フォール技(フォールわざ)、ピンフォール技、または押さえ込み技(おさえこみわざ)はプロレス、アマチュアレスリングの試合で相手レスラーからピンフォールを奪うために使用される技である。フォール技はプロレスにおける試合の決着方法の一つであるピンフォールを相手から奪う目的で相手に仕掛ける技の総称である。大まかに分けて以下の2つのパターンに分けることが出来る。この他に、ジャーマン・スープレックスやパワーボム、ダイビング・ボディ・プレスなど、技自体でピンフォールを奪うことが出来る投げ技や飛び技などがあるが、これらは原則フォール技に含めないが、広義のフォール技では含む場合がある。クイック(Quick)とは一瞬の隙を突いて相手を押さえ込み、ピンフォールを奪って勝利する行為である。格下の者が格上の相手に勝つ場合に使われることが多い用法であり、格上の者がフォールを奪いに来た際に、隙をついて丸め込んで逆転勝利するといったものである。大技で格上の相手に大きなダメージを与えたうえでのスリーカウント勝ちや、ギブアップによる勝ちではないため、実力的に相手より上回ったことを証明するような勝ち方ではないが、勝ちは勝ちである、という意味がある。主に一瞬の逆転技であるため、対戦相手の名前にもそれほど傷を付けることがない。クイックを使用し勝敗を決することで両者間での抗争アングルをより本格化出来る利点がある。また、若手の格上げの第一段階に使われる。その他にも、試合終了時間が迫ってきた時に丸め込みの応酬を行ったり、タッグマッチなどで仲間割れから丸め込んで決着するなどのポピュラーな用例がある。また、若手が明らかに格上の相手に挑戦するときなど、はじめから丸め込みを狙う場合や、どんな相手にも丸め込みを仕掛ける(丸め込みを自分の持ち味とする)レスラーもいる。かつて、NWAが健在だった時代は、パット・オコーナー、リック・フレアーらのNWA世界ヘビー級王者によって、クイック技での決着はよく行われていた。これは、挑戦者がその地区ではベビーフェイスであり、NWAがそれら各地区の連合体であるため、クイック技や王者反則負け防衛という「挑戦者に傷を付けない防衛手段」が必要とされていたためである。以下の記述で「エビに固める」とは、仰向けになった相手の足を前屈状態で「く」の字に折り曲げ固める体勢のこと。海老を上下にひっくり返した状態からこう呼ばれる。体固め(たいがため)またはカバー (cover) は最も基本的で、多用されるフォール技である。通常は技を受けて仰向けに倒れている相手の上半身に覆いかぶさる様に自分の上半身を重ねて体重を乗せ、両肩が上がらないように固めてレフェリーにカウントを取らせる。横四方固や袈裟固、または縦四方固でがっちりと固めない限り相手に返されることも多いが、エンタテイメント性を重視するプロレスにおいては体固めを返す攻防も見せ場の一つとなっているため、あえて覆いかぶさるだけの体固めが使用される場合もある(ピンフォール#観客の反応を参照)。この技を受けた選手はフォール負けを避けるためブリッジや体を回転させることによって切り返す。全日本女子プロレスの新人同士の試合は、この技で決着が付くことが多かったので、『全女式体固め』とも呼ばれていた。これ以外にも、特殊な体勢でフォール勝ちを奪った場合(例・足で踏みつけただけ、人差し指一本だけ相手に乗せる、相手の上に座り込む)に、総じて「〜式体固め」と記録される。体固めの体勢で片足を取り、エビに固める技。より返し難く、容易に繰り出せるため多用される。相手レスラーの両足が上に上がった状態で、エビに固める技。現在はパワーボムで相手を叩きつけた後、そのままピンフォールの体勢に持ち込む場合に多く用いられる。ジャンボ鶴田は片手で相手の片足を、両足で相手のもう一方の足を抱え込む形でのエビ固めをフィニッシュに用いていた。重心が相手の両肩から首付近へ移動し、より強くマット上に固めることができるため返し難い。クラッチ技とも呼ばれる。クラッチ("clutch")とは、英語で「しっかり掴む」を意味し、プロレスでは相手の手首を掴んだり脚を絡めることにより相手の体を「く」の字に固める(海老のように丸め込む)技は総称してクラッチ(丸め込み)技と呼ばれる。相手と背中合わせの状態で立ち、背後から相手の両腕を絡めて前屈みになり、相手を自分の背中越しに前方へスライドさせ、エビ固めの体勢に持ち込む。主な使い手は藤波辰爾、西村修、堀口元気、旭志織など。