エキゾーストマニホールド()は、内燃機関における排気管のうち複数の排気流路を1つにまとめる多岐管(manifold)である。日本語ではエキゾーストマニフォールドと表記されるほか、エキマニと略されることもある。排気マニホールドや排気集合管と呼ぶ場合や、タコ足と俗称される場合もある。イギリス英語ではexhaust extractors、アメリカ英語ではexhaust headersとも呼ばれ、それぞれextractorsあるいはheadersと略される場合もある。エキゾーストマニホールドは複数の排気ポートに接続されるヘッダーパイプと、複数のヘッダーパイプを集合させるコレクターからなり、一般的に鋳鉄や炭素鋼、ステンレス鋼などで作られている。3本以上のヘッダーパイプを1度にまとめる組み合わせのほか、たとえば4本を2本にまとめてから次の段階で2本を1本にまとめる、段階的な組み合わせの場合もある。組み合わせ方や各ヘッダーの長さに応じてエンジンの出力特性や排気音が変化する。排気の熱を受けて高温になると輻射熱を発生するため、周囲に熱の悪影響を及ぼさないようにグラスウールを利用した断熱材が巻かれる場合や金属製の遮熱板が取り付けられる場合、あるいは外側表面にセラミックコーティングが施される場合がある。自動車用の量産品では生産が容易で熱容量の大きな鋳鉄製が一般的であったが、軽量化や、厳しさを増す自動車排出ガス規制への対応から、触媒(ガソリンエンジンでは三元触媒、ディーゼルエンジンでは酸化触媒。)に始動直後からの即効性が求められるようになり、薄肉で温度上昇が早く温度管理に有利なステンレス鋼管製に移行している。排気と触媒温度を保つために薄肉ステンレスプレスの二重管を使うものも増えている。これに対し、自動車用アフターパーツとして製造販売されている製品では鋼管製やステンレス鋼管製が一般的で、鋳鉄製のものは鋳型のコストがかかるため生産量が少ないアフターパーツではあまり製造されない。鋼管の加工方法にはパイプベンダーを使った「機械曲げ」と、管の中に砂を詰めてバーナーで赤熱させて曲げる「手曲げ」がある。機械曲げは単位時間あたりの製作数が多く単価を抑えられる利点があり、手曲げは屈曲部の内径が減少しにくい利点がある。あるいは、曲がり部分を細かく分割し、斜めに切断した直管を組み合わせて溶接して制作する方法もある(いわゆるエビ管)。エキゾーストマニホールドはヘッダーパイプの長さや径だけでなく、集合させる組み合わせによってもエンジン特性が変化する。大きく分けると、排気干渉()を積極的に利用して掃気効率()を高める設計と、排気干渉を利用せずに掃気効率を高める設計がある。排気ポートから排気が行われると、排気管内には圧力波が生じて管内を往復する、排気脈動()と呼ばれる現象が起こる。エキゾーストマニホールド内では、1つのシリンダで発生した排気脈動は集合部で反射波となって別のシリンダの排気ポートへ到達するが、排気ポートを開くタイミングで排気脈動の負圧が到達するようにヘッダーパイプの長さを調整すると、掃気を促し新気の充填効率を高くすることができる。一方で、。4気筒エンジンでは、排気干渉を利用して掃気効率を上げる設計として、4本から2本、2本から1本へと段階的に集約する「4-2-1」レイアウトが利用される。一方、排気効率を優先する場合は等長ヘッダーパイプによる「4-1」レイアウトが組み合わされる。これは車体軽量化にもメリットがある。シリンダーから集合部までの距離が長い4-2-1レイアウトは通常の道路を走行する際に利用される中低速域でのトルクや燃費に優れ、シリンダーからの距離が短い4-1レイアウトは高回転を多く利用するレース車両に向いている。オートバイの4気筒エンジンの場合、かつてはエキゾーストマニホールドを設けずに各シリンダーから1本ずつに分かれたままの排気管を採用していたが、現在では4-1レイアウトと4-2-1レイアウトが主流である。「タコ足」と呼ばれるものは、各排気ポートから集合部までを長さを等長化する際に、狭いスペースの中で長さを稼ぐ必要からうねるような曲がりが付き、それがタコの足のような形状になることに由来している。
出典:wikipedia
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