ビントロング（"Arctictis binturong"）は、ジャコウネコ科に分類される食肉類。本種のみでビントロング属を構成する。別名クマネコ（熊猫）、クマジャコウネコ。英語ではベアキャット（Bearcat）とも呼ばれる。インド北部、ネパール、ブータン、ミャンマー北部インドネシア（スマトラ島、ビンタン島、クンジュル島）、タイ、マレーシア（マレー半島）インドネシア（バンカ島）インドネシア（スマトラ島西部、ニアス島）インドネシア（ジャワ島、ボルネオ島）フィリピン（パラワン島）体長60-97cm。尾長56-89cmとジャコウネコ科最長種。体重9-17kg。尾は長く太い筋肉質で、先端を物に巻きつけることができる。全身は長い体毛で粗く被われるが、頭部は短い体毛で被われる。耳介背面の体毛は房状に伸長する。毛衣は黒く、毛先が白や灰色、黄色、赤褐色。耳介の外縁は白く縁取られる。耳介は小型で、丸みを帯びる。吻端にある体毛が無く露出した板状の皮膚（鼻鏡）は大型。歯列は門歯が上下6本、犬歯が上下2本、小臼歯が上顎8本、下顎6-8本、大臼歯が上顎2-4本、下顎4本の計36-40本の歯を持つ。盲腸は小型で、ない個体もいる。爪は短くやや湾曲し、不完全ながら引っ込めることができる。出産直後の幼獣は体重0.3kg。乳頭の数は4。森林に生息する。単独もしくは数頭からなる小規模な群れを形成して生活する。樹上棲だが、地表に降りたり水中に入ることもある。夜行性で、昼間は樹洞などで休む。休む時には尾を体に巻きつけ頭部を尾の下に入れる。食性は植物食傾向の強い雑食で、主に果実を食べるが、昆虫、魚類、鳥類やその卵、小型哺乳類、ミミズなども食べる。繁殖形態は胎生。周年繁殖する。妊娠期間は84-99日。1回に1-6頭（主に1-3頭）の幼獣を産む。生後6-8週間で固形物も食べることができるようになる。生後2年半で性成熟する。種小名"biturong"や和名、英名はマレー語で本種を指す呼称に由来する。毛皮、ペット目的の乱獲、開発や森林伐採による生息地の減少により数が減っている。

出典:wikipedia