メフロキン()は、抗マラリア剤の一つであり、内服薬として用いる。メフロキンは、キニーネに類似の化学構造を持つ物質として1970年代に開発され、1980年代に使用され始めた。メフロキン塩酸塩が製品化され、ロシュのラリアム(Lariam)が有名。WHO必須医薬品モデル・リストに収載されている。海外に派遣された自衛隊員がメフロキンを使用中に6人自殺した問題について、防衛省はメフロキンの予防投与との因果関係は低いとしている。これは、自殺との関連性を全面否定していない。メフロキンはマラリアの予防及び治療、クロロキン耐性熱帯熱マラリアの治療に用いられる。予防に用いる際には暴露が予想される2週間前から4週間後まで週に1回服用する。軽度・中等度のマラリア治療に用いられるが、重篤なマラリアには使用すべきでない。メフロキン耐性のマラリア原虫の拡大にともない、メフロキンの効果は減少していった。アルテミシニンなどのほかの抗マラリア剤と併用することもある。メフロキンは多剤耐性菌マラリアの存在地域を除く各地でのマラリア予防に効果的である。米国では疾病予防管理センターで使用が推奨されている。米国感染症学会もマラリア予防の第一・第二選択薬(渡航地域での耐性出現状況に依る)として推奨している。通常、旅行の1〜2週間前から服用を始める。ドキシサイクリン及びアトバコン・プログアニルを1〜2日服用すると忍容性が改善する。メフロキン使用中にマラリアに感染した場合はやキニーネは無効であると思われる。メフロキンはクロロキン感受性又は耐性の' に因るマラリアの治療に用いられる他、クロロキン耐性' に因る合併症の無いマラリアの治療に使用される。米国疾病予防管理センターで使用が推奨される薬剤の一つに挙げられている。重症マラリア、特に"P. falciparum" の感染に因る疾患には推奨されない。この場合静脈注射薬を用いる。メフロキンは肝臓に侵入した原虫を除去しない。"P. vivax" 感染患者にはプリマキン等の肝臓内の原虫の駆除効果を持つ薬剤を併用すべきである。海外ではメフロキンは妊婦のマラリア治療に広く用いられている。安全性に関するデータは少ないが、2,500名の妊婦を対象とした後ろ向き調査では、出生異常や流産の増加は見られていない。WHOは妊娠中期・後期(第二・第三トリメスター)での使用を承認し、妊娠前期(第一トリメスター)に使用した場合の中絶措置を求めないとした。重大な副作用として知られているものは、スティーブンス・ジョンソン症候群(0.1%未満)、中毒性表皮壊死症、痙攣、錯乱、幻覚(0.1%未満)、妄想、肺炎、肝炎、呼吸困難(0.1%未満)、循環不全、心ブロック、脳症である。メフロキン対ドキシサイクリンのコホート研究では、1つ以上の有害作用が仕事を妨害したと報告があったのはドキシサイクリン群で有意(p < 0.0001)に多かった。有害作用の報告率は、メフロキン群で109/867人(12.6%)、ドキシサイクリン群で152/685人(22.2%)であった。メフロキン群の報告は主に精神神経系であったのに対し、ドキシサイクリン群の報告は主に消化器系と皮膚障害であった。有害作用のうち何%が服薬と無関係かは不明であるが、ドキシサイクリンはメフロキンと比較して有意に多い有害作用の報告率であり、仕事への悪影響も大きかった。結論として、抗マラリア薬の第一選択肢はメフロキンであるべきという意見を支持する。防衛省は、海外に派遣された自衛隊員6人の自殺との因果関係を否定している。戦地に赴く心理的要因が自殺を誘発させているのであれば、同じマラリア予防薬として使用されているドキシサイクリンの使用中にも自殺が多発しているはずであるが、実際はそのような報告は存在しない。ドキシサイクリンに自殺予防作用(抗精神病薬作用)があると考えるほかに説明がつかない。2013年、米国FDAはメフロキンの精神神経系副作用(投与中止後も残存する場合が有る)について添付文書に黒枠警告を設置させた。精神症状には、悪夢、幻視、幻聴、不安、抑鬱、異常行動、自殺企図等が有る。神経症状には、眩暈、平衡失調、耳鳴が有る。添付文書では、軽度の症状が重篤な副作用の予兆となるので軽度な症状が見られたら服用を中止すべきとしている。精神科疾患の既往の有る患者にはメフロキンを使うべきではない。マラリア予防にメフロキンを服用した人の内、1万人に1人の割合で入院を必要とする中枢神経症状が出現する。より軽度な症状(眩暈、頭痛、不眠、明晰夢)は最大25%に出現する。主観的な評価に拠ると、旅行者の11〜17%でかの不自由が生じていた。動物研究では顕著な精神作用は確認されていない。メフロキンは心電図上で確認可能な心拍異常を引き起こす。同様の副作用を持つキニンやキニジンとメフロキンを併用すると副作用が増強される。メフロキンとハロファントリンの併用はQT時間を大きく延長するので禁忌である。メフロキンは主に肝臓で代謝される。肝機能以上を有する患者では薬剤の排泄が遅延し、血中濃度が上昇して副作用の危険が高くなる。メフロキンの血中濃度半減期は2〜4週間である。殆どが胆汁へ排泄され、尿中への排泄は4%〜9%である。長期に使用しても半減期は変化しない。長期服用時には肝機能検査を実施する事が望ましい。メフロキン服用中は飲酒を控えるべきである。メフロキンは2つの不斉炭素を持つ光学活性分子であり、理論上4つの立体異性体が存在する。薬剤として使用されているものは、("R
出典:wikipedia
LINEスタンプ制作に興味がある場合は、
下記よりスタンプファクトリーのホームページをご覧ください。