アメリカではバックスライドと呼ばれる。かつてはハワイアン・バッククラッチホールド、ローリング・バッククラッチホールド(下記、同名の技と混同するために使われなくなった)とも呼ばれた。相手の背後から股の間に手を入れて片足を抱え自ら後方に倒れこんで相手を倒し、相手をエビに固めつつ体重を掛けて押さえ込む。相手の背後に立った瞬間に決めることで相手の意表を突くことができる。女子選手が使うと、スクールガールと呼ばれる場合がある。和名は横入り式エビ固め。「学校に通う子供が習う技」といった名前の由来通りの基礎的な技だが、DDTプロレスリング所属のMIKAMIはこれを必殺技に昇華させ(MIKAMI曰く「世界を獲ったMIKAMI様の必殺のスク〜ルボ〜イ!」)、雪崩式、垂直落下式、ジャックナイフ式、起き上がりこぼし式、スワンダイブ式、スライディング式、イグチボム式等々、様々なバリエーションを開発している。ジャックナイフ式エビ固め、ジャックナイフ固めなどとも呼ばれる。仰向けで寝ているの相手の足側に立ち、相手の両足を掴み、そのまま相手を飛び越えるように前転し、ブリッジするように着地、それにより相手をエビ状に丸めて状態にしてピンフォールする。アメリカではミスター・レスリング2号こと"ラバーマン" ジョニー・ウォーカーが得意とした。派生技として、片足だけを掴んで仕掛けるハーフ・ジャックナイフ(シングル・ジャックナイフ)や、小川良成が考案した相手の足を「4」の字のように交差させて繰り出す4の字ジャックナイフ(ゼブラ・クラッチ)、小橋健太のパワーボムからジャックナイフに固めるパワージャックがある。俗に回転エビ固めと呼ばれる。前屈みの姿勢をとっている相手の上を跳び箱を越えるようにジャンプ。飛び越えながら腰にしがみついてそのまま相手ごと前方回転しエビ固めに決める。日本マットでは吉村道明が多用し、有名になった技。自分がエプロンに立ち、相手が突っ込んできたところをトップロープ越しにこの技を決める、という攻防は初期のプロレスでは定番だった。テリー・ファンクは1983年8月31日の引退試合で、トップロープからダイビング式を決めた。日本語では小包固めもしくは首固めと言う。正対する相手の首に自分の左腕で巻いて上半身を屈めさせ、そのまま自分の右足を相手の股の間に滑らせるように入れて相手の右足に引っ掛け、自分の右足を左足でロック。同時に相手の左足を右腕で外側から抱えるようにして、その勢いで相手を自分の後方に前転させてエビに固める。マサ斎藤はAWA世界ヘビー戦でラリー・ズビスコをこの技で破り、世界王座に着いた。丸藤正道はさらに右腕で相手の左手を掴んだ完璧首固めを使って秋山準を破り、GHCヘビー級王座を獲得した。渕正信は腕で相手の耳を塞ぎカウントを聴けない状態でフォールする。矢野通は前屈みになった相手の首捕らえ、足を払い前方へ回転させながら丸め込む裏霞を使用している。棚橋弘至は相手に向かって走りこみながら首固めに持ち込む電光石火を得意としている。(同型の技として梶トマトがスピードという名称で使っている。)飛び付き前方回転エビ固めといわれる、メキシコ・ルチャリブレ発祥の技。立ち状態の相手に、前方からうつぶせ状態のまま自分の両足を相手の脇に入れるように飛び付き、そのまま空中で相手の股の下を通るように前転、手で相手の両足を捕えてエビに固める。飛びつく際の動きがドロップキックと酷似しているため、相手の意表をつくことが多い。冬木弘道がサムソン冬木と称していた時期に考案した事が名称の由来。ソルプレッサ、倒れ込み式前方回転エビ固めなどとも呼ばれる。他にスペル・クレイジー、永源遙、百田光雄らが得意とする。平柳玄藩は、エスプレッソの名称で使用。立った相手に対し、自身の頭部を相手の正面足下になるように仰向けで自身が倒れ、自分の両足を上方へ高く差し出して、その両足をそれぞれ相手の腋の下へ入れて相手の胴をクラッチ。同時に両手でそれぞれ相手の両足を捕まえ、その状態で自身の上半身を起き上がらせ、その反動で相手を前方へ回転させながら倒し、仰向けの相手に後ろ向きで馬乗りになった状態で相手の両足を両腕で抱えた状態でのエビ固めでピンフォールする。主に相手にバックを取られた際の切り返しとしての使用がほとんどで、その場合、腰のクラッチを切ると同時にそのまま滑り込むように自らマットに倒れ込んで決める。一方、スペル・クレイジーはバックを取られた切り返してではなく、相手から技を食らって自身がダウンしたあと、立っている相手の隙をついて決めることが多い。