いため併記した。各話終了時は数多のラウズカードがズームアウトで表示されるという演出で、途中からはそのうちの1枚がアップで表示され、最終話では裏面がアップで表示された。※32話 仮面ライダーブレイドの変身待機音がレンゲルの変身待機音になっているという編集ミスがある。38話の本編では、前日発生した新潟県中越地震の被害状況や気象庁からの情報などをL字型画面で放送。
出典:wikipedia
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