ディレクシブ(Direxiv)は、かつて存在した日本のレーシングチーム。2005年、平成電電の大株主でBNPパリバプライベートバンクの顧問でもあった投資家の秋山新率いる「アキヤマホールディングス」傘下で、モンテカルロに設立登記された投資会社「ディレクシブホールディングス」の出資により、東京を拠点に発足した。モータースポーツへの参入当初より、国内ではフォーミュラ・ニッポンやSUPER GTなどのトップカテゴリーに参戦した他、ヨーロッパにおいてもF3選手権やGP2に参戦するなど、バブル景気時のレイトンハウスを髣髴させるような急激な活動拡大を行った。実妹の五十嵐結花とグラビアユニット「プニプニ」を組んでいた、元レースクイーンの芳賀美里(旧芸名:日野まるあ)を「社長」に擁して、ブログなどで芳賀の活動を前面に押し出した。また、芸能プロダクション部門を設けて、映画の製作(実現せず)に乗り出すことを公表した他、モデルやレースクイーンの派遣等にも進出した。モータースポーツへの参戦経験やチーム運営経験どころか、実務経験すらない芳賀にプロジェクトを「指揮」させ、チャーターしたプライベートジェット機で移動させるなど不可解な点が多い上、秋山と芳賀の関係、さらに経営母体の資金源を含む実態が明確でなかったことから、多くのモータースポーツ関係者から先行きが懸念されていた。さらにディレクシブは最高峰カテゴリであるF1への進出も計画した。元F1ドライバーの鈴木亜久里に資金援助を約束し、鈴木は2005年2月にホンダへB・A・Rの買収・共同運営を提案したが、ディレクシブの経営実態を怪しんだホンダはこれを拒否した(鈴木は後にスーパーアグリを立ち上げる)。その後も、元F1ドライバーのジャン・アレジをシニアエグゼクティブアドバイザーに招聘し、F1のトップチームであるマクラーレンに対するスポンサーや業務・技術提携を行なったとされるが、実際にどのような技術が提供されたかは発表されないままであった。またマクラーレンからシャーシ、メルセデスからエンジンの供給を受け、マクラーレンのセカンドチームとしてF1に参戦するのではないかと噂された。2006年3月には、GP2で提携するイギリスのデイビッド・プライス・レーシング (DPR) と共に2008年からのF1への新規エントリー申請を行った。しかし、同年4月の国際自動車連盟 (FIA) 発表ではプロドライブが選出され、ディレクシブは落選した。この様に急激にその規模を拡大するように見えたものの、2006年8月1日には「アキヤマホールディングス」が親会社であること、同社が事業方針を転換したことが発表されると同時に、SUPER GT以外の全ての活動からの撤退を表明した。直後の8月9日には、アキヤマホールディングスからの資金供給が途絶えたことを理由に、モータースポーツ活動からの完全撤退が発表され、8月20日に行われたSUPER GT第6戦(鈴鹿1000km)を最後にレース出走が停止された。SUPER GT・GT300クラスについては、参加車両減を憂いた周囲の計らいで、実車のメンテナンスを担当していたR&D SPORTがチーム運営を引き継ぎ、鈴木利男を新監督に迎え、2006年シーズンの残りレースを戦った。またフォーミュラ・ニッポンについては、「EMSマネージメント」なる会社が事実上チーム運営を引き継ぐ形で参戦した(ドライバーは密山祥吾から平中克幸に交代した)。ディレクシブの公式ウェブサイトは同年8月9日の撤退発表を最後に更新を停止し、芳賀の過去分を含むブログも削除され、2007年シーズンに向けたチームの動向や、芳賀の進退などについても沈黙を守ったままになっていたが、2007年1月になりウェブサイトも閉鎖し、結局チームは消滅した。なお秋山および「アキヤマホールディングス」はその後全くモータースポーツに関わる事業に姿を見せないままであったが、芳賀は、SUPER GTの2007年シーズン第3戦より、楽天BOMEX 320Rと、スーパー耐久のRSオガワの「監督」として突如レース界に復帰。2008年はSUPER GTのMOLA レオパレス Zの「監督」となった。同チームは同年のGT300クラスのドライバーズタイトルとチームタイトルを獲得し、シーズン途中までランキングトップに着けながら、チーム消滅の憂き目に遭った2年前のリベンジを果たす形となった。しかし、モータースポーツに於いて何の経験も実績も無い芳賀が何故レーシングチームの「監督」となったのか、その背景は、芳賀と秋山や「アキヤマホールディングス」との関係同様不明のままであった。さらにその後芳賀は「監督」を突如辞めている。現在は秋山も芳賀もモータースポーツ界との関係は一切無く、「ディレクシブ」の実態や、チームに関与した人物のモータースポーツとの関連など、未だに不可解な部分が多く残されたままとなっている。
出典:wikipedia
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