日本では高角度前方回転エビ固め、メキシコ式回転エビ固め、メキシコではウラカン・ラナとも呼ばれる。立ち状態の相手に対し、肩車のように相手の肩の上に乗り、そのまま前転。相手を倒しつつ、相手の股を潜りざまに手で相手の両足をつかんでエビに固める。入り方としては、相手の背後から跳び箱の要領で肩の上に乗ることが多い。藤波辰爾はドラゴン・ローリングの名称で使用していた。大仁田厚がチャボ・ゲレロからNWAインターナショナル・ジュニアヘビー級王座を奪取した時のフィニッシュである。また、漫画・アニメ作品では『キン肉マン』で主人公のキン肉スグルが、超人オリンピック決勝で、ロビンマスクをこの技で下して優勝した。相手が立ち状態の時に、前方から肩の上に飛び乗りそのまま後転、相手の股を潜りざま相手の両足を自分の手で捕えてエビに固める技。ウラカン・ラミレスが開発した。日本語では高角度後方回転エビ固め、また単にウラカン・ラナとも呼ぶ。なおメキシコでは、ウラカン・ラナは上記メキシカン・ローリング・クラッチを指す。相手が立ち状態の時に後方から肩の上に飛び乗り、そこで座ったまま180度回転し、ウラカン・ラナ・インベルティダに移行するレイ・ミステリオの得意技「ミステリオ・ラナ」など派生技がいくつか存在する。ヨーロピアン・レッグロールクラッチ、欧州式足折り固め、欧州式回転足折り固め、欧州式回転エビ固め等ともいう。相手の背後に立ち、股間から相手の両手首を掴んで引き、自分と相手の両脚をクラッチさせエビに固める技。仰向けに倒れている相手にもかけることができる。日本ではビル・ロビンソンが使用して以来普及した。近年ではザック・セイバー・ジュニアが多用している。日本語では回転足折り固めという。相手の背後に立ち、自分の両足首を相手の両脇に差し込んで後方へ回転、自分と相手の両脚をクラッチさせエビに固めた状態でブリッジする。主な使い手はパット・オコーナー、ピート・ロバーツ、藤波辰爾、西村修、初代タイガーマスク、越中詩郎、真田聖也など。日本式回転足折り固めともいう。前述のローリング・バック・クラッチと同型だが、厳密には違う技。うつ伏せに倒れている相手両脇に自分の両足首を差し込み、そのまま体を反転させて相手の体を仰向けにひっくり返し、自身が後方へブリッジすることによって、相手をエビ固めに丸め込む。アントニオ猪木がカール・ゴッチからピンフォール勝ちを奪った技(1973年10月14日の世界タッグ戦)でもある。木戸修が開発。相手を脇固めに捕えた時に前方回転で逃げる勢いを利用し、そのまま腕と足をクラッチしてエビに固める。大技での決着しか歓迎されずに丸め込みでの勝利にはブーイングも上がるようになった1990年代以降においても、木戸のそれは例外的に絶大な説得力を持った技だった。フィニッシュ・ホールドとしてだけでなく相手が脇固めにきたところをスルリとキドクラッチに移行し気が付けば木戸が丸め込んでいた、という光景が以前はよく見られた。木戸以外の使い手としては女子プロレスラーのキャロル美鳥が数度使った他に、エル・サムライがサムライ・クラッチとして使用している。スペル・デルフィンが開発した固め技。仰向けに倒れている相手の頭部正面に立ち、相手の両腕を交差させた上に自分の曲げた右足を乗せて相手の両腕と首をクラッチ。さらに相手の両足も交差させて右手で抱えるようにエビに固めた状態で見得を切りながらフォールする技。CIMAは、デルフィンとの対決前に「デルフィンの素顔はオコゼみたい」と、挑発のために同技をオコゼ・クラッチとして使用したこともある。外道が開発した固め技。キャメルクラッチの体勢で相手の上体を反らしつつ、首を下に押し込むようにして相手の体を前方半回転させ前方に重心を移動、エビに固める。この時、技をかけている方は腕立て伏せのような姿勢となり、臀部で相手の背中を押しながら両脚で相手の両肩を押さえ込んでいる。竹村豪氏の無我クラッチ、宝城カイリの4173も同型。また、柏大五郎(柏クラッチ)や松本都(みやここクラッチ)、タイチ(タイチ式外道クラッチ)らのように自身の名前を冠して使用する選手もいるが、いずれも同型である。ミスター雁之助が開発したオリジナル技。相手のわきの下に自分の首を入れ込み、片腕を絡めて自ら前方回転、片足を引っ掛け相手の体をエビに丸め込む。ツトム・オースギのナターレ・ビアンコ、円華のランヒェイ、コフィ・キングストンのSOSはこのムーヴを高速化し、マットに叩きつけるように見舞うもの。MEN'Sテイオーが開発したオリジナル技。飛行機投げの状態から自分も横回転し、頭と足をクラッチしたまま片エビ固めに捕える。別名:竜巻式横回転エビ固め。ディフェンス・ポジションをとる相手の左腕を掴みその脇に左足を入れて背中を跨ぐように内側に回転、左腕を引っ掛け、相手の頭方向に前転し相手の右腕を取りつつ相手をひっくり返してエビに固める。意表をついて迅速に極めることができるので、ピンフォール率が高い。ペペ・カサスが開発した。ペペの息子ネグロ・カサスや、フェリーノ、ヘビー・メタルなども使用し、カサス家を象徴する技として認知されている。日本ではウルティモ・ドラゴンの使用で1990年代にジュニアヘビー級を中心に普及、現在では多くのジュニアヘビー級のプロレスラーが使用している。ウルティモは派生技として裏ラ・マヒストラルという技も開発している。首投げのように相手の頭部を片腕で抱え込むと同時に腰を捻りながら相手を前方へ回転させながら投げ、同時に自身もそれに合わせて前転するように倒れ込み、その最中にもう片方の腕で相手の片足も抱え込んで、仰向けに倒れた相手の上に仰向けで乗った格好で片足と頭部をそれぞれ両腕で抱え込んだ状態でピンフォールをする。小川良成が得意とし、4の字ジャックナイフと並ぶ小川の代表的な丸め込み技。GHCヘビー級王座、GHCジュニアヘビー級タッグ王座をそれぞれ初奪取したのもこの技。他にもノア系の選手が切り返し等で時折見せることがある。相手の頭部を抱えている腕で、相手の片腕を掴む、腕取り式回転片エビ固めのバリエーションもある。巻き投げ固め、巻き込み式回転片エビ固め、巻き投げ式片エビ固め、巻き投げ式回転エビ固めとも呼ばれる。巻き投げ(アーム・ホイップ)のように、正面から相手の片腋に自らの片腕を絡ませ、同時に腰を捻りながら相手を前方へ回転させながら投げ、同時に自身もそれに合わせて前転するように倒れ込み、その最中にもう片方の腕で相手の片足も抱え込んで、仰向けに倒れた相手の上に仰向けで乗った格好で片足と頭部をそれぞれ両腕で抱え込んだ状態でピンフォールをする。回転片エビ固めを巻き投げで応用したような技。カズ・ハヤシが巻き投げ固めの名で決め技の一つとし、他に熊野準が得意とする。横十字固め、十字架固めとも言う。正面から相手に走って、相手の脇の下をくぐるようにしつつ腕に捕まって、そのまま足を振り上げて相手の背中越しに逆の腕に絡め(この状態が、相手が縦、自分が横になった十字架に見える)、そのまま相手を後ろに倒して両腕を固めたままエビ固めにもっていく技。ルチャリブレではよく使われる丸め込みで、相手の状態(立ち、膝立ち、長座等)を問わずに頻繁に使われる。また、丸め込み技ではあるが、相手を後ろに勢いをつけて倒すことによって、後頭部にダメージを負わせる技としても成立している。野橋真実や大畠美咲の逆打ち、ドラゴン・キッドのバイブル、ムシキング・テリーのストライク・バックなどがそれにあたる。この技への防御として、倒されそうになったときに踏ん張り、自らの体重を相手に掛けながら倒れこむ方法がある。体格差がある場合にこのような返し方をされることが多く、仕掛ける側のリスクが高い技である。別名揺り椅子固め。片腕で相手の頭を抱え、もう一方の手相手の太ももを抱えクラッチし、前方に回転しつつ相手を丸め込みフォールを狙う技である。別名(回転)揺り椅子固め。クレイドル・ホールドから派生したテリー・ファンクの得意技である。寝技式アバラ折り固めとも呼ばれる。コブラツイストの派生技。単にグラウンド・コブラツイストとも呼ばれることも多いが、アントニオ猪木が使用する相手を締め付けてダメージを与える形のグラウンド・コブラツイスト(バナナ・スプリット)も存在するため混同を避けるため、フォール技の場合はグラウンド・コブラツイスト・ホールドが正式名称である。走ってくる相手へのカウンターとして使用されることも多く、近年は一発逆転の丸め込み技の代表格の一つにもなっている。藤波辰爾、西村修、志賀賢太郎、石川晋也などが使い手。倉垣翼が開発したオリジナル技。逆さ押さえ込みで丸め込んだ後、エビ固めの状態になった相手に対してブリッジの要領で背中から覆い被さる。その他にBUSHIがブシ・ロールの名称で決め技として使用している。
出典:wikipedia
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