熊本市交通局1090形電車（くまもとしこうつうきょく1090がたでんしゃ）は熊本市交通局（熊本市電）の路面電車車両の形式である。元は1955年(昭和30年)に東洋工機にて製作された188形188・189と、1957年(昭和32年)に同じく東洋工機で製作された190形191 - 195である。1968年にワンマン化改造する際に1090形に統合され、番号は元190形が原番号の百位と十位の間に0を入れた1091 - 1095、元188形は番号順に1096・1097に変更されている。前面は中央のみが他形式と異なり、上部にヒサシが付いた正方形の押出開閉式通風(後に廃し一枚固定化され、またヒサシは撤去された)、他は他形式と同じく左右下部が上昇、上部が固定窓で、前面下部中央に前照灯、左右に尾灯と制動灯を配置しているが、こちらも改造・経緯は1060形と同様である。上部中央には方向幕、右にはワンマン表示灯、下部右には系統表示板を入れるサボ受けがある。サイドミラー用小型ワイパーの取付位置は全車外側であるが、視界確保の為にHゴム支持窓を拡大された為に左右の窓の大きさが異なる。また1096のみ前面の左右窓が固定一枚窓に改良された。窓配置はD5D4の対称形で、下部上昇・中段上段固定式窓、引き戸の前中扉である。本形式では前年に製造された180形（現・1080形）とは側面窓の形状が大きく変わっており、側面窓上のウインドヘッダーがなくなり、上段がHゴム支持の固定窓、下段がアルミサッシの上昇窓となった。またこの1090形から1200形、1350形に共通する事だが、以前は中央扉右横上部に系統幕が設置されていた。(現在は全車共、外部は撤去し塞がれているが、車内は系統幕確認窓と照明器具固定を兼ねた系統幕蓋が残り、更に系統幕蓋もこの3形式で形状が違うが、一部ではそれも撤去され、塞がれている車両もある。)室内灯は新製当初、白熱灯で落成した最後のグループだが、蛍光灯化への改良は昭和末期頃で比較的遅かった。座席はロングシートである。全車冷房化されており、屋根に冷房装置を搭載している。現在の塗装は8200形に準じた白地に緑色の帯を配した塗装であるが、広告電車が多いためなかなか見ることができない。近年は電停の高さの改良により、乗降口ステップの改良を施工していたが2015年10月時点で最後まで未施工だった1097が完了し、また窓ガラスを強化ガラスへの交換も全て完了している。直並列抵抗式を採用している。モータは東洋電機製造が製造した38kWのものを2基使用しており、1台車1モータ方式を採用している。台車は全車、住友金属製FS-74形だが、元188形から編入した1096・1097については後年導入した1200形・1350形の一部車両で装備する近畿車輛製KD-201形と同じく台車枠の左右に各3つの穴がある。また、この188形・190形から180形まで用いられた板バネ式から、コイルバネ式が採用された。2016年6月現在(※1097は1095とカラーリングの向きが逆で、コメントデザインの多少違い。)

出典:wikipedia