『めぐりあう時間たち』(めぐりあうじかんたち、)は、2002年のアメリカ合衆国の映画。スティーブン・ダルドリー監督。マイケル・カニンガム原作。『ダロウェイ夫人』をモチーフに、作者であるヴァージニア・ウルフを始め、それにかかわる3人の女性を描く作品。第75回アカデミー賞で9部門にノミネートされ、特殊メイクを施しヴァージニア・ウルフを演じたニコール・キッドマンがアカデミー主演女優賞を受賞。第53回ベルリン国際映画祭ではジュリアン・ムーア、メリル・ストリープを含む3人が銀熊賞を共同受賞した。キャッチコピーは「沢山の愛と驚きと時間たち、そして感動。人生はいつもミステリーに満ちている。」「花は私が買って来るわ、とダロウェイ夫人が言った」(“Mrs. Dalloway said she would buy the flowers herself.”)。この書き出しから始まる小説『ダロウェイ夫人』を1925年に書いた女性作家ヴァージニア・ウルフは、1941年に夫レナードへ感謝と「私たち二人ほど幸せな二人はいない」と云う言葉を残して、川へ入水自殺する。• 1923年の英国、リッチモンドでのヴァージニアの1日(入水自殺は別日)• 2001年のニューヨーク・マンハッタンでのクラリッサの1日• 1951年のロサンゼルスでのローラの1日時間・場所の違う3人の女性の1日が始まり、回り会って行く。1923年の英国・ ロンドン郊外のリッチモンド。過去に二度自殺未遂騒ぎを起こしたヴァージニアは心の病の療養の為に夫レナードとこの田舎町に住み、『ダロウェイ夫人』を書き出す。或る日、彼女の元に姉のヴァネッサとその三人の子供たちがロンドンから訪ねて来る。然しヴァージニアは小説の構想に頭を廻らせ、常に上の空である。そして、「ヒロインを殺す」展開を思いつく。1951年、ロサンゼルス。ローラ・ブラウンは優しい夫と愛する息子に囲まれ、現在第二子を妊娠中である。然し、理想的な幸せを手にしたかのように見える彼女は小説『ダロウェイ夫人』を愛読し、ヒロインに心が満たされない自分を重ねていた。或る日夫の誕生日のお祝いを備えていると、親友のキティが訪れ、子宮の腫瘍の為に入院すると言う。「子供を産まなければ一人前の女ではない」と泣くキティに、ローラは思わず口付けをしてしまう。押し隠して来た愛がキティから拒絶されたことを感じたローラは、自殺をする為に息子を置いて一人ホテルへと向かう。2001年、ニューヨーク・マンハッタン。編集者のクラリッサ・ヴォーンは詩人で小説家である友人のリチャードの受賞の宴の為に、花を買いに行く。クラリッサは彼と過ごした若き日々の思い出を胸に、現在はエイズに侵され、精神的に混乱しているリチャードの世話を続けている。1951年、ロサンゼルス。ローラは自殺を寸前で思い止まり、数時間後息子を迎えに戻ると、何事もなかったかのように夫の誕生日のお祝いを開く。その夜夫からベッドに誘われ、キティを想って流した涙を隠してそれに応じる。1923年、英国・ロンドン郊外のリッチモンド。ヴァージニアは『ダロウェイ夫人』の構想に関して「ヒロインを死なせようと思ったが、止めて別の誰かを死なせなければならない」と話す。姉一家がロンドンへ帰る間際、ヴァージニアは姉に口付けをする。彼女も又、許されざる愛を押し隠していたのだ。姉を送り出したヴァージニアは突然、駅に向かう。慌てて追って来た夫に、リッチモンドの静かで隔離された生活に不満を爆発させる。彼女を愛するが故、療養に適した土地で共に暮らしたいと願って来た夫は、その悲痛な叫びを聞いてロンドンに戻ることを決意する。ヴァージニアは夫に『ダロウェイ夫人』の構想に就いて、「他の人間の命の価値を際立たせる為…(中略)…詩人が死ぬのよ」と明かす。2001年、ニューヨーク・マンハッタン。受賞の宴の準備を終えたクラリッサがリチャードを訪ねると、リチャードは彼らが未だ十代だった頃の最も輝かしい日々の思い出を語り出す。そして、「君の為に生きて来た。でももう行かせてくれないか」「私達ほど幸せな二人はいない」と言い、クラリッサの目の前で窓から飛び降り自殺をする。作品の受賞の宴は中止になり、リチャードの死の知らせを受けた母親ローラがトロントから駆け付ける。彼女はリチャードの小説の中で「怪物」と呼ばれ「殺されて」いた。ローラは、ホテルで自殺を図った1951年のあの日、「二人目が生まれたら出て行こう」と決心し、その後子供二人と夫を置いて失踪したとクラリッサに話す。小説の中で自分が「殺され」ていることに衝撃を受けながらも、「後悔してどんな意味があるのでしょう、嗚呼するしかなかった。出来ることをした。誰も私を許さないでしょうね。私は死ぬより生きることを選んだ」と述懐。1941年ヴァージニアは夫レナードへ感謝の書き記し、川へ入水する。Rotten Tomatoesの映画評論家のうち81%が本作に対し肯定的な評価を下し、平均点は10点満点で7.4点であった。主要キャストの中で特に、ヴァージニア・ウルフを演じたニコール・キッドマンの演技が絶賛され、アカデミー主演女優賞を受賞した。
出典:wikipedia